元メロン記念日の村田めぐみと大谷雅恵からなる村谷姉妹とtoddleの共同主催イベント『むらたに☆とどるの恩楽会』が来たる3月17日(金)に新宿ロフトで開催される。また、スペシャル・ゲストにニューロティカと漁港を迎えたこのイベント開催を記念して、toddleの田渕ひさ子と小林愛が作曲を手がけ、村田と大谷がそれぞれ作詞を手がけた共作曲「Reborn」と「その日まで」がリリースされることに。ジャンルを超えた極彩色の娯楽ライブ開催のみならず、まさかのコラボレーション楽曲の発表に至るまでどんな経緯があったのか。レコーディング当日に彼女たちを直撃し、思いの丈をたっぷりと語ってもらった。(interview:椎名宗之/photograph:大参久人)
村谷姉妹を想定して書き下ろされたオリジナル楽曲
──レコーディングお疲れ様でした。作業を終えていかがですか。
田渕:煮詰まって「ガーン! どうしよう!?」ってなることもなく、トントントンと進められました。(小林に)ね?
小林:うん。とても貴重な経験をさせてもらえました。
大谷:私たちも穏やかな気持ちで臨めて良かったです。
村田:toddleさんが私たちに合わせてどう録っていけばいいのかを考えてくださったので、優しい空気のなかで唄うことができました。
田渕:気遣いだけで、技術とかは全然伴ってなかったんですけど…(笑)。
村田&大谷:いやいや、とんでもないです!
──そもそもどんな経緯で新宿ロフトでのライブ共演が実現するに至ったのかを、愛さんから説明していただけますか。
小林:私はもともとメロン記念日のファンで、10年ほど前から解散するまで何度かメロン記念日のコンサートを観に行ってたんですけど、解散後の各メンバーの活動を目にするなかで「こういうイベントがあったらいいのになぁ…」とずっと構想していたんです。椎名さんのご紹介で大谷さんとは以前から面識があって、いつか一緒にそういうイベントができたらいいなとぼんやり考えていたんですが、そのうち柴田(あゆみ)さんが活動休止になって、その最後のソロ・ライブで思うところがあったり、あとその同じ日に親しい友人が急に亡くなってしまったのも大きくて…これは「いつかやれたらいいなぁ」なんてゆるく思ってるだけじゃダメで、ちゃんと動いて実現しないといけないなと具体的に考え始めたんです。それで椎名さんに一緒にやってもらえないかと相談したのがきっかけだったと思います。
──そう、僕も言い出しっぺの一人なんですよね(笑)。
小林:メロン記念日やハロプロが好きというのは私の超個人的な趣味で、toddleの音楽やお客さんには表向きは関係のないことなので、それにバンドを巻き込んでしまっていいのかな? とうじうじ思っていたこともなかなか実現に向けて動き出せなかった理由です。
──なるほど。で、せっかく一緒にライブをやるならコラボで新曲を作って、イベントでリリースしてみてはどうですかと僕がけしかけまして。
小林:自分にとってはイベントの実現だけで超おおごとなので、曲までは…と自信がなくて最初は迷ってしまったんですが、よく考えて、せっかくいただいた光栄な機会なので自分で良ければぜひやらせてもらいたいと思うようになったんです。
小林:いや、書き下ろしです。2曲録ったんですけど、「Reborn」はまず私がメインで作って、ドラムをひさ子ちゃんに入れてもらったんです。ひさ子ちゃんはドラマーじゃないのに、いつも格好いいドラム・パターンを考えてくれるんですよ。
田渕:ろくに叩けないくせに、考えるのが好きなんです(笑)。
小林:ひさ子ちゃんが考えてくれたドラムのおかげで曲がグッと良くなったんです。
──「Reborn」は疾走感と清涼感が溢れるメロディが素晴らしいし、ハーモニー映えする曲ですね。それを受けて、村谷のお二人が作詞に取り組むことになって。
大谷:取り掛かるまでは二人とも「大丈夫かな? 作詞なんてできるかな?」って感じだったんですよ。
──でも、大谷さんは「ENDLESS LOVE」(2010年)で作詞の経験がありましたよね。
大谷:一回だけ書きましたね。それ以降、周りから「自分の曲で詞を書いたほうがいい」と言われていたものの、書くのが苦手で作詞からは逃げていたんです。だけど今回は、めぐちゃんがいれば大丈夫っていう勝手な安心感があったんですよ。
村田:私は全くの未経験で、作詞は前からチャレンジしてみたいことの一つだったんですけど、取り組むきっかけがなかったんです。今回こういう話をいただいてすごく嬉しかったんですが、作詞をやりたい思いが高まりすぎたのか、自分のなかのハードルを上げすぎちゃったんですね。それでなかなか書けなかったんですけど、締め切りの前日になってようやくテーマが見つかったんです。
──そのテーマは、「人は何度でも生まれ変われる」という冒頭の歌詞に集約されていますね。どれだけもがいて転び続けても、前を向いてひたむきに歩いていこうという。
村田:そうですね。人は皆、生まれた時は何もできないところから始まって、一つずついろんなことができるようになっていきますよね。そんな赤子の精神を大人になっても忘れずに、恥をかいても一歩ずつ着実に歩いていこうみたいなことを書きたかったんです。でも書いていくうちに、「あれ? なんかまさちゃんみたいな曲になってきたかな?」とか思って(笑)。
大谷:生き様を唄い上げるみたいなね(笑)。