ボーカルを選んだ経緯
——ではボーカルを選んだ経緯を教えて下さい。
樹威:ドラムは嫌だなって思いました。
——何でですか?
樹威:目立たないから(笑)。後ろだなって。あと僕は、1個のことしか出来ないタイプだなと思ってたんで、ピアノが出来る人が凄いなって思ってたんですよね。右手を動かして、左手を動かして、足を動かしてみたいのは、多分無理だなと思って、ボーカルがいいなってなんとなく思いましたね。
——では始めからボーカルって感じだったんですね。
樹威:そうですね。やるならボーカルがいいなって思いつつ、楽器も出来たらいいなって思って。
——ギターを少しやって?
樹威:一応ギターも弾けるんですけどね。
——幸也さんは?
幸也:今でもボーカルじゃ無い方がいいですよ。俺は。出来ればドラムとかがいいですね。もっと言うと、音楽を聴くのは好きだったけど、別にバンドっていう感じはでなかったですね。もし音楽に関わるんなら、裏方になりたかったですね。中高生の頃は、音楽雑誌とかのライターとかの方がなりたかったですね。すごく音楽を聴くし、自分なりのレビューみたいのを付けるのが好きだから、「俺、むいてるな」みたいに思ってましたけどね。何回か過去のインタビューで答えたこともあるんですけど、関西のヤンキー気質の人って、バンド・ブームになってバンドやりたいってなるけど、ボーカルに誰がなるかってなったら、恥ずかしいみたいな気持ちがあって押し付け合うんですよね。大阪のよくない文化なんですけど、自分から「俺、ボーカルやりたいです」みたいな奴は、嫌われるんですよ。「お前、イキッてんのか」って。「イキッてる」って大阪の方言の言葉だと思うんですけど、「調子に乗ってんのか」って。いざボーカルってなると、みんな嫌だ、嫌だってなるんですよ。で、一番後輩だった俺にお鉢が回ってきたって感じですね。
——では中学の時に始めたのも、ボーカルからってことですか?
幸也:そうですね。個人の趣味としては、音楽が好きでギターとかやってましたけど、先輩が、「俺がギターだ」「俺がドラムだ」ってなってるから、「お前ボーカルな」みたいな感じでしたね。
樹威:確かにギターやろうと思った人が結構いっぱいいましたよね。だからほぼギタリストばっかりで、「どうすんだ」みたいな感じでしたよね。
幸也:だからボーカルになったきっかけって言ったら「やれっ」って言われたからですよ(笑)。逆らえるような先輩じゃなかったですもん。
——その先輩がいなかったら、ボーカルの幸也さんは…。
幸也:100%やってないですよ。