2016年は同世代や後輩、そして異ジャンルとの2マンライブや、事務所(PS COMPANY)主催の全国ツアーにZEAL LINK主催の全国ツアー、そして7月中旬から都内での4週末に渡っての主催ワンマン「週末ヒーローズ」に、今年初の名古屋と大阪での「週末ヒーローズ出張編」開催など、活発的なライブ活動を繰り広げているVo.景夕、Gt.タイゾ、Ba.結良、Dr.靖乃の4人組バンド"Kra"が、15周年を迎える9月に渾身のミニ・アルバムを2枚同時リリースする。
"宇宙トラベラー"と題して『CORE盤』と『CELL盤』の2つのコンセプトに分けた今作品の拘りや聴きどころなどを中心に深く掘り下げて聞いてみた。これを読んで再びKraワールドに浸ってみると、また別の世界が見えるかも!?
[interview:河西香織(新宿LOFT)]
——今回、2枚に分けて作品をリリースする理由は、『CORE(コア)』と『CELL(セル)』という、2つのコンセプトに分かれていたからですか?
景夕:えーと、並べると“壊せる”っていうところから…。
——あっ! なるほど!!
景夕:嘘ですけど(笑)。
一同:(笑)
——えっ、本当に嘘ですか?
タイゾ:初めて聞きました(笑)。
靖乃:すごい隠し玉を残してたな(笑)。
——「わっ、すごい!」って思っちゃいましたよ(笑)。
タイゾ:たった今、景夕が格好いいことを言いましたけど、本当は違います(笑)。1枚のフルアルバムで最初は考えてたんですけど、出揃った曲を並べた時に1枚だと収拾がつかない感じがしたので、曲調とかで2つに分けて、それぞれにコンセプトをつけて2枚組にしようっていうところからの2枚組ですね。
——そうだったんですね。“宇宙”というテーマは最初からあったんですか?
景夕:いや、ないんです。いつもうちらは、楽曲があって、それを聴いてどういう感じの歌詞を書けるかなっていうのでコンセプトを考えてるんですけど、今回は“宇宙”でいってみたいなって感じですね。
——そうなんですね。では各々が思う『CORE』と『CELL』の魅力を教えてください。
景夕:『CORE』はライブで楽しく動いたりとか、声を出したりできそうな楽曲が多いところが魅力かな。『CELL』は聴かせる感じの曲が多いので、しっとりと聴いてもらえそうなところが魅力なので、きっぱりと2つが分かれてる感じでいいかなとは個人的に思いますね。
タイゾ:分けた時も、“静”と“動”みたいな感じで、メンバー的には簡単に分けてしまったんですけど、細かい印象は聴いてもらった人に委ねると言うか、お客さんによってそれぞれ捉え方も違うだろうし。あんまりいないだろうけど、「『CELL盤』の方が私は躍動的に聴こえる」みたいな人もいるかもしれないので。そこは俺的にはお任せしますって感じですね。
結良:聴きどころは、お客さんにお任せですかね。僕らはマスタリングで曲間とかを決めていて、これはだいぶ前から思ってるんですけど、僕自身がクロスフェード掛けちゃったりとか、早送りしちゃって「ポチ」って次の曲を押して余韻を聴かない人だから、『CELL盤』の曲間の間とか、結構そういうのは聴きどころだと思うんだけれども、多分今の人たちってそういうのがなくなっちゃっていると思うので、特に好みの曲を探して聴いてくださいくらいしかないですかね。
靖乃:『CORE』と『CELL』で、核とその周りにある細胞みたいな意味合いのタイトルが付いてるけど、それこそ人それぞれ捉え方はあると思ってる中で、今、マスタリング作業まで終わって聴いてる曲の感触で俺自身が捉えてるものとしては、『CORE』の方が外に広がっていく世界みたいな感じの印象を受けてて、逆に『CELL』の方はインナーにインナーに、深層心理に入っていくみたいな感じなんかなって。ひょっとしたらタイトルと真逆の意味合いになってるのかなって感じがあるので。どっちも世界が広がっていってると思うから、その広がり方の違いみたいなのを楽しんでもらえたらいいかなとは思いながら、発売を待っています。
——タイトルでもある『宇宙トラベラー』という曲を『CORE盤』の1曲目に持ってきたことに特別な意味合いはありますか? この曲は今作のリード曲ってことですよね?
景夕:そうですね。「リード曲だし、アルバムと同じタイトルだし、1曲目でもいいんじゃない?」って、結構軽い感じだったよね?
タイゾ:あとは『CORE盤』で5曲あって、全部をそれぞれ1曲目に想定した時に、『宇宙トラベラー』はギターから「ジャカジャカジャカジャカ」って始まるんで、あれが一番始まりっぽい感じだったなと。他はあんまり1曲目としてイメージできなくて。個人的にはあれしかないかなって感じでしたね。
靖乃:デモ出しの段階からリード曲候補の1曲だったから、揺るぎなきいい位置かなと。
——結良さんは?
結良:僕はそこはノータッチだったんです。
——そうなんですね。今回のタイトルも景夕さんが考えたんですか?
景夕:そうですね。
——では、作詞をしている景夕さんにとって『宇宙トラベラー』という言葉には、どんな想いが込められているんですか?
景夕:根本は、よくある“みんな宇宙の旅人”みたいな。“宇宙船地球号”じゃないですけど。今はその言葉になってるけど、もしかしたらこの先、そういう旅もできるようになるかもしれない、そのもっと先には、人類がいろんな惑星に移住していくかもしれないってことを考えた時に、分かり易いのは、未来に行けばそういうのがある、でも、今は今で、自分たちの人生の中での旅をしていることだし…。いろんな意味があり過ぎて、どれを言えばいいか分からないですけど。『宇宙トラベラー』っていう曲の歌詞みたいに、宇宙人がいきなり来て、からかって帰るってこともあるだろうし、そういういろんな要素を含んで『宇宙トラベラー』にしようかなって。