お互いの“今がある”きっかけの存在
——共通の繋がりの方として森重樹一さんがいらっしゃると思うのですが、どんな存在ですか?
TAKA:自分が音楽を好きになった中学生くらいの時に活躍されているシンガーの中のお1人で、やっぱり大きい存在ですね。
卓偉:僕の音楽の入り口はイギリス音楽とかパンクだったんですけど、そういう洋楽ばっかり聴いている中で、当時の日本の音楽でずば抜けて「すげーな、この人」っていうのが、森重樹一さんだったんですよね。ZIGGYは中学生の頃に聴いても洋楽だって感じはしてましたし。そこに『GLORIA』や『I’M GETTIN’ BLUE』みたいな歌謡曲にも通ずるポップなメロディな曲をシングルにされていて、日本人が好きだっていうところも押さえるセンスの良さとか。あと森重さんが歌うビートが16(ビート)だったんですね。パンクって基本8(ビート)なんですよね。譜割りは分かり易いんですけど、あんまり跳ねないんですよ。森重さんは常にファンキーなんですよね、8ビートを歌っても。16ビートにすごく注目してたっていうのもありますね。僕が中学生くらいに流行っていた日本の音楽っていうのは、譜割りが1(拍目)、3(拍目)で裏が感じられないようなメロディが多かったんですけど、森重さんは裏拍の2(拍目)、4(拍目)できてたっていう感覚がありますね。森重さんがいてくれたからこそ歌を志したっていうところが僕はあるので、今でも感謝してますね。
——TAKAさんはどうですか?
TAKA:そうですね、卓偉くんほど、森重さんのことを知っているわけではないんですけど…。
卓偉:TAKAさんって、そういうところでいうとhideさんですよね?
TAKA:音楽を始めたきっかけがどうこうとか、そういうことではないんですけど、デビューにあたってhideさんにすごい力添えと言うか。hideさんのスタッフさんに見つけてもらって、hideさんに関わってのデビューだったんで。
卓偉:直接はお会いしたんですか?
TAKA:お会いできなかったんですよね。ライブを観てもらう約束をしてたんですけど、その前に亡くなられたので会えなかったんですけど。その後にいろんなhideさんの周りのミュージシャンやスタッフさんと、今でもそうですけど仲良くさせて頂いていて、hideさんの存在があっての今だなっていうのはすごくありますね。
卓偉:TAKAさんがこの人だって憧れたボーカリストの方っているんですか?
TAKA:最初は氷室京介さんでしたね。BOØWYのコピーバンドから始まってっていう感じです。解散しちゃってたんで、ライブを観たこととかはないんですけど。
卓偉:僕も氷室さん、大好きですよ。氷室さんもビートが16なんですよね。あの人は元々ドラマーだったらしいんですよ。曲は8(ビート)でもなんか跳ねてるんですよね。布袋さんが書く曲がそういう音符だったのかは分からないんですけど。16(ビート)で跳ねた感じの歌い方ができるボーカリストはやっぱり好きなんですよね。氷室さんってもう50歳過ぎてますよね?
TAKA:そうですね。
卓偉:そこまで俺らも頑張んなきゃいけないですよね。
TAKA:そうですよね。僕らが音楽を志した時よりも、今の先輩方って年齢層が高くなって、40歳、50歳は当たり前みたいな感じになってますよね。
卓偉:当時はそんなにいなかったですよね。
TAKA:ね。でもそれが励みになってると言うか。森重さんもそうですけど、全然変わらないですよね。2014年に周年で行なったAXの公演を観に行かせてもらったんですけど、歌がすごくて。体ももちろん鍛え上げられてるし。それはすごくシンガーとして頑張んなきゃな、まだまだいけるなっていう背中を見せてもらったなっていうのはありましたね。
——目指せ先輩って感じですね。
TAKA:そうですね。先輩で頑張っている方々がいっぱいいるんで。
卓偉:我々の下にもそういう世代がいるとするのならば、格好がつくようにしたいなって思いますね。
新宿LOFTとの思い出
——では新宿LOFTの思い出を教えてください。
卓偉:僕は10代の頃に東京に上京してきて、小滝橋にあった時から日本のジャパニーズ・パンク・ロックの人たちのライブを観に行ってたんで、どっちかって言うとティーンエイジャーの時の小滝橋の印象のほうが強いんですよね。ステージも低いし、今よりも全然観づらくて。誰かのライブがあると入口に人が溜まってて、怖いなっていうイメージでしたね。
——卓偉さんがLOFTに出演するようになってからのイメージってどんなですか?
卓偉:小滝橋の時は、昼の部と夜の部があって、若手は最初昼の部しか出れなくて、結局それで1回やった程度だったと思うんです。昼の部であそこを埋めて、夜の部でライブができればいいなっていう憧れのほうが強くって、もっと頑張りたいなってところで移転が決まっちゃったりとかだったんですよね。今のLOFTさんのほうがライブの回数は多いので、思い出って言ったら今のLOFTですけど、イメージって言ったら小滝橋のLOFTですね。TAKAさんもよくやられてるんですか?
TAKA:まぁ、ちょくちょくやらせてもらってますね。(音の)回り込みのバッシャンバッシャン返ってくる感じとか凄い好きで、いつもめっちゃリラックスしてできますね。いつから出てるんですかね…。ずっとやってるんで、この時のあれがどうこうって感じじゃないんですよね。今も年に何度もやらしてもらってるんで。
卓偉:歌舞伎町に移転してから何年なんですか?
——4月で16年経ちました。
卓偉:じゃあ、移転して最初の頃は僕はやってなかったですね。多分最初にやったのは、2004年とか2005年とかだったと思うんですよね。そう考えると時間が経つのは早いですね。LOFTが今の場所になったのがつい最近のように思ってしまうんですけど(笑)。
一同:(笑)
——新しい思い出を作るという意味でも、1月20日にセッションとかをお願いしたいのですが…。
卓偉:はい、是非! 誰の曲をやりましょうかね?
TAKA:そうですね…。誰かの曲もいいんですが、単純に卓偉くんの歌を唄いたいなぁっていうのもありますね。
卓偉:マジっすか!
——お互いの曲を唄うっていうのもいいですね!
卓偉:じゃあ、アンコールでお互いの曲を1曲ずつプラス、誰かの曲を1曲みたいな感じにしましょうか。
TAKA:いいっすね! 楽しみにしてます!!
pics by Masayuki Kouda
1月20日公演への意気込み
——それでは1月20日公演への意気込みをお願いします。
卓偉:僕は後輩として胸を借りる思いでやりたいですね。来てくれているお客さんをハッピーにさせられるかが一番大事だと思うし、2バンドが合わさって相乗効果が生まれればいいなと思ってます。あとは年始ということで、いいライブをしておけば1年がいいんじゃないかって(笑)。
一同:(笑)
卓偉:そういうものに繋がるようにもっていきたいなって思ってます。
——ではTAKAさん、お願いします。
TAKA:そうですね、単純に卓偉くんと2マンという形で一緒にライブができるのが本当に嬉しいし、個人的に凄い楽しみで仕方がないですね。今やってるような、普段通りのいいライブを全力でやれればいいと思ってます。ドラムのMASAKIがヘルニアで今年いっぱいで休みをもらって、多分その後の最初のライブになると思うんで、完全なdefspiralではないっていうのが悔しいところではあるんですけど、そんな状態の中ですが、一緒に共演させてもらって刺激をもらえたらいいかなと思います。当時からファンでいてくれる子も多いので、絶対に楽しみにしてる人も多いと思うんですよね。
——両バンドのお客さんも融合してくれるといいですよね。
TAKA:そうですね。
卓偉:そうなるといいですね。
——それでは当日も、よろしくお願いします!
TAKA&卓偉:よろしくお願いします!