新宿LOFT=男・パンクなイメージ
——このイベントをLOFTで開催して下さいますが、卓偉さんの新宿LOFTでの思い出を教えて下さい。
卓偉:それこそ一番最初に行ったのは、ニューロティカだったんじゃないかな〜。LAUGHIN’NOSEの再結成だったかな? どっちが先だったかはちょっと思い出せないんですけど、小滝橋にあった時のLOFTが潰れるっていう情報が流れた時に『KEEP the LOFT』(1994年)ていうイベントをニューロティカが10日間やったんですよね。で、7日目に観に行ったのを今でもはっきり覚えてます。
——出演、ということではなく、初めはお客さんとして行ったんですね。
卓偉:そうです、そうです。で、あっちゃんがメイクを止めてた時期だったんですが、その日はメイクをしてたんですよ。8〜10日目を観てないから、その後は分からないんですけど、7日やったうち、今日が初めてのメイクだって言ってて、凄く嬉しかったのを覚えてますね。ニューロティカがオリジナルメンバーの時ですけど。LOFTって言ったらそれと、あとは、当時“昼の部”っていうのがあって。今はないですよね?
——今はないですね。オーディション的なやつですよね?
卓偉:そうそう。それに出たら、通常の時間にも出れるっていうのがあって、当時、バンドで昼の部に1回出たことがあったような。なんですけど、小滝橋にあったLOFTはそれ1回をやったきりで、あとは観に行くばっかりでしたね。そうしたら移転っていう話になったりとかして。
——ニューロティカとLAUGHIN’NOSEの他に何を観たんですか?
卓偉:パンクばっかりで、THE RYDERS、THE STAR CLUB、THE STREET BEATS、The STRUMMERSとか、その辺りの人たちばっかり観に行ってましたね。
——そうなんですね。では歌舞伎町に移転して、こちらのLOFTのステージに初めて立った時の思い出は何かありますか?
卓偉:やっぱりステージが市松模様のままでいてくれたってところで、LOFTだって感じはしましたよね。移転があったとしても名前が残っているっていうは素晴らしいことじゃないですか。嬉しかったですけどね。
——何かハプニングがあったことはありますか?
卓偉:高橋まことさんのバンドと2マン・ライブをやった時に、僕が先に出たんですけど、1曲目でギタリストとベーシストがチューニング違いで、“バーン”って演奏しちゃって、当然不協和音になっちゃって。ステージ袖から止めて「もう1回やって」って言ったことがありましたけどね(笑)。お客さんはなんだか分かってませんでしたけど。
——そんなことがあるんですね。
卓偉:ありましたね。
——LOFTではないところでも、そういうことってあったりしたんですか?
卓偉:いやいや、後にも先にもその時だけですね(笑)。
——LOFTのステージと他の場所とで違う所ってあったりしますか?
卓偉:う〜ん、まぁでもLOFTって名前を聞くだけで気合いが入りますよ、やっぱり。
——お話を聞いている中で、パンク系のバンドさんのお名前が出てますもんね。そういうバンドさんはLOFTに凄い出てますから、そういう方々がっていう所なんですかね?
卓偉:それもあるし、もっと言えばARBやANARCHYやBOØWYとか、それこそTHE BLUE HEARTSやJUN SKY WALKERS(S)だってやってたわけですから。やっぱりパンク色が強いですね。メタルとかは(自分は)全然通ってないんで。そっちの方のハコは全然行ったことがないんですよ。そう考えるとやっぱり、LOFT=男とかパンクってイメージがありますね。懐かしいですね、10代の時の話ですから。
——卓偉さんのデビューは1999年ですよね。歌舞伎町のLOFTも1999年にオープンしたんですよ。
卓偉:なるほど! 僕は10月がデビューでしたね。
——あっ、西新宿にあった時のLOFTは10月がオープン日だったんですよ! 何か繋がりますね。ちなみに歌舞伎町のLOFTは今年の4月で16周年だったんですが、“新宿LOFT”って括りで言うと10月で39周年になるんです。
卓偉:いやー、本当にそうやって続いているのは凄いことですよ。
——卓偉さんも凄いですよね!
卓偉:いやいやいや、とんでもないです、本当に。
——でも、継続することは本当に大変だなーって思うんですよね。
卓偉:まぁ、そうですよね。僕らの今言った先輩たちも続けていらっしゃるじゃないですか。それがやっぱり凄いですよね。
——確かにそうですよね。アツシさんとかもいいお歳ですけど、ステージとか凄いパワフルだし、本当に凄いなって思います。
卓偉:運動量が素晴らしいです、本当に。ファンだからあっちゃんって言いますけど、やっぱりあっちゃんなんですよ。あっちゃんが辞めなかったから、絶対に今のニューロティカがあるし。オリジナルメンバーの時も凄く好きだったんですけど。俺は最初のレコード会社がコロムビアだったんですけど、ニューロティカも長らくコロムビアだったんですよ。ちょうど俺が入ったぐらいに一時の解散みたいになっちゃったんですけど、辞めなかったってことは、本当に尊敬しますね。
——ニューロティカとは交流はあるんですか?
卓偉:いや、ないです。結局、僕はその時代の人たちが凄く好きだった割に、実は全然面識がないんですよ。
——一緒にやったら面白そうですね(笑)。ニューロティカは、とても長く続けてますよね。
卓偉:そうですね。続けてらっしゃる人たちって、変わらずキープし続けて、なおかつ進化し続けてっていうのがあるんで、そこはやっぱり今でも勉強になりますね。
——芯が通ってますよね。進化はするけど根っこは変わらないって言うか。だから続けていけるのかなって思います。
卓偉:そうですね。あと先輩の皆さんって優しいんですよね。しかも腰が低過ぎて怖いですね(笑)。
——卓偉さんも腰が低いと言うか、柔らかいですよね。うちのスタッフも言ってますよ。
卓偉:ほんとですか!
——いい人ですね〜って。
卓偉:(笑)嬉しいです、本当に。基本そういうのって、福岡とか九州とかは礼儀が絶対なんで。ツンツンしてたら生きていかれないですけどね。なかにはそういう人もいるんでしょうけど。スタッフさんに挨拶があっていいライブができると思ってますから。
——これは、ライブハウスの人に聞いて欲しいですね(笑)。
卓偉:(笑)とんでもないです。
——有難うございます!
卓偉:いやでも、LOFTの人がそういってくれたっていうのは嬉しいです。