ヴィジュアル系のイメージを壊す先駆者になりたい
── 今お話にあがった『BAD END DREAM』は骨太なラップからキャッチーなサビに繋がる感じもかっこいいですよね。グッと引き込まれましたよ。
Яyo:『BAD END DREAM』は左迅がサビメロを全部考えたんです。みんなで曲を書こうって時期が2年前ぐらいにあって、初めてワンセクション持ってきたんです。そのメロディがすごく良いなとずっと思ってて、いつか絶対に出したいって思ったんですよ。すごく思い入れが強い曲なんですが、左迅が当時のままの歌詞では歌いたくないと言ったので、『MONSTER』のバージョンとして新しく書き起こしたんです。
左迅:1から再編集しました。
Яyo:ファンの人は前のインパクトが強いと思うんですけど、今の俺たちのものっていうのを理解して聴いてもらいたいなって気持ちがありますね。ジェントという手法を使ってギャンギャンとしたギターを入れてるんで、ポップながらへヴィな印象もあって面白いと思います。
── また『Resolution』(M-7)のイントロの鍵盤の音がすごく好きだったんです。仮タイトルが“FuwaFuwa”だったそうですが、フワフワとしたメロディーラインでずっと頭に残るんですよ。
Яyo:フワフワかつ絶望感がある曲というイメージが頭にあって、サビメロはほとんど左迅に任せたんです。最初のイメージとは違う方向にいったんですけど、歌のラインは左迅が活かされてる曲だと思うし、俺が作ったフワフワな部分と弐さんのコード感だったり、愁さんのタイトなベースだったり、みんなの良い所が活かされた作品になったと思います。音だけでも楽しめる作品にしたかったし、楽器だけでも、これは毎回言ってることなんですけど、聴いてライヴが想像出来るようなものにしたかったんですよ。
── 最後の『ALONE』もサビで客席と一緒に歌ってる雰囲気が想像出来ましたよ。
Яyo:今までは切ない感じのバラードが最後に来ることが多かったんですが、みんなで一体となれる曲で締めたいというのが作る前からあって、わかりやすいメロだと思うし、初めて聴く人でもその場で口ずさめると思うんです。それで最後に合唱して締めたいなと思って作った曲ですね。コーラス録りとか面白かったですよ。左迅以外の3人が0.8畳の狭いブースで録ったんです。
左迅:電話ボックスの中に男3人が入っているイメージですね。
── ギュウギュウですね(笑)。
Яyo:汗だくになりながら(笑)。
── 歌詞も再始動してここからもう一度始めようとするみなさんとリンクしてますし。
左迅:ようやく答えも出せたから、また一から頑張ろうって思いを込めて、アルバムのエンディングに相応しい曲と歌詞にもなったかなと思います。
愁:このアルバムは、バンドが言いたいことを左迅くんが歌詞に書いてるし、自分に言われてるんじゃねぇかなって思いながら弾いてるし、すごく戒めになる嫌いだけど好きなアルバムなんです。言い方が難しいですけど、好きになっていけたらいいなと思ってます。やっぱ歌詞を見ると、まだウッてなる部分もあるし。でも人間味があるものになったんじゃないかなって。生のバンドが出ていると思いますね。
── ジャンルで括って聴かない人たちにも聴いて欲しいと純粋に思いましたよ。
左迅:ヴィジュアル系って勝手に決めつけたイメージを持たれてるのは大嫌いだし、そういうのもぶっ壊していきたいと思っていて、ヴィジュアル系のイメージを壊す先駆者になりたいと思っています。それが出来るアルバムだと思うし、出来るバンドだと思います。今回は絶望を経験したギルガメッシュが這い上がって得たものを、そして10年の歩みが全て詰まったアルバムになってますし、堪能して聴いて欲しいですね。