2度目のカナダツアーを含め、前回現地からのインスピレーションを基に作り上げたフルアルバム「Granville」を現地で演奏する想いや、その後に控えているオリジナル自主企画である「2マンフェア」での各対バンに対する想いを椎名杏子(Vo,Pf )、柴 由佳子(Vn),リーダー(Gt,microKORG)、林 絵里(Cb)にカナダツアーに行く前にその心意気を語ってもらった。(interview:平野 風/下北沢SHELTER)
2度目のカナダツアーへ
──5月の中旬にカナダツアーに行かれますね。
椎名:2年前に行って以来の2回目のカナダツアーとなります。
──前回のカナダツアーはとても好評で会場に入れない人がたくさんいたと聞いています。
椎名:その時私たちは初めてカナダでのライブということもあり、外国の方が日本人のライブを聴いてくれるのか凄く不安でした。けれど現地の方々がとても温かく受け入れてくれたんです。今回2回目になるんですが、音楽を現地でもっと多くの人に聴いてもらいたいという気持ちと、前回とは違う自分たちを見てもらいたいという気持ちでいっぱいです。
──もちろん、前回のチーナさんを見て、今回も楽しみに待っているお客さんがいるでしょうし、そのイベントを楽しみに待っている人がたくさんいると思います。
椎名:前回カナダでライブを行い、見に来てくれたカナダのお客さんがTwitterなどを通してメッセージをくれる人や、気にしてくれている人たちが海外にいるということは凄く励みになりました。
──カナダ以外の国をツアーで行かれたことはありますか?
椎名:他の国はありませんが、どんどんヨーロッパなどにも行けたらと思っています。
──カナダでは「和製アーケードファイア」と言われたことがあるとのことですが、それを聞いて分かる気がしました。聴き手に与えるわくわくした感じのイメージがどちらのバンドにもありますね。
リーダー:カナダに行く前までは意識したことがなかったのですが、言われ始めて動画や楽曲を聴かせて頂き、表現したい音や伝えたい空気感が近いことを僕らも感じました。
──「アーケードファイア」というバンドはカナダが誇るバンドの一つで、例えられるというのはとても素晴らしいことだと思います。ところで、皆さんはライブハウスでは珍しい楽器で演奏されますが、椎名さんが作詞と作曲をされて各々のパートはそれぞれで作られていたりするのですか?
椎名:そうですね。楽曲の骨組みは私が作ってその中でのアレンジは各自で行い、肉付けはみんなでやっています。やはり細かい楽器の特性は本人が一番分かっていますし、格好いい聴き所を作ることは本人に任せています。
──みんなで作られているという一体感が伝わって来るからこそ、楽曲の一つ一つが格好いいな、と思うフレーズがありとても良いと思っていました。
椎名:普通のバンドだったらソロではギターがメインになったりすると思うのですが、このバンドでのギターは、、、何でしたっけ?
リーダー:、、、隙間産業。
全員:(笑)
椎名:ともあれ、バイオリンがギターの代わりをしていて、バイオリン自身がサブボーカルのようにサウンドとして楽しんで聴けるように曲作りをしています。
──多彩な音や編成も普通の日本のバンドとは変わっていますよね。
椎名:チーナが使用する楽器は結構コアなものがあり、普通のライブハウスなどでは驚かれたりすることもあります。カナダでは歌詞も日本語だったのですが感情を読み取ってくれた感じが伝わってきましたし、音楽を凄く褒めてくれました。このようなカナダでの経験が今のチーナの活動に影響しています。
5月のスケジュール
──5月は特にハードスケジュールですね。5月15日にカナダツアーに行って4本ライブをこなして、5月25日の「サウンドクルージング」の前日に帰国されるのですよね?
椎名:サウンドクルージングではまだカナダにいるような気分でしょうね。
リーダー:MCを英語で言っちゃうとかね(笑)。
柴:前回のカナダに行ったあと後のライブ2本が新宿ロフトだったのですが、ライブが終わった瞬間に椎名が「Thank You!!」って言って本当にびっくりした!(笑)
──是非その「Thank You!!」をシェルターでも楽しみに待っています(笑)! では、この5月のスケジュールを通して成し遂げたいことや試してみたいことはありますか?
椎名:前回はカナダでの貴重な体験を活かして『Granville』というアルバムを出したのですが、今回はその場所を想って作った楽曲を現地で演奏するということに対して特別な想いを持っています。
林:リリースツアーカナダ編がやっと出来る感じですね。
──『Granville』という名前は都市の名前ですか?
椎名:そうです。Granville Marketという凄く景色のきれいな場所があるのですが、ライブが終わった後にみんなで「よかったねー!」って言い合えた場所でした。
──だからこそこの都市に対しての思い入れが強いのですね。アルバムの雰囲気もとても良く伝わってきます。
林:ジャケットの写真もそこから使わせて頂きました。
椎名:このような想いをこめてカナダで演奏出来たらと思っています。
「2マンフェア」に向けて
──来月よりシェルターでの3連続2マン企画「2マンフェア」が始まりますね!今回のイベント名はチーナさんの自主企画「4辛」とは違うイベント名ですが、ちなみに「4辛」とはどういう意味ですか?
柴:私たちは凄くカレーが好きなバンドなんですよ、物販でカレーのスプーンを売るくらい(笑)。初めに「新宿 Nine Spices」で企画をしたときに丁度好きな辛さである「4辛」というイベント名にして、4バンドが出演する思い出に残るイベントになったことが始まりでした。
リーダー:カレーを感じるイベント名が欲しかったんですよ。
椎名:おかげ様で長く続けていられるイベントとなりましたが、私たちがこのイベントで成長していけているのが嬉しいです。
林:このイベントではカレーを売っているのでカレー臭いですが、チーナオリジナルのカレーや店とコラボして出している時もあるので毎回楽しくやらせてもらっています。
──今回は思い入れのあるイベント「4辛」ではなく、「2マンフェア」というタイトルはどんなところから来ているのですか?
リーダー:僕が考案者なのですが、去年の年末からただ企画を組むということや大きなイベントに呼ばれて参加するということではなくて、自分たち発信で何か楽しいイベントを組みたいと思っていました。そこで、2マンを連続でやったら楽しいな!と思ったことがきっかけで考えたのが「2マンフェア」でした。「4辛」は1日で終わってしまう企画ですが、これとは色を変えて連続感を出せるのがこの企画の楽しいところです。
──連続2マン企画では演奏時間も増えますし、対バンによってイベントの見せ方や空気も変えられると思いますが、各対バンに対する想いを教えていただけますか?
「2マンフェア」6/22(土)“雨先案内人”
椎名:チーナ自身もよく「ハッピーなバンドですね!」と言われるのですが、チーナが今まで対バンしてきた中で一番“明るい”と思っているのが“雨先案内人”さんです。今回はこの「2 マンフェア」の初日ということもありハッピーな感じのイベントにしたくて呼ばせていただきました。特にこの初日は明るく楽しいイベントにしたいと思っています!
「2マンフェア」7/13(土)“きのこ帝国”
椎名:チーナときのこ帝国さんの共感できるところで、“曲自体は明るいけれど、たまに歌詞がネガティブなものもある”という部分がありまして、きのこ帝国さんとお互いがそれを吹き飛ばそうという共通の部分をもって、是非一緒にやりたいとオファーさせていただきました。今回きのこ帝国さんと2マンをやるのもカナダツアーも一緒に行くという縁からで、帰って来た時には仲が深まっていると思います!なので、この日の公演はとても楽しみにしています。