ーフル・アルバムの各メンバーの注目曲ー
ーー全曲聞いていきたい所ですが…。逆にメンバーさんから、今回のアルバムだったらこの曲が思い入れがあるよ、とか、この曲好きだなっていうのはあったりします? まずはOJさん(大嵩潤)から。
潤:『殆ど腐敗』ですね。最初、リズムがちょっと違ったんですよ。元々はカッチリカッチリしてるような感じだったんですけど、自分が好きなリズムでイメージしてたのは、ドラム単体で言うと60年代のロカビリーをやってみて、そこに、こんなベースだろうな、こんなギターだろうなっていうのが自分の中であるじゃないですか?
ーーさっきの逆パターンですね。
潤:そうです、そうです。それを裏切られたと言うか、それはkazuさんの持ってくるもので、aieさんが持ってくるもので、「ミクスチャーってこれじゃない!」って思ったんですよ。でも古くさい雰囲気を出したいから「クラップ入れたいです」ってクラップ入れてみたりとかやって、結構自分の好みに寄せてったかなっていうのはあるんですけど。っていうので一番、作ってて楽しいし、やってても楽しいし、聴いてても好きですね。
ーーkazuさんは?
kazu:俺ねぇ、『emmny』かな。この曲は俺が参加する時点から当然ある曲で。2曲目ですからね。
aie:これはササブチヒロシ・ゴッドの時ですね。
ーーゴッドさんとしての2曲目。
kazu:そう。この曲、『addle apple』出すぐらいまでは割とやってて、その辺りからもうやんなくなったんですね。で、俺はこの曲をやってた時に、元からあるゴッドの曲で一番つかみ所のない曲だったの。収録されてるものとはもう全然違うんだけどね。全く最後の最後まで着地点が分からなくて。もう元が残ってないぐらいアレンジされてるんだけど、これがもう大正解!
aie:今が?
kazu:今が一番ベスト。『emmny』だけはベースのラインとかも割と考えて。メロディも結構最後の最後まで考えてたよね。
aie:俺、歌録りの前の日とかにメロを考えてたね。
kazu:そうだよね〜。
ーーオケが出来てる状態で?
aie:オケは終わってて、前の日にメロ付けて、とかだね。
kazu:これがねぇ、完成したらねぇ〜。これがアレンジですよ! 一番難しいんじゃないですかね、演奏するのはゴッドの中で。フレーズとかじゃなくてノリがね。一番しっくりきたなって思うけど。
ーーaieさんは逆に、さっきも配信っていう意味で『殆ど腐敗』って言うてはりましたけど、今回、このインタビューを読んでる人に今回のアルバムの中やったら、ある意味これが一番、毒にも薬にもなるぜって曲は?
aie:俺ね、2曲目の『半分人』かな。これはね〜、大人だな〜って。
一同:笑
aie:大人のロック。非常に俺はこれを推していきたいんですけどね。ちょっとやっぱ伝わりづらい感じもするし。俺たちの中ではレッチリ(Red Hot Chili Peppers)をやってる気が。前のメンバーのジョン・フルシアンテがいる頃の『カリフォルニケイション』というよりは『バイ・ザ・ウェイ』な感じのレッチリ感が非常にね、大人になったなぁ〜って。当時の『バイ・ザ・ウェイ』の頃のレッチリと俺たちあんまり歳変わらないですよね?
kazu:そうだね。いや、若いのかな?
aie:ジョンだとしたら、当時のジョンの方が今の俺らより歳下じゃないかな。
kazu:そういう意味では、このアルバムの中で『半分人』は一番フロアが揺れている所が想像出来ないですね。
aie:モコモコしてる。
一同:爆笑
ーーよくライヴ後はフロアの話になりますけど。
kazu:静止画像(笑)。
ーーやってる側としては、その辺はどうなんですか?
aie:モコモコ感?
ーーはい。ゴッドさんとしてのお客さんのノリみたいなのは、このメンバーになってからの3〜4年間は変わってない?
aie:いや、全然モコモコでいいんだけど。でも例えば、我々が1回ヨーロッパでライヴして帰ってきたら、やっぱりヨーロッパのノリに憧れちゃうかもっていうのはあるけど、現状は「いいかな、これで」っていう感じかな。
ーーライヴを何度も観に行かせてもらってますけど、イベントの流れの中でもゴッドさんの時だけ異色だな、違うバンドだなっていう感じが、どのイベントを観に行ってもそう感じる事が多いですね。
aie:何かね、そこそこフロアがゆったり観れて、ドリンク飲んでる人が揺れてるぐらいが一番いいかなって。