ー曲作りはaieさんの弾き語りから、みんなでリズムを決めていくー
ーー今回のアルバムを一通り聴かさせて頂いたんですけど、インスト込み10曲あって、タイトルの時点で個性がすげーなって印象があるんですけど。
aie:いいでしょ!
ーー作詞、作曲に関しては?
aie:me!
ーー(笑)youが手がけていると。今までいろんなバンドで曲を書いてきてはると思うんですけど、このバンドならではで、自分の書き方って所で意識してる所はあるんですか?
aie:曲に関しては変わってないかな、作り方は。それこそ十何年も。元々デモ・テープを作るのが苦手で、弾き語りとかでゼロから、「リズムどうしようね」って。「俺は早い方がいいんだけど、イメージでは」ってぐらいまでで。後はごちゃっと。俺、コードも分かってないから、「(和音を)弾いてて、歌はここなんですよ。kazuさん、これってルートどこっすかね?」って。
ーーそこはもうスタジオで3人で探り合いつつで?
aie:うん。でも意外と早いよね?
潤:そうですね。
ーー何かすごい時間がかかりそうな感じですけど。
aie:いやいや、もう1時間で下地は出来てて、はまる時はそれではまる。ダメな時はそれを1年ぐらい繰り返しても形にならない時もあって、「あの曲やめよう」って。
ーーばらされる事もあると。その辺はお2人からしてみたらスキルが結構試されると言うか、引き出しの数が無いと。
kazu:いやぁ〜、もう限界だね。
一同:爆笑
kazu:とっくに限界超えてるから(笑)。でも曲を3人で作ってて、あんまり指定がないじゃない?
潤:うん。
kazu:ここのドラムは絶対こう、とか、ここのベースは絶対こう、とか。そういうのが無いから、そういう意味ではやり易いけどね。本当に擦り合せていく感じだから。
ーーじゃあ仮歌と言うか弾き語りの状態まではaieさんの最初の状態で。
kazu:うん。結構弾き語り状態で始まって、オケが固まってきたらメロディがちょっと変わっていくって感じかな。歌詞が乗ってきてまたちょっと変わって。一番健全な作り方だとは思うけどね、バンドとしては。
ーー最近はパソコンでカチッと作ってもうてから合わせるっていうのが比較的に世の中的には増えてきてますけど。
kazu:真逆だね。
aie:昔、deadmanの時とかに曲を作って打ち込んで出していた時に、俺はドラマーじゃないから俺が言うのも何なんだけど、やっぱ自分の中で作った曲のイメージがあるから、やってて「ここは俺、あのフレーズのイメージなんだから、それをやって欲しいな」って思っちゃってたから、作らない方が良いなと思って。ドラマーに対して自分のイメージがない状態のままの方が良いなって。俺が作ってきたのをやってくれっていうのも嫌だけど、何となく俺の頭にそれが鳴っちゃってるからっていう状態が良くないなって思ったから。
ーーじゃあ曲のイメージを大嵩潤くんが、「こういう感じだな」って叩き返した事に対して、「こうじゃない」ってやっていくっていう感じですかね。
aie:うん、そうそう。
潤:最初にイメージは聞くんですけど。曲を持ってきてもらった時に、どんな曲調にしたいかとか聞いて、リズムを何パターンか出してみて、あれは違う、これじゃない、とか、これがいいかもとか。それをベースに後は結構自分勝手に。
ーーその辺、僕のイメージだとaieさんって「ワーで、ドンで、ガン」ってみたいな、比較的、感覚で言わはると思うんですけど、ドラマーとしてしんどいみたいのはないですか?
潤:いや〜、何となく汲み取る。
ーー耳が鍛えられて?
潤:(笑)。ただ、コロコロ曲調が変わった時に覚えるのが大変ですね。特に仮タイトルの時は数字だったんで、1曲目が3で、2曲目が4で…。
aie:笑
潤:もう、ぐっちゃぐちゃになっちゃって。
ーーせめてABCDにしてくれって(笑)。
kazu:でも多分、こういう作り方の方が曲に対して一番ベストなドラムだったりベースだったりだと思うんだよね。俺も蜉蝣の時に、ドラム・パターンももちろんそうだし、構成から全部作ってあって、それを丸々コピーしてくれっていうスタイルだったから。「このリズムありき」の曲だったんだけど、今だと、何となく8ビートでバーってやって、大嵩さんが「こういうのはどうですか?」ってなった時に、それがaieさんの中になかったりしても、「あっ、そっちの方がいい」っていう感じで。
aie:俺がギターをちょっと変えていくみたいな、何ならコードも変えようかみたいな感じで。
kazu:デモ・テープをガッチリ作っていくと、なかなかそういうのって無いからねぇ。
ーー同じアーティストで僕らも音楽を作りますけど、そういう意味でいくと、アーティストの曲に対する思い入れみたいのがすごい入りそうやなって思いますけどね。確実にみんなの考えがその曲の中に入ってきてるっていう作り方ですもんね。