「俺らこれじゃダメなのかもしれない」
── 『Stars Seed』のリリースライブを見て、静と動をうまく表現しているステージだと感じましたが、こういうライブに至るまでってどんな経緯があったんですか?
西:迷走してますよ。19歳、20歳の頃はステージ上で笑ったらロックじゃないというスタンスだったりとか、ルーズな服は認めないとか、洋楽のロックレジェンドがギターを折ってるライブ写真を見てかっこいいと思ったし、自分なりのロック哲学があったので。
原:楽器は投げて帰るとか(笑)。
西:楽屋ではあの人たちに話しかけちゃいけないんだっていう雰囲気を出して、その空気を出すことに喜びを感じていました。
原:3人だけになると「俺かっこいい?」って聞くんです(笑)。
西:バンドを始めたばかりの人たちが持つ、ロックに対する偏見は僕たちも持ってました(笑)。でも、22歳ぐらいで俺らこれじゃダメなのかもしれないなって悔い改める時期が来るんです。同期のバンドには、RADWIMPS、NICO Touches the Walls、UNISON SQUARE GARDEN、ジンとかがいて、他のバンドがどんどん先に行く中、俺たちは黒ずくめでパッツンパッツンの服を着てかっこつけてたわけですから。
森下:財布がポケットからはみ出してましたし。
西:ロックレジェンドたちがつけていた10万以上するアクセサリーをバイト代を貯めて買ったりとか、40万ぐらいするグレッチを投げたりもしましたし。でも、ロックスターってそうじゃないって。音楽シーンもめまぐるしく変わっていた時代で、高校生の頃は青春パンクやミクスチャー、レゲエが流行ってたし、その空気にうまく馴染めなくてバンドが一度ふわっとして。
── 活動休止ですか?
西:休止ではないんですけど、試行錯誤しました。メンバーに反対されながらも笑いを絶やさないボーカルになってみたり、2〜3年かけていろいろなスタイルを試していく中で、原はHEREだったり、三浦も別のバンドをやったり、それぞれが思うロックの姿を探しに行ったんです。ミッシェルもブランキーもあれだけソリッドなことやってるのにお客さんが盛り上がっていて、その違いはなんだという追究もしました。あの人たちは笑ってない、俺たちも笑ってない。同じことをやっているのにおかしいなって。
原:俺らは心の中ですごく盛り上がってるのに(笑)。
西:それで、自分たちが盛り上がってることをちゃんと伝えようと思ったんです。お客さんには笑って欲しかったし、耳を傾けて欲しかった。当時も今と言ってることは変わってないけど、耳を傾けてもらうにはどうする? って。
── 楽しんでることをちゃんと表現したいと変わっていくわけですね。
西:それは新宿ロフトに出始めたことも大きかったです。店長の大塚さんを始めスタッフの方がよくしてくれて、いろいろ話していく中で新しいバンド像が出来たんです。最初はロフトなんて俺たちにはまだ早いって、オーディションの誘いを5回ぐらい断ってましたけど、1回チャレンジしてみようと思って出た時はやっとロックの聖地に辿り着けた気がしてすごく嬉しかったです。その時のライブで、「かっこいいからまた出てよ」って言われて、何度もライブに誘ってもらえるようになり、「いつかイベントやりたいです」って言ったら「いつかじゃなくて今やろう」って。それで当時いたスタッフの小山さんと一緒にイチからイベントを作って。すごく厳しいハコだし、ステージに魔物も住んでるし、良いライブも悪いライブもあったし、でも原点である下北沢屋根裏や、新宿ロフトがいろんなことを教えてくれたから今のインナイがあると思っています。まわりにいるスタッフもそうですけど、すごくありがたいことだと思ってます。
── そしたら、来年あたりにまたロフトに出演してもらえませんか?
西:憧れのほうが未だに大きいハコなので、もう1回やるんだったら満員にしたいし、胸張って帰れるぐらいになったら、と思っています。
── では、来年はどんな活動をしていきたいですか?
森下:レコーディングは続いていて…。
西:今回のアルバム発売後もずっと制作を続けているんですよ。それを何かしらの形で出したいなと思います。あと俺たちはまだロックキッズなので、一刻も早く好きなアーティストと同じステージに立てたりとか、自分たちの掲げる目標に向かって努力し続けたいなとは思っています。そうしてバンドとして大きくなって、よりたくさんの人に届いてくれたら嬉しいですね。それで何十年先にも、俺たちの歌を聴き続けてもらえるように日々精進したいなと思います。
原:4人になって初めて作品を出せたので、森下くんに感謝しつつ来年はライブもたくさんやりたいし、また音源も出したいです。より多くの人に届かせたいなと思います。
森下:アルバムも出せたのでいろんなところでライブやりたいなと思います。たくさんの人に見てもらいたいです。
三浦:来年も活動を止めることなく、より多くの人を巻き込んで行きたいですね。