Rooftop ルーフトップ

INTERVIEW

トップインタビューTHE MACKSHOW(Rooftop2012年9月号)

純然たるロックンロールに対する純真な憧憬から生まれた純正ロックンロールの金字塔『GREASY!』

2012.09.01

ヴォーカルの入れ替わりは王道!?

──収録曲について訊かせて下さい。「きこえないラヴ・ソング」は現地で書かれた曲だそうですが、他にもそういう曲はあったんですか。

K:「IT'S SO HEAVY」はその場で作った曲だね。

──ストーンズの「SHAKE YOUR HIPS」を彷彿とさせるナンバーですね。

K:『メイン・ストリートのならず者』もサンセット・サウンドで生まれたアルバムだし、やっぱりそれっぽい曲をやっとかなきゃまずいだろうってことでね(笑)。

──「誰も知らない本当のビートは/犬も食わないダウンタウン生まれ」という歌詞も秀逸で、即興で書いたとはとても思えませんね。

T:けっこうすぐに出来たよね?

K:うん。遊び心で最後にちょっと「GOOD OLD ROCK'N'ROLL」を忍ばせて(笑)。

T:そこは熱心なファンが「おお、来たぞ!」って思うポイントかもしれないね(笑)。

──ドン&デューイの「JUSTINE!」とチャック・ベリーの「BACK IN THE USA」をカヴァーしたのはどんな理由で?

K:せっかくアメリカで録るなら、チャック・ベリーをやっておかないと失礼なくらいだからね(笑)。「BACK IN THE USA」は最初もっと緩いアレンジだったんだけど、ちょっと膨らませてみた。「JUSTINE!」は単純にやってみたかったんだよね。「JUSTINE!」から「サニー・カリフォルニア」の流れにしたかった。「JUSTINE!」のオリジナルは凄い勢いで、メチャクチャ濃い曲なんだよ。俺が初めて聴いたのは『クールス・オールディーズ・スペシャル』っていうアルバムに入ってたクールスのカヴァーで、それがまた凄くいいんだよね。

T:それを先に聴いていたから、オリジナルのコーラスをやるのがけっこう大変だったんだよ。クールス・ヴァージョンが染みついてるからね。

──何ならクールスのほうがオリジナルなんじゃないかっていう(笑)。

T:俺の中では完全にそうだよ(笑)。

K:ドン&デューイのオリジナルは今もダウンロードできるし、シングルも出てるけど、クールスがカヴァーしていなければそんなことあり得ないからね。そもそもシングル曲じゃなかったわけだしさ。

──EPとして先行発表された「LET ME ROLL」は最初からアルバムのリード・チューンにしようと考えていたんですか。

K:結果的にそうなった感じだね。「REAL DEAL ROCK AND ROLL」か「LET ME ROLL」がリードになるんだろうなと漠然と思ってはいたけど。「LET ME ROLL」みたいに溜めの効いたスローな曲をシングルにして意表を突きたかったところはあるかな。

──トミーさんは「今夜はビート・クレイジー」、バイクボーイさんは「ヘイ!リトル・リッチ・ガール」でそれぞれリード・ヴォーカルを執っていますが、どちらも持ち味が良く出ていますね。

T:「今夜はビート・クレイジー」は途中でコージーが唄ってるんだけど、あれは俺たちにとって王道っちゃ王道って言うか、昔やってたバンド(ローリー)っぽい感じって言うか(笑)。

K:どこがどう王道なんだよ!? って話だよね(笑)。俺とトミーがやってたバンドもそうだし、バイクボーイがやってたバンド(スカッツ)もそうだし、ヴォーカルが入れ替わって唄う曲がよくあったんだよ。「今夜はビート・クレイジー」の俺が唄うパートは最初なかったんだけど、何か普通だなと思って、その場で即興で作ってみた。ちなみにあの曲はVOXオルガンのコンチネンタルを使ってるんだよね。VOXオルガンでジャガーはよく見るけど、コンチネンタルは珍しいんだよ。

──ああ、あの音色には心底シビレますよね。ミッキー・スリム・マック(伊東ミキオ)さんによる名演のひとつだと思います。

T:ホントにね。チープさもあって凄くいい。

K:あれこそ本物のオルガンの音なんだよ。今回はホントにお金を掛けたよねぇ、ミッキーの楽器には(笑)。調味料にもの凄く投資をしたって言うかさ(笑)。でも、あのオルガンの音色に触発されてBメロの俺が唄うパートを作れたんだよね。

──バイクボーイさんの歌録りは如何でしたか。

B:やっぱり難しかったですねぇ…。いつも通りフジー・マック(藤井セイジ)に歌唱指導をして頂きまして。僕はどうしてもフラットに唄いがちなので、強弱の波を付けるようにといろいろ教わりました。「そのフレーズの2文字目を上げて唄ってみよう」みたいな感じで。

T:フジー・マックは後輩のバイクボーイには優しいんだよね。

B:あと、「歌録りする日の朝から発声練習をしてみなさい」とか(笑)。朝起きた時から自分が出せる一番低い声と一番高い声を交互に出して、発声しやすくするっていう。

K:それ、ホントに効果があったのかよ!?(笑)

T:でも、今回はいつもより早く歌入れができたんじゃない?

K:そりゃ3分にも満たない曲に時間を多く掛けられないからね(笑)。

──トミーさんはフジーさんから歌唱指導を受けないんですか。

T:受けないね。タメだから「オマエには教えない、自分でやれ」みたいなところがあるんじゃないかな?(笑)

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GREASY!【初回限定盤】

■DISC-1
01. REAL DEAL ROCK AND ROLL
02. LET ME ROLL
03. GTライダー
04. JUSTINE!
05. サニー・カリフォルニア
06. きこえないラヴ・ソング
07. 今夜はビート・クレイジー
08. NINE LIVES
09. BACK IN THE USA
10. ヘイ!リトル・リッチ・ガール
11. IT'S SO HEAVY
12. 無言電話
■DISC-2
初回限定盤特典DVD(29分)
『THE MACKSHOW IN CALIFORNIA』
01. LET ME ROLL(PV)
02. きこえないラヴ・ソング(PV)
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B.A.D RECORDS/MEDIA FACTORY, INC. FAMC-087
定価:3,150円(税込)
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GREASY!【通常盤】

01. REAL DEAL ROCK AND ROLL
02. LET ME ROLL
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04. JUSTINE!
05. サニー・カリフォルニア
06. きこえないラヴ・ソング
07. 今夜はビート・クレイジー
08. NINE LIVES
09. BACK IN THE USA
10. THIS IS A SONG FOR TEDDY BOY *通常盤のみ収録
11. ヘイ!リトル・リッチ・ガール
12. IT'S SO HEAVY
13. 無言電話
14. グリース・ミー(CALIFORNIA JAM VER.)*通常盤のみ収録
B.A.D RECORDS/MEDIA FACTORY, INC. FAMC-088
定価:2,835円(税込)
昭和87年(2012年)9月19日(水)発売

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LIVE INFOライブ情報

マックショウ『GREASY!』発売記念スペシャル・コンサート
9月15日(土)広島:広島クラブクアトロ
9月16日(日)岡山:岡山ダックテイル
9月17日(月・祝)大阪:寝屋川ヴィンテージ
9月22日(土)愛知:名古屋エレクトリックレディランド
9月23日(日)千葉:木更津カバチ
10月6日(土)青森:青森サンシャイン
10月7日(日)宮城:仙台リプル
10月8日(月・祝)栃木:宇都宮ポップガレージ
10月13日(土)熊本:熊本ジャンゴ
10月14日(日)福岡:福岡CB
10月20日(土)愛媛:宇和島ブービー
10月21日(日)香川:雷神
10月27日(土)和歌山:本町ラグタイム
10月28日(日)岐阜:柳ヶ瀬アンツ
11月2日(金)大阪:楠葉P×9cafe
11月3日(土)兵庫:神戸バリット
11月4日(日)奈良:奈良ネバーランド
11月10日(土)京都:京都ミューズ
11月11日(日)高知:高知ベイ5スクエア
11月17日(土)滋賀:近江八幡ココザホール
11月18日(日)長野:長野ジャンクボックス
11月23日(金・祝)福島:福島エリア559
11月24日(土)岩手:盛岡クラブチェンジウェーブ
11月25日(日)北海道:札幌ベッシーホール
──その他続々決定中!

クレイジーW プレゼンツ 真夜中のラブレター
9月1日(土)神奈川:新横浜ベルズ
出演:THE MACKSHOW
OPEN 21:00/START 23:00
前売¥3,500/当日¥4,000(ドリンク代別)
問い合わせ:ベルズ 045-476-5691

ロッケンロー★サミット2012 〜渋谷頂上決戦〜
9月8日(土)東京:SHIBUYA-AX
出演:ギターウルフ/THE MACKSHOW/THE NEATBEATS/Radiots/ザ50回転ズ/THE CHERRY COKE$/キノコホテル/THE BOHEMIANS
OPEN 14:00/START 14:30
前売¥3,800(1F立見・ドリンク代別)
問い合わせ:ホットスタッフ・プロモーション 03-5720-9999(平日15:00〜18:00)

ジャマーズ プレゼンツ マイ・ファニー・サマータイム
9月9日(日)群馬:高崎ジャマーズ
出演:THE MACKSHOW
OPEN 18:00/START 19:00
前売¥5,000/当日¥6,000(1ドリンク付)
問い合わせ:ジャマーズ 027-388-8800

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