2年3ヶ月という沈黙を破り、2012年3月20日、新生vezが動き出した。
Vo / Gtは高木フトシ(鴉空-AKUH- / gonvut / BAD SiX BABiES / ex.HATE HONEY)、GtにASAKI(AGE of PUNK / BUG / ACxAC / ex.GUNIW TOOLS)、Baに飯田成一(johnny loves brautigan / ex.ZI:Kill,CRAZE,The Heavenly Curve)、そしてDrにYANA(鴉空-AKUH- / GHEEE / NACANO / ZEPPET STORE)での4人で編成されたvez。
7月17日に新宿LOFTにて共催イベント『Requiem for a Dream #1』を開催する。新生vezとしては初のLOFTのステージとなる。この4人での結成秘話や今後の目標までを語ってもらった。(interview:新宿LOFT 河西 香織)
vezの再始動はこのメンバーしか有り得ないと思った
—— ASAKIさんがまだいらしてないんですが、始めてしまいましょう。今回vezは再始動となりますが、結成に至るまでの経緯やそれぞれの出会いについて教えて下さい。
成一:俺以外の3人は出会ってから長いんですよね。でも、俺はここ3〜4年ぐらいじゃないかな。ちゃんと会ったのは、充一(渡部)とやってたThe Heavenly CurveがLOFTでvezと対バンした時で。
フトシ:俺とYANAちんでやってた再始動前のvezだね。
—— その時のvezのメンバーは、高木さんとYANAさんと…
フトシ:石川(剛)君(Pay money To my Pain / Ba)とMITSU(ex.HATE HONEY / Gt)。LOFTで対バンした後に、成一君がclub asiaにvezを見に来て「『Black sheep tail’s』をやれっ」ってすごい言ってたんだよね。「超いい曲だ。超いい曲だ」って。
成一:対バンした時にリハで『Black sheep tail’s』をやってて、この曲の雰囲気は自分では想像もつかないし、何て格好良い曲なんだろうってずっと思ってたんだよね。
フトシ:その日から、「ベースは俺以外はいない」って話が始まり…。
成一:あと、金の話ね(笑)。
フトシ:(笑)で、時を経て、一旦vezを活動休止にしようって言う話になり。そもそも活動してたのかっていう状態でもあったし、その中途半端な状態を俺的には一掃したいなって思ってて、大久保かどこかでやった時に、3人に「もうvezは一旦休止しよう」って話をしたんだよね。またvezをやるとしても、次はちゃんと真面目にやりたいなって思って。でもvezをやらずにいる間も、周りは「vezやりましょうよ」って言ってくるんだよね。でも「いやいや、やりましょうよって言ってもメンバーがいねーんだよなぁ」っていう状態の中で、ふと成一君があんな事言ってくれてたなぁって思い出して。それで成一君にちょっと聞いてみたんだよね。
成一:俺は俺でそれとは全く別の所で、共通の知り合いと「フトシ君みたいなヴォーカルってすっげーいいと思うんだよね」っていうような話をしてたんですよ。そういうのって伝わるんですよね。
フトシ:そうそう、川崎のチッタの店長に「すっげーラブコール送ってるぞ」って言われたり(笑)。それで、ベースが成一君だとしたらって考えたりもしたんだけど、他にも良いと思ってたやつがいたから、あいつとこういう感じでやったらおもしろいなとか、女の子のベースとかもいいなとか考えたりもして(笑)。でもやっぱりベースは成一君しかいないなって思って。それで、もう1回vezをやるとしたら、どう考えてもドラムはYANAさんしかいないなと。じゃあ、あとギターどうしようってなった時に、このメンバーだったら、ギターもすげー人がいいなって思って、アサキチ(ASAKI)をね。アサキチが1回、鴉空-AKUH-(高木フトシとYANAのユニット)でゲスト参加した時があって。
YANA:LOFTでのライブだね。
フトシ:そう、その頃から「vezのギターは俺だろう」って会うたびにアサキチがずっと言ってて、「いやいや、お前じゃねーよ、MITSUだよ」って答えてたんだよね。でも、こうなってこの話をした時に「やりたい」ってなって。そこから2年ぐらい待ってたかな。
—— なんでそんなに間が空いたんですか?
フトシ:まぁ、アサキチ自体忙しいし、なかなか合流出来なくて。でも俺はライブハウスの人や、ファンの人や、それこそ自分のスタッフからもずっと言われ続けるわけじゃん! 「vezどうするんですか? 」って。もう『vezどうするんすか』ノイローゼ!!
フトシ:でも俺はやっぱりギターはアサキチ以外考えられなかったから、アサキチを待つしかなくて。それで、成一君とYANAさんにもアサキチを待ちたいという話をして。でも、さすがに「他のメンバー入れてやろうか」って折れそうになったこともあって、軽いノリだけど、たけちゃん(坂下たけとも)誘ってみたりとかしたこともあったんだけど。で、去年の秋口ぐらいだったかな。アサキチとようやく合流することができて、スタジオに入って初めて4人で顔を合わせたんだけど、その前にあいつ(ASAKI)は曲を5〜6曲、俺の所に持って来てて。俺らは2年も待ってたのに、あいつが合流した途端に今度は俺が作詞で追われることになってさ(笑)。「もう何だよ!」って思ったんだけど、それは嬉しい状態でね。作詞している最中とかに「すげーたくさん曲を持って来てさ。マジ作詞に追われてるんだけど」ってスタッフにグチをこぼしちゃうんだけど、そうすると「願ったり叶ったりじゃないですか」って言われて(笑)。でもね、曲があります、みんな演奏もすぐ出来ますっていう人達が集まるとだいたいの人たちはリハをやんないのよ。でも俺は真面目にやりたかったからさ、コンスタントにリハに入りつつ、曲を作りつつ、その準備が出来てからライブをやるっていう形をどうしてもとりたかったのね。普通、ライブが決まってて、それに合わせてこの日とこの日にリハに入ろうっていう感じになっちゃうんだけど、そういうのはイヤで。ライブがあるからリハやりますって、それってバンドっていうのかなってすごい思ってて。
成一:レコーディングがあるからスタジオ入ります、とかね。それはまぁ、ホントよくあるパターンだよね。
フトシ:言っちゃえば、それがプロのやり方なのかもしれないけど、俺はプロの経験ないからさ。俺としては、ヘイト(HATE HONEY)がそうだったように、10年間なら10年間、毎週1回とか2回スタジオに入り続けて初めて「バンドやってます」って言えるような気がしていて、3人共それに賛同してくれたんだよね。それでスタジオに入っている時に3月に初ライブをやろうって話をしてて、3月のCHOP(池袋手刀)を目標に去年から頑張ってたんだよね。
—— じゃあ、秋から週1ぐらいでずっとリハに入ってたんですか?
フトシ:う〜ん、みんないろいろあるから週1で入れるなんて事はまずなくて、スケジュールを前もって組んで、予定を合わせようとしてたんだけど、なかなか合わなくて。
成一:丸々1ヶ月、4人のスケジュールが合う日がありませんでしたって事もあったりしたしね(笑)。
YANA:そうだ! スタジオで初めて4人で顔を合わせたのは、去年の秋口じゃなくて3月に1回あったね。その時にvezのワンマンやるぞって言ってたんだけど、それっきり顔も合わせずって感じだったりね(笑)。この時はスタジオにASAKIちゃんは来れるか分からない状況で、3人で入ろうかって言ってたら、ASAKIちゃんが来て。それで、昔の曲とか、フトシ君の新曲をさらっとやって、手応え感じて喜んじゃってね。
フトシ:でもそっから先がまた長かったんだけどね(笑)。
YANA:そうだね。秋口に2〜3回スタジオに入ったけど、みんな忙しくてそのまま年明けちゃって。でも急に、2月ぐらいにASAKIちゃんが、曲をバーッと持ってきて。
成一:その辺で音を合わせたっていうタイミングもあると思うけど、ASAKIも忙しいのは変わんないかもしれないけど、ちょっとスイッチが変わったんじゃないかなって気がしたんだよね。
YANA:いきなりトップギアで来て(笑)。でもそのおかげで今年の3月に復活ライブをやって。
—— 次が7月17日の新宿LOFTでのイベント、そして9月17日に下北沢SHELTERでのワンマンに続くわけですね。
フトシ:1年周期でスケジュールを組んでいかないとみんなのスケジュールがなかなか組めないのもあって、ある程度は青写真描いて、ライブを組んでいく感じですね。まぁ、若干1名ここにいないけどね(笑)。