正々堂々と表現できるようになった
──これまでは『blue spring』など青の時代を歌った曲が多かったですが、『White House』は歌詞の内容的に青の時代から大人へと進み始めたのかなと勝手に想像していましたが...。
柴山:『COSMIC HERO』が4人になって初めてのアルバムなので、言い方を変えれば付き合いたての状態。そこからちょうど1年経って、恋から愛に変わってきている状態が『ENDLESS SUMMER』。始めは表面的な部分がお互いの刺激になってきているけど、どんどん核に迫ってきているという、バンドの状態と置き換えてちゃんと表現できたアルバムになりましたね。愛について真っ正面から歌うって王道のテーマなんだけど、今の自分の精神状態とかバンドの状況だと恥ずかしさもなくやれるなって自信もついたんです。自分のこともバンドのことも信じられるから歌えるんじゃないかと思います。
──こういう曲ってスロウな分、それぞれの楽器が強調されるじゃないですか。それは自信がついた時期じゃないと表現できなかったかもしれないですね。
柴山:この曲で、人の声って一番ダイナミックスがあるというか、音圧が出るんだなと改めて感じられた部分です。
──最後の『ENDLESS SUMMER』はタイトル曲でもあり、珍しく英語の曲でもありますが。
柴山:もともと僕たちメロディックパンクの影響で英詞を書く事がかっこいいと思っていたんです。でも、日本語は母国語だから書くのも早いし、言葉の表現の幅も多くて日本語に変えていったんですが、英詞ってメロディーの良さやバックの演奏に耳が行くんですよね。この曲はピアノと周りの演奏でドラマチックなアレンジを聴いてもらいたかったのでこうなりました。
──9曲まで聴いた時に、ギターが一切休みないなって思ったんですが、この曲になってベースとピアノだけで聴かせたり、最後にこの曲が来ると今後どうなるかというところはすごく興味があります。
柴山:アルバムの曲順とかアルバムの印象として、今のライブやバンドの状況が、ちゃんと反映できてるなと思うんです。僕たち自身もこの先どうしてやろうってワクワクしている部分もたくさんあるので、そういうところを感じ取って欲しかったんです。それを楽しみにライブに来て欲しいですね。
──では、soulkidsの向かう先にはどんな未来が見えていますか?
柴山:漠然となんですけど、今soulkidsってツインボーカルもあるし、ピアノもシンセもギターロックみたいな曲も、ツービートもバラードもあるし、何でもありなんです。これを、もっとたくさんの人に味わってもらいたい。みんなで音を楽しめている状況をもっと増やしたい。それはメンバー同士でもそうだし、ライブに来ている人もそうだし、この喜びや楽しみを広げたいんです。今は、どうしたらもっと良くなるんだろうという探求心がすごくあって、それを追究していきたい。もっと何でもありのバンドにしたいですね。例えばですけど、ツインボーカルの曲をもっと増やすとか、ギターがボーカルを執っても良いし、フェスを自分たちでやれたらいいし、切り開いていく状況を作りたいです。発信し続けていく事で、人がもっと集まると思いますし。
──今回は夏の間中はほとんどツアーですから、各地でもたくさんの刺激を受けますよね。
柴山:対バンの出会いもあるし、街に住んでいる人からもすごく刺激を受けます。今年は1月に『アネモネ』を出して30ヶ所ぐらいツアーで回っているので、すでにライブを40〜50本やっていて1年で100本行けるかなという感じなんです。『COSMIC HERO』は8本ぐらいで少なかったので、もっとやったら良かったな思ったんです。でも、リリースツアーでたくさん回るんじゃ意味がない気がするんですよ。リリースツアーに来てもらうためには、その前に行って"CD出すから来てね"ってやらないと。そういう作業をするためにも、昨年はリリースツアー後にたくさん回ったんです。改めてバンドらしく、ツアーもちゃんと回ろうって。
──では、全国のsoulkidsを待っているお客さんにメッセージをお願いできますか?
柴山:アルバムを聴いて歌詞を読んでもらって、曲もたくさん聴いて、ライブをイメージしてもらいつつ、ライブに遊びに来て、みんなで一緒に終わらない夏にしましょう! CDの中身通りじゃなくてもっとライブでは面白いことになっていると思うので、楽しみにしていてください。結成したのが高校3年生ぐらいなので同じ名前では10年ぐらいやってきてますけど、いろんな音楽を聴いてその都度バンドが変化をして、メンバーが替わったり気持ちも変わったり、いろいろ経験してきた上で自分たちの表現や気持ちも強くなってきています。もちろん人間なので弱い部分もありますが、正々堂々と表現できていると思うし、ちゃんと味わってもらえるようなCDでありライブだと思っています。歌詞はわりと、今回は泣ける曲もけっこうあるので。じっくり読んでください。
──若い時には隠したかったモノが吹っ切れた感じですね。
柴山:はい。全裸になることも全然抵抗ないですよ。
──そこは抵抗してもらいたいところですけど...。
柴山:すいません(苦笑)。