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INTERVIEW

トップインタビュー【復刻インタビュー】9mm Parabellum Bullet(2009年4月号)- 鋭い刃のように襲いかかる、狂熱のライブを集めた映像集『act I』

鋭い刃のように襲いかかる、狂熱のライブを集めた映像集『act I』

2009.04.01

毎回が一番良いライブを

──新宿ロフトのライブ(2007年6月16日)での、滝さんの言葉に乗っている最後のピー音は?

滝:言っちゃいけない言葉でした(笑)。音源化するぞって言われたのに言っちゃって。反省の意味も込めてピーにしたんですけど、あとから聴いたらおもしろくてしょうがなくて、入れて良かったなって思いました。

──ロフトの映像は『Discommunication e.p.』のカップリングで出てましたよね? リクエストが多くて映像にされたんですか?

滝:リクエストは特になかったよね。勝手にうちらで種明かしをしようっていう企画ですね。

菅原:知りたかったでしょ? みたいな。オマケを何にしようって話になった時に、その案が出て、音源で出てるから、『Discommunication e.p.』を持ってる人は、映像を出すことによってこんな顔で弾いてたんだってわかる。持ってない人も、このライブがあって『VAMPIRE』に繋がるんだっていうのがわかって面白いかなって思ったんです。

──インディーの2枚目(『Phantomime 』)に入っていたPVを除けば、これが世に出回る最も古い映像になるんですか?

滝:公表するものとしてはそうかもしれませんね。

──そう考えると9mmの第一章の一区切りという意味の『act I』と繋がりますね。

菅原:ロフトはメジャーの1枚目を出す前のライブですから。インディーの頃のアルバムに入っている曲がそこで演奏されていたりとかしてますね。

──1年半前と比べて、状況もかなり変わってると思いますけど、自分達が感じる変化って何ですか?

菅原:いろいろ変わっているはずなんですけど、結局毎回その場が一番良くなるようにやってるっていう感じがすごく強くあるので、変えなきゃと思ってやってた感じではないというところはあるんです。1年半後にこうしてなきゃっていう感じじゃなくて、自然にこうなってる。その場を良くしようと思って。思い当たる物はいっぱいあります。お客さんを煽るとか、ずっと前から煽ってはいるんだけど、煽り方が変わってるとか、全くなかった要素はたぶんないと思うんです。それが前あったところより他が大きくなったから、そこは隠れているのかもしれないです。

──『Vampiregirl』では、特に煽りますからね。

菅原:せっかく来てくれているんだから、嫌なことも良いこともたくさんありますけど、そういうのから一回遠ざかって、また現実に戻った時に頑張って生きていこうみたいな。頑張れとは言いたくないし、みんなそれぞれ頑張ってるんだから言わないけど、音楽とか映画とか本でも何でも良いですけど、戻った時のエネルギーになるようなものだと思うので、踊ったりして欲しいし、楽しんで欲しいって思うんです。

──ライブ中、中村さんが菅原さんのマイクをはずすのは?

中村:マイクをはずすと、ずっとお客さんが歌ってくれるんですよ。

菅原:あれは起きてないことだと思ってます。たまにビックリしてマイクをガッチリ掴んじゃうことがありますけど。

──逆に中村さんは、歌おうとしてマイクがなかった場面がありましたね。

中村:(笑)上手側でコーラスをしようとしたら、マイクが落ちてて何もせずに戻った。あれは切なかったです。

菅原:ツアーならではだね。前のツアーでは、滝のマイクを和彦が低くしていた時があって。

中村:上手と下手が入れ替わった時に、滝さんが下手に行った時に、上手のマイクスタンドを下げて帰ったんです。滝さんが戻ってきたらアレ?って。

滝:そのまま2秒ぐらい固まったよ。しょうがないから叫んだんです(笑)。

──中村さんのマイクは、あの高さが一番良いんですか?

中村:今となっては。あれじゃないと落ち着かないんです。

滝:歌う時は、普通の高さが一番歌いやすいと思います(笑)。

──下にあったら叫ぶしかない?

滝:人間のしくみなんでしょうね。

──みなさんの演奏があまりに速くて『marverous』とか、早送りしてるんじゃないかぐらいありましたけど。

滝:現場では普通の速さだと思ってますけど、日によってはビデオを見ると倍速に見えたりします。

──ヘッドバンキングを3人一緒にやっている映像は圧巻でしたね。

菅原:3人一緒の時が曲で何カ所かありますけど、本当はものすごくダサイはずなのに、なんか自分たちで見ていてグッと来る時があるんです。

滝:自分たちなのに、しかもダサイはずなのに、まじかっけー!! って。

菅原:そこがナゾで面白いんです。

──メタルヒーローみたいな、アクションが古いっていうのもいいですよね。

滝:ちょっと小馬鹿にしてるように見えますよね(笑)。でも、研究はしているんですよ。研究した上で徹底的にバカにする。

菅原:Zeppの映像とか、ツアーの後半はそのアクションが磨き抜かれているんですよ。演奏も良くなっているけれど、そういうのも考えずにできるようになっちゃうから。

──かみじょうさんのスティックさばきとアクションは慣れちゃったら面白くない?

菅原:開発して、ギターの自主練するように練習してもらわないと。

──菅原さんから見て、滝さんの大胆な動きはどう見えてます?

菅原:2007年以前はちょっとちょっと…と思ってたと思いますけど、全然今はそんな感じじゃないです。基本的には、いかにそれに動じないでやるかっていうのは、僕のやり方なので。

──野音は完全にギターを弾かずに、マラソンでステージを横断してましたよね。

菅原:あと、僕の前で弾きますからね。それこそダサメタルの感じで。その時は、滝はすごく俺の歌を支えてくれてるはずって思いながら、自分のプレイとかみじょうくんのドラムを聴きながら集中してます。

──かみじょうさんは前の3人を見ていてどうですか?

かみじょう:なんでもいいと思ってます。気にしてたらキリがないので。

滝:1個のネタにつっこむ前に次のネタをやってますから。

かみじょう:だからめんどくさいです。

菅原:あとでまとめてつっこめばいいですから。

──ところで、4月1日にフリーライヴがありますけど、先日行なわれたDragon Ashの代々木フリーライブを見に行ったと伺いましたが…。

菅原:偵察に来たねって言われましたけど(笑)。

中村:いろんな人に偵察って言われました。

滝:偵察に行ったしね。

かみじょう:勉強になりました。

菅原:Dragon Ashのライブがすごい良かったんですよ。俺たちも負けてられないですね。

──4/1は、フリーだしちょっと見てみたいっていう人にも見て欲しいですよね。

菅原:来て欲しいです。あとは、天気だけですよね。そこまではコントロールできないですけど。ツアーと同じぐらいのボリュームにしようかなと思ってます。DVDのリリースタイミングなので。

──同じ野外とはいえ、野音とは雰囲気が違いますからね。

菅原:昼間のライブになるので、明るいし。

滝:桜が満開のはずなので、すごく良い雰囲気になると思います。

菅原:ちらっとでも見たいと思ってる人が来てくれるのが嬉しいですね。DVDでも、充分伝えられますが、普段来れない人とかにも来て欲しいです。そういう人たちに見せられたらいいなと思ってます。DVDもすごくかっこいいと思うので、ぜひ手にとって欲しいなと思います。その上で、ライブにもう1回来てもらえると。カメラを通してじゃなくて自分の目で見るのが本当の体験だと思うので。CD持ってる人は見て欲しいですね。持ってるけどライブ行ったことがないって言う人には、特に見てもらいたいです。

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