夏の切ない思い出大公開
──曲作りから完成するまでで、どれぐらい時間がかかってるんですか?
マスザワ:4月のワンマンの時に1曲あったからね。作っていた時間をまとめたら2週間ぐらいかな。
──そんな短期間で作れるんですね。
マスザワ:作れるんだなーって思った。こんな短期間でけっこういいのが出来ちゃった。手を抜いている感じもないし、間に合わせで作った感じもないし。良く出来るいい子だと。締め切りにもしっかり間に合わせますからね。
──ザ・ガールハントはいい子の集団だと。では、4曲目の『夏のおしまい』。先ほどマスザワさんは、夏と言えば縁側でウチワを仰いでいるというイメージと言われてましたが、そのイメージが入ってますね。
マスザワ:そう。中学校の僕のイメージです。それを思い出しながら書いていたわけではないですけど、僕の夏のイメージの曲です。
──すごい派手なわけでもないですよね。
マスザワ:全部妄想で終わってますからね。好きな子がいるけど、結局何も出来ないまま終わるっていう。夏休みって1ヶ月ぐらいあるじゃないですか。好きな子がいて、その子のことを毎日考えてるのに一切会わずに過ごす夏休みばっかりでしたよ(笑)。どうしても会えず。携帯もないし、連絡して会うってわけでもないし、一緒に花火したとか一切ない。友達と遊んで楽しいとかはあるけど、女の子に関しては100%悲しい思い出しかない。しまいには向こうに彼氏出来ちゃった! みたいな(笑)。一人で好きな人の事を思っているうちに夏が終わっちゃうみたいな。そういう感じの曲だと思う。
──「君」はでてくるけど、「君」と一緒にはいないですもんね。
マスザワ:そうそう、一緒にはいない。全部妄想です(笑)。一人で花火やって、一人で片づけてる。
──ナカニシさんは一夏の思い出とかあります?
ナカニシ:僕も好きな女の子に会いたいなって思って、8月の終わりに誕生日だった女の子がいて家までプレゼント持って行ったことあります。でも、学校始まってやっぱりもらえないって返されました。
マスザワ:普通返さないよ。断る理由が思いつかない。
ナカニシ:まあ俺だったからっていうことでね。
クリハラ:そうだね。
マスザワ:間違いないね。
ナカニシ:高校までは寂しい夏でしたね。プールで泳いでるだけだった。
マスザワ:今でもライブ中、目は泳いでますけどね(笑)。
──うまいこといいますね(笑)。そういうちょっと切ない夏を送っていた皆さんも、大人になって夏の曲を書いているって不思議なことですね。でも、夏らしく楽しい曲ができたんじゃないのかなって思います。
クリハラ:実体験じゃなくて想像をふくらませて書いた曲だから、逆にリアルなんじゃないかな。実体験って意外とパッとしなかったりするけど、妄想だからより夏っぽくなるんじゃないですかね。
──だからグッと来るのかもしれないですね。はい、では『ベランダーズ』。まず、このタイトルの意味を教えて頂きたいんですけど。
チバ:特に意味はないんです。歌詞にベランダって出ているので、外や「ベランダ」に出るのが好きな人。俺たちアウトドア派だぜ!って感じです。
──アウトドアと言ってもベランダですけどね…。どんなことをイメージしながら書かれたんですか?
チバ:ベランダで植物を育てている感じ。夏にぐんぐん伸びている感じ。大きくなれよって。
──クリハラさんとナカニシさんはこのアルバムで大変だった曲とか、思い入れがある曲とかあります?
クリハラ:僕は、演奏とかに関して言うと今回は苦労してないですね。中チンが一番苦労したんじゃないですか?
ナカニシ:いろんな曲調があるし、アルバム毎に求められるリズムが違うので楽しかったですね。曲数が少ないから制作期間も短いんだけど、いろんなバリエーションができたかな。あと『真夏の太陽』のリズムパターンなんですけど、僕はもともとジャズドラマーになりたかったんです。それで、アフロキューバとかサンバとかそういうラテン系のリズムを昔練習していたんですよ。そのリズムパターンを使ってもOKなタイミングが来た!って思ってました。イントロとか曲中で使っています。夏がテーマだったんで、ふんだんに使えましたね。他にもいろいろアレンジを考えてやりましたよ。
──ドラムのアレンジは誰が考えるんですか?
ナカニシ:ドラムは…みんなですね。自分でも考えますけどね。
マスザワ:基本、中チン以外の人。
ナカニシ:俺も考えますよ。細かくここはこういうフリにしてって考えてからレコーディングに入るんで。
──ザ・ガールハントはアレンジで一番こだわりを見せる方はどなたですか?
マスザワ:僕はイメージをみんなに伝えて、あとはやってもらう。具体的には言わないよね。みんなに形にしてもらう。
ナカニシ:伝わる時と伝わらない時がありますけどね(笑)。「夏っぽいフィルインにしてくれ」って言われて…。でも、こうやってくれってそのまま伝えられるよりも、イメージを自分の中でどう消化するかというところですからね。
マスザワ:ホントは全部任せたいんですけどね…。ドラムに関してはいつになっても決まらないので、イメージを伝えるんです。アレンジの面ではドラムが一番大事だと思うので、そこが決まると他の人もやりやすいですから。
9/1のシェルターは間違いなく楽しくなる!
──最後に問題作の『中☆チンタコス』。
クリハラ:今回は出来がいいね!
──…でもどこかの曲をお借りしている気がしなくもないですが…。
チバ:いや、アレは完全にオリジナルです!
──そうですか。このセリフはどなたが考えられたんですか?
マスザワ:基本的には中チンが。
ナカニシ:僕が歌っているところは、みんながコーラス入れている間にスタジオに入って考えたんです。今回はすごく短時間で出来た曲でしたね。
──夏=タコスっていう勘違いっぷりがいいかな。
マスザワ:夏のイメージ勘違い(笑)。
──これも前回の『中チン☆サンタ』のようにどこかで披露されるんですか?
マスザワ:9月1日のシェルターかな。ghostnoteとのツーマンで。
ナカニシ:今回はノレるでしょ。
──お借りしている楽曲的には問題ないんですかね…。
チバ:ギリギリアウトだと思います。
マスザワ:僕ら、ギリギリでいつも生きていたいから。
──それKAT-TUNじゃないですか! 話変えても良いですか? このアルバムの全体は全曲通して、夏の始まりから終わりまでが表現して素晴らしいと思ったんです。曲を作られているのはチバさんとマスザワさんですが、こういった曲が揃ったたのは偶然なんですか?
マスザワ:偶然ですよ。夏のイメージの曲をそれぞれ書いたらこうなったという感じです。曲順を考える時に、たまたまそうなったんだけど、僕らもなんとなく意識したのかもしれないですね。
──ただ夏の楽しい感じだけじゃなくて、秋に向かう感じを作り上げたのはすごいなと思ったんですよ。
マスザワ:楽しいだけじゃないぜって、それを含めて楽しいと思うんですけどね。好きな女の子の事を夏の間ずっと考えていたり、女の子にフラれることも今では良い思い出じゃないですか。
チバ:夏以外の季節があるから夏が恋しくなる。
──他の季節があるから夏がより引き立つっていう感じですね。
ナカニシ:始まったと思ったらすぐ終わっちゃうしね。
──9月1日には下北沢シェルターでghostnoteとのツーマンが行われますね。
マスザワ:ghostnoteはツアーの一環で、僕らはレコ発。間違いなく楽しくなるんじゃないかと思います。
クリハラ:9月1日のライブは、前回のツアーの仙台でghostnoteと一緒だったんですけど、その打ち上げで決まった。
マスザワ:みんなで一気して、ノリでツーマンやろうよってなってその場でシェルターに電話して決まったんです。その時の一気の勝負で、これで負けたら次のイベントで打ち上げ代をおごる。僕らも善戦したんだけど、ghostnoteが異常でした。だから、ライブはすごく楽しみなんだけど、打ち上げ代をおごらなきゃいけない。アイツら超飲むのに…(苦笑)。
──まあかわいい後輩ということでね。では、最後に読者の皆様に一言ずつお願いします。
クリハラ:このアルバムは自分たちからしても、出来が良くてビックリです。
マスザワ:毎回思うんですけど、いいのできたなって思います。今回パッと聴きわかりやすいからすごくいいんじゃないかな。遊び心もありますしね。いい加減僕らの事評価してくれてもいいんじゃないかなって思います。
ナカニシ:せっかく夏のアルバムができたので、この夏に聴いてもらいたいですね。