32年目を歩み出したRooftopにイベントをやらないかという話がもらったのは今年の5月ぐらいだったか。それから数ヶ月、出演者を決めるにあたって相当悩みました。これまでに、ネイキッドロフトや高円寺クラブライナーでやらせてもらっている『Rooftop presents』のイベントにも絡めたいし、今後のRooftop誌面にも絡めていきたい。となると、1日だけでは足りないほどのバンド数になってしまうのです。その中から、悩み抜いた結果、今回の4バンドとなりました。
バーステージに出演するoverall+は、私がネイキッドロフトで定期的にやっていたイベントに出てもらえるバンドを探しているときに紹介を受けて、出演していただいたのが出会いです。その時に初めて見たのですが、アコースティック編成で演奏されたライブが本当に良くて、それ以来すっかりoverall+の大ファンであります。最近はバンドでの活動が多いのですが、今回は「初めて見たときの感動をもう一度!」と無理を言ってアコースティックで出演して頂きます。planeは8月22日にリリースされたニューシングル『花火』に心奪われています。一定のリズムを刻むドラムに、淡々と歌われるボーカル・ライン。そこにギター、ベース、キーボードの電子音が混ざり、より表情のある曲を作り出す。サビは、ひらけた大地を想像させる壮大なサウンド。最近、こういう曲をあんまり聴いていなかったからなのか、「あっ! 」と思ったことを思い出します。今まではライブを見る機会がなくて、今回初めて見ることができるので楽しみです。ザ・ガールハントはRooftopと言ったらザ・ガールハントだろ!ってぐらいお馴染み。ザ・ガールハントのライブは、一言で言うと「お祭り」です。打ち上げ花火みたいに華やかな楽曲が演奏されたかと思うと、とにかく喋る長~いMCタイムがあったり、音と笑いをたたみかけてきます。時間があっという間に過ぎてしまいます。今回も楽しいステージを繰り広げてくれるはず。町田直隆バンドの町田さんはBUNGEE JUMP FESTIVAL時代から好きです。解散後ソロで活動し、今年5月に吉祥寺曼荼羅で今回のバンドメンバーを引き連れてライブをやったのを見たんですが、かっこよくてかっこよくて...。その時に、これはもう一度見たい!と。しかも、10年近く前からず~っと見てきた唯一のバンドがBUNGEEだったりするので、やまだ企画をロフトでやるなら絶対に町田さんを呼びたい!というのもあったのです。出演いただけて嬉しいです。
...という大好きな4バンドです。誰よりもイベントを楽しみにしているのが私なのかもしれません。今回は出演4バンドによる特別座談会です。打ち上げとかじゃない限り、初対面同士の方がゆっくりたっぷりお話をするってなかなかないですよね。ということで、打ち上げ中のような対談になりました。なかなか聞けない話も聞いてきましたよ。(interview&text:やまだともこ)
ロフトは無茶を楽しんでくれる場所
──今年で新宿ロフトとRooftopは32年目を迎えますが、まず皆さんがロフトに初めて出た当時の事って覚えてますか?
町田:BUNGEE JUMP FESTIVALの時なんだけど、いつだったかは覚えてないねー。歌舞伎町に移転して、わりかしすぐの時だったんじゃないかな。
マスザワ:僕はテルスターで2002年ぐらいに出たんだけど、それ以来何年も出られなかった。
木田:僕らも5年前ぐらいだから、2002年ぐらいだったんじゃないですかね。
──初めてロフトに出たときってどんな感じでした?
マスザワ:すごく怖かったです。いわゆるフロアっていう部分にお客さんが1人もいなくて…。白黒白黒が全部見えた(笑)。
木田:うちらも一緒でしたね。スクリーンが上がって客席を見たらお客さんが誰もいなかった(苦笑)。
マスザワ:一段上のところにちらほら人がいたぐらい。それで3、4年出してもらえなかった。そうでしたよね?
木田:そうでした、そうでした。
──へぇー。テルスターもplaneもそういう時期があったんですねー。
マスザワ:たぶんやまださん(Rooftop)が思ってる以上にロフトってすごい場所ですよ。
──…。
一同:(笑)
マスザワ:ロフトは神聖な場所なんですよ。
──なるほどねー。
町田:東京のライブハウスと言えばロフトですからね。
マスザワ:東京というか日本で一番いいライブハウスだと思ってますけどね。
──overall+は、この中では初ロフトがわりと最近だと思いますけど、初めてロフトのステージに立ったときはどうでした?
山田:緊張しましたね。だから、あんまり実感がなかったです。雰囲気はみなさんがおっしゃってるような感じで、とりあえずこの日1日が早く終わって欲しいって思ってました(笑)。
──失敗したとか成功したとかは?
山田:たぶん100%失敗しましたね(笑)。
一同:(笑)
──planeは関西に住んでいた頃ですよね?
菊地:はい。だから、まず歌舞伎町という場所が怖かったです。それから搬入の際、スタッフの方が来てくれるんですけど、何もかも怖く見えてたから、その人たちすら怖くてどうしようって思ってました(笑)。
マスザワ:ロフトは、僕らみたいなヒヨッコでもスタッフの人がすごい丁寧に対応してくれるんです。僕らなんか「アンプとか自分で運びますから!」っていう状態なんですけどね。たぶん数あるライブハウスの中で対応が一番しっかりしていると思うんです。
町田:無茶やっても怒らないしね。
マスザワ:そうそう。DJの時に「フロアを駆け回ります」って言ったら、嬉しそうにスタッフの人が「マイクケーブルを50m用意してますので歌舞伎町に行けます」って言ってました(笑)。DJで駆け回って、後ろをパッと振り返ると、スタッフの皆さんがケーブルを裁いてくれてるっていう様がありがたいなって思いましたよ。
町田:無茶に対して予想以上に対応してくれるのが素晴らしいよね。弾き語りのライブで「ドラムをフロアに下ろします!」の「ます!」を言った瞬間に、ドラムの準備をしているっていう(笑)。
マスザワ:そういうのを楽しんでやってくれてる。前の店長の東田さんが僕のケーブル裁いてくれてましたからね。すごい嬉しかった。
町田:スタッフがライブハウスを愛してるのがわかるよね。
──overall+とplaneは関西出身ですけど、関西に住んでいた頃はロフトのイメージってどんなだったんですか?
菊地:出させてもらえるだけで嬉しいっていうのがありましたよ。僕らが出たときは、ライブが終わってからバーステージで女の人が歌っていたんです。その人がすごく上手くて衝撃的でした。
木田:まず、大阪であんなに大きい場所ってないんですよ。
吉田:僕は京都に住んでいた当時は、ロフトってあまり知らなかったんです。でも、RooftopにBOφWYが載ってたり、スタッフの対応とか、好きなバンドの話を聞いていたりしてすごいところだと…。やまださんと一緒であんまりわかってなかったです(笑)。
マスザワ:たまに、やまださんに対してロフトをなめんなよって思う時がある(笑)。
──あはは。なめてはいないんですけどねー(笑)。