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INTERVIEW

トップインタビューTHE COLLECTORS ('06年8月号) - コレクターズを愛してやまない豪華布陣が楽曲提供した斬新な企画アルバム『ロック教室~THE ROCK'N ROLL CULTURE SCHOOL~』

祝・結成20周年!コレクターズを愛してやまない豪華布陣が楽曲提供した斬新な企画アルバム『ロック教室~THE ROCK'N ROLL CULTURE SCHOOL~』、そして21年目に向けての視座

2006.08.05

渋谷系は日本におけるパンク・ムーヴメントみたいなものだった

──世代の話で言うと、今回参加してるミュージシャンって、コレクターズより下の世代の人がほとんどですよね。

加藤そうだよ。民生とマーシー、あと森若(香織)が同じくらいのデビューで…。

古市あとはみんな下だね。圧倒的に若い。

加藤2、3年後くらいに、さわおがデビューして。あとはみんな若いもんね。

──才能ある若者がどんどん出てきて、日本のロックもいい感じになりましたよね、こうして見ると。

古市ロックがもっと売れればいいんですけどねぇ。

加藤ねぇ。でも、今の連中は凄いよね。アレンジとかも凄く勉強してるみたいだし。ああいう感じでサッパリと曲書けなかったからね、俺なんか。いいか悪いかは別にして、まとめるのが上手いよね、今の人って。みんな、まとまりのある曲を書くじゃん。

──センスいいですよね。

加藤俺なんか、めちゃくちゃだったもん。アレンジ能力がないというか、今思うと「これはとても人に聴かせられないな」っていうような曲を書いてた(笑)。スタイルブックみたいなものが売り出されてるわけでしょ、今って。そんなの、俺達の頃はなかったからね。とにかく自分で作ってみるしかなかったんけど、今はありとあらゆる──ファッションでも音楽でも──スタイルブックがあるわけだから。

古市ギターにしても、“ジャキーン”って音を出してる人、いなかったもん。鮎川誠さんくらいだろうけど、彼だってハムバッカーでしょ? シングル・コイルで印象的な音を出してる人っていなかったよね。

加藤日本人にはいないよ。海外だってピート・タウンゼントくらいしかいないけど、その時代にピート・タウンゼントがどれくら機能してたか? って言うと、全然機能してなかったわけじゃん。

古市今は恰好いいギタリストだって一杯いるんだろうし。

──少しはやりやすくなりました?

古市いや、どうだろう? 今は自分が若くないから判んないけどね、それは。まぁ、ライヴハウスに来る客もさぁ、音楽が好きな人が増えたせいか、お目当て以外のバンドもちゃんと観れるようになったじゃん。前は全然観てなかったんだから、寝ちゃったりしてて。そういう意味では、シーンは良くなってるんじゃない?

加藤ギターっていうと、歪んだ音で“ジャン、ジャン、ジャン、ジャン”っていう感じか、あとは早弾きするとか、そんな人ばっかりだったからねぇ。まぁ、20年も前ってなると、シーンも全然違うから。

古市違うねぇ。

加藤今から思うと、ピンと来ないことばっかりだったし。

古市そういうギターを弾いてた人もいたんだろうけど、シーンの中心には出てきてなかったから。出てくるだけの…。

加藤パワーがなかったんだよね。だって、俺達がデビューした頃なんてさぁ、ルースターズとかシーナ&ザ・ロケッツとかはいたけど、やっぱり歌謡的なものっていうか、アン・ルイスとか沢田研二っていう人達がロックに聴こえるっていう時代だもん。だから、この20年で随分と変わったよね。

古市やっぱ、渋谷系以降なのかな。

加藤そうそう、渋谷系以降だよね。あれによって、手に入らないようなレアなレコードもどんどんCD化されて、グレート・リスナーが一杯出てきたじゃない? それまではさぁ、ピチカートの小西君とか俺とかコータロー君とか、いろんな中古レコード屋を探し回ってたのに、渋谷のCD屋で簡単に買えるようになったし、みんなもどんどん勉強し始めて、いい音楽がダーッと出てきた。それより前は革命前夜だよ。

古市90年代以降ってことだな。

加藤80年代はまだまだ…。渋谷系って、日本におけるパンク・ムーヴメントみたいなものだったと思うんだよね、俺。

──そういう解釈をしている人って、少ないかもしれないですね。

加藤うん、少ないと思うよ。でも渋谷系っていきなり出てきたものではなくて、俺達がやってたネオGSだったりモッズのイヴェントっていうのが60年代のフィーリングの種を撒いてたわけじゃん? それが育ってきて、生まれたものだと思うんだよね、渋谷系って。別に俺達が仕掛けたわけではないけど、でも、かなり貢献してたと思うし。誰もそこまで言ってくれないけど(苦笑)。

古市パンクにおけるデトロイト・ロックの役割だよね、コレクターズは。

加藤ホントだよ。だってさぁ、小西君だってネオGSの頃から、シーンに食い込んできてたし。ヒッピー・ヒッピー・シェイクスのアレンジをやったり、曲も書いてたし。その後でストライクスがデビューした時はプロデュースをやってたしね。いつも俺達の周りにいたっていうかさ。

古市「あれが日本で初めてのシーンだ」って言ってるからね、彼は。

加藤俺達のファースト・アルバムにも(高浪)敬太郎君がアレンジやってくれてる曲があるんだよ。だからピチカートとの繋がりっていうのも、その頃から始まってるんだよね。そういう意味では(ネオ??GSは)渋谷系の始まりだったわけで、そこにモッズとしてのアプローチをしていった俺達の存在っていうのは、もうちょっと評価されてもいいはずなんだけどねぇ。でも、なかなかそこまで系統的に聴いてくれる人もいないし。渋谷系とブルーハーツだな、俺のなかでは。日本のロックを揺り動かしたってことで言えば。

──渋谷系の絶頂期だった'93年に『UFO CLUV』っていう大傑作が生まれた、っていうのも意義あることですよね。

加藤あれもさぁ、フリッパーズ・ギターに関わっていた吉田仁さんがいたから実現した話であって。…って考えると、全部繋がってるんですよ、やっぱり。仁さんはその前にサロン・ミュージックでひとつシーンを作ってきたわけで。そういうことを繋げていくと、日本におけるシーンの流れが判るっていうか。そういうのも面白いんじゃない?

古市Rooftopで連載やれば? 協力しますよ。

──いいっすねぇ。そう言えば、'93年にピチカートとコレクターズで野音ライヴをやってますよね?

加藤うん、やったよ。

──あれを観てて、「日本の音楽、凄いことになってるなぁ」って思った記憶があって。

加藤そうね、あの時は俺と(野宮)真貴ちゃんがファッション・リーダーだったからねぇ。

──ははは! いや、ホントですよね。

加藤ホント、ホント。俺、“オースティン・パワーズ”よりも全然早かったからさぁ。だけど世間じゃ判んないわけよ、“オースティン・パワーズ”が出てくるまで、悲しいかな。

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THE COLLECTORS 20th Anniversary Album ロック教室 ~THE ROCK'N ROLL CULTURE SCHOOL~

TRIAD/Columbia Music Entertainment, Inc COCP-50934
2,940yen (incl. tax)
IN STORES NOW

LIVE INFOライブ情報

『ロック教室』発売記念インストア・イベント

8月5日(土)START 16:00~/TOWER RECORDS新宿店・7Fイベントスペース
◇TOWER RECORDS新宿店、渋谷店にて『ロック教室』をお買い上げの方に先着にてイベント参加券を差し上げます。予定数なくなり次第配布終了となります(予約者優先とさせて頂きます)。
◇電話での予約受付は行っておりませんのでご了承下さい。
【info.】TOWER RECORDS SHINJUKU:03-5360-7811
 

Modern Monsoon Mafia presents "Glory Road To The Twentieth" THE COLLECTORS LIVE at SHIBUYA QUATTRO

8月19日(土)渋谷CLUB QUATTRO
OPEN 19:00 / START 20:00
TICKETS: advance-4,200yen (+1DRINK) / door-4,500yen (+1DRINK)
【info.】shibuya CLUB QUATTRO:03-3477-8750
 

SHINJUKU LOFT 30TH ANNIVERSARY“ROCK OF AGES 2006”

9月7日(木)新宿LOFT
w/ フラワーカンパニーズ
OPEN 18:00 / START 19:00
TICKETS: advance-3,000yen (+1DRINK) / door-未定
【info.】shinjuku LOFT:03-5272-0382
 

THE COLLECTORS TOUR『Road to 20th Extra!!!』

9月9日(土)心斎橋CLUB QUATTRO OPEN 17:00 / START 18:00
9月10日(日)名古屋CLUB QUATTRO OPEN 16:30 / START 17:30
9月22日(金)HEAVEN'S ROCKさいたま新都心 OPEN 18:00 / START 19:00
9月24日(日)仙台hook OPEN 16:30 / START 17:30【オープニング・アクト有】
10月15日(日)福岡DRUM Be-1 OPEN 16:30 / START 17:30
TICKETS: advance-4,200yen (+1DRINK)
 

THE COLLECTORS 20周年記念日比谷野外音楽堂ワンマンライヴ『Festival of Kings~Glory Road To 20th maximum』

10月22日(日)日比谷野外音楽堂
OPEN 16:00 / START 17:00
TICKETS: advance-2,100yen (指定席)
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