結成20周年を迎えたTHE COLLECTORSから、超斬新な企画アルバム『ロック教室~THE ROCK'N ROLL CULTURE SCHOOL~』が到着。奥田民生、真島昌利、曽我部恵一、山口 隆、松本素生、ヒダカトオル、會田茂一/森若香織、スネオヘアー、堂島孝平、山中さわおという豪華なアーティストが楽曲を提供、さらにアンサー・ソングとしてのオリジナル曲を含む本作は、コレクターズというバンドに対する愛に満ちた、素晴らしいロック・アルバムとなった。10月には日比谷野音ライヴ、11月にはDVD-BOXのリリースとアニヴァーサリー・イヤーにちなんだイヴェントが続くが、彼らの視線は既に"次"に向けられている。平凡な言い方で申し訳ないが、THE COLLECTORSにとって20年は、単なる通過点に過ぎない。このインタビューを読めば、そのことがはっきりと判るはずだ。(interview:森 朋之)
LOFTの夜の部に出るのはプロに一歩近づくことだった
加藤ひさし(vo):よろしく!
──よろしくお願いします。
加藤:(Rooftopを見ながら)新宿LOFTも30年か…。おめでとうございます。
──ありがとうございます。コレクターズの20周年もおめでとうございます。
加藤:どうも。いやぁ、バイクっていうバンドをやってる頃、LOFTは蟹江さんって人がブッキング・マネージャーで。冷たくてねぇ…(笑)。
──バンド・ブームの頃ですよね。
古市コータロー(g):バンド・ブームのちょっと前だよね。84、5年くらいじゃない?
加藤:そうそう、そのくらい。未だに忘れられない名前だな、蟹江さん(笑)。
──ははは。冷遇されてた、と。
加藤:というか、ライヴハウス自体がそんなにたくさんあったわけじゃなかったし。LOFTはネーム・ヴァリューが凄くあったライヴハウスだから、そこの夜の部に出るっていうことは、一歩プロに近づくってことだったんですよ。
古市:今とは全然違うからねぇ。
加藤:動員がないと、なかなか出してくれなかったしね。まずは平日の夜、適当なところでブッキングされて。それでもいいほうだからね。
古市:うん、いいほうだよ。
加藤:次に日曜の昼っていうのがあって、最後は土曜とか日曜の夜に出してもらえるっていうのが道筋だったんですけど。日曜の昼くらいまでしか行けなかったね、俺達は。
──それは大変失礼しました(笑)。
加藤:や、アマチュアの時の話ですよ。デビューしてからは、別に。
──コレクターズを始めてからのLOFTの思い出ってあります?
加藤:実はそんなにやってないんだよね、LOFTって。
古市:俺らが仕切ったのは1回もないからね。ずっと(新宿)JAMでやってたから、そっちの関係もあって、LOFTに対して“よろしく!”って感じでは行けなくて。縄張りの世界ですから。
加藤:特に俺達は、モッズ色を凄く出してたから。他のロック・バンドとはあんまりやらなかったなぁ。
古市:友達のライヴの打ち上げにはよく行ってたけどね。飲み屋・LOFTのイメージが強い(笑)。
加藤:アマチュアの時のほうがイメージ強いよね。
古市:新しくなってからは出てるけど、古い頃のLOFTにはそんなに出てないよね。すげぇ飲んだけど。
加藤:その後でパワーステーションが出来ちゃうんで、新宿っていっても、パワーステーションでしかやらなかったから。
──よくやってましたよね、パワステ。
加藤:うん。出演回数の記録を作ったんじゃないかな、確か。LOFTは観に行くほうが多かったかな。ブルーハーツ観たりとか、ロンドン・タイムス観たりとか。
古市:よく行ってたよね、ホント。
加藤:行ってた。ベルズとかね。
古市:憧れもあったんですよ、東京ロッカーズとかのイメージもあったから。
加藤:そうそう、恰好いいとは思ってたんだけど。敷居は高かったですね。だから出演するのは難しかったですよ。
古市:知り合いがいてさ、イヴェントに潜り込ませてもらうくらいで。
加藤:まぁ、人気でもあれば、すぐに出られたんだろうけど(笑)。