今年10月にデビュー10周年を迎える小谷美紗子(vo, pf)が100sの玉田豊夢(ds)、山口寛雄(b)とのトリオ編成で完成させたニュー・アルバム『CATCH』は、純粋で無防備だが異常なほど生々しい鼓動を放つ感情剥き出しの歌々が収められた大変な充実作である。前作『adore』にも参加し、小谷とは"odani misako・ta-ta〈タタ〉"というバンドの盟友でもある田渕ひさ子は、NUMBER GIRL時代から小谷の大ファンを公言し、プライヴェートでも交流のある仲。穏やかな春の日の午後、この実り豊かな作品『CATCH』をめぐって、和やかな相思相愛トークがゆるりと催されたのでありました。(interview:椎名宗之)
2人の共通点は「男気があること」
──そもそも、お2人が知り合ったきっかけというのは?
田淵:まぁ、あのですねぇ…私がファンだったんです、小谷さんの。ホントに普通のファンだったんですよ。デビュー曲(「嘆きの雪」)のプロモーション・ビデオをスペース・シャワーTVで観て凄く気になって、CDを買いに行こうと思って。それでファースト・アルバム(『PROFILE -too early to tell-』)を買って、大事に大事にしてたんですよ(笑)。「この人、いいよ!」とか人に薦めるんじゃなくて、自分のものにして大事に大事に聴いてたんです。
──小谷さんもNUMBER GIRLをフェイヴァリット・アーティストに挙げてますよね。
小谷:はい。
田淵:いや、それもですね、雑誌の“今年の良かったアルバム3枚”とかの企画で私がしつこく小谷さんの名前を出していたらラヴ・コールが通じまして、NUMBER GIRLのライヴを観に来てくれたんですよ。あの時は震えましたねぇ、もう(笑)。それに、お花まで頂いてしまって……。
小谷:ははは。
──いつ頃のライヴですか?
田淵:『極東最前線』のお祭りの時[2000年8月23~25日に渋谷クアトロで行なわれた『極東最前線30 ~国民爆音大会2000~』の初日]。福岡にいた頃から小谷さんの音楽をずっと聴いていて、ちゃんとチケットを買ってライヴにも行ってたんですよ。だから、もうホントに単なるファンでございます(笑)。
──それが今や、“ta-ta”では同じバンドのメンバーであり、小谷さんの前作『adore』にもゲスト・ミュージシャンとして参加したりとお付き合いができるようにまでなり。
田淵:はい、そうなんですよねぇ。ふふふ。
──プライヴェートではよくお会いになるんですか?
小谷:最近は余り会えてないんですよね。でも、初めてNUMBER GIRLを観に行った時は、とにかくひさ子ちゃんのギターが凄いと思ったんですよ。
田淵:何をおっしゃいますかぁ(笑)。
小谷:いや、ホントに。ひさ子ちゃんっていう恰好いいギタリストが私のことを好きでいてくれるっていうのが凄く嬉しくて、今でも強い支えになってるんですよ。それから両思い的な感じになったわけなんです。一回、私の家に泊まりに来たこともあったよね?
田淵:そう。もう大緊張しましたよ(笑)。どうしようかと思ってドッキドキして、大変でしたよ。
小谷:前はよくカラオケとかに行ってたよね?
田淵:うん。どこかで一緒になった後に、一緒に呑みに行ったりもしましたね。
小谷:そうそうそう。
田淵:呑んだ後に、大通りの歩道に寝転がったりして(笑)。
──お2人でバンザーイして?(笑)
小谷:私がそんなに呑めないんですよ。でも周りがみんな強くて、ひさ子ちゃんも強くて、調子に乗って呑んでたらベロベロになっちゃって。それで私が路上にベターっと寝出したら、みんなも一緒になって……。
田淵:「私もー! 私もー!」って。「気持ちいいー!!」なんて言いながら(笑)。
小谷:NUMBER GIRLのライヴへはそれからほとんど全部に行ってたんですけど、ひさ子ちゃんがbloodthirsty butchersに加入してからはお互いに凄く忙しくなっちゃって。
──親しくなる前と後では、印象はどう変わりましたか?
田淵:小谷さんは、凄くちゃんとしてる人だと思ってましたね。遅刻なんて絶対に許さないというか、会ったら叱られるんじゃないかな、って(笑)。「オマエ、猫背だよ!」って厳しく注意されそうな(笑)。仲良くなってからは、そういう部分もありつつ……。
小谷:あるんや?(笑)
田淵:うん、あると思います(笑)。でも凄く愛嬌があって可愛らしい。普通の女の子らしい面もあるんだなぁ、って。自分は男ばかりに囲まれて、いわゆる女性らしい部分はナシとされて歩んできたので……(笑)。
小谷:ひさ子ちゃんと敢えて共通点を見出せば……自分の中に男気を感じる。私、たまに「自分は男なんじゃないか?」って思う時があるんですよ(笑)。そのへんがちょっと似てる。















