景気はいいけどどこか物悲しい響き
──タイトルの『セコンドファンファーレ』に込められた意味は?
光広:自分達にとって“セカンド”アルバムであるということと、ボクシングの“セコンド”を掛けたんです。セコンドって、要はボクサーをサポートしている。ボクサーを聴く人に当てはめて、聴く人達の生活なり何なりをサポートできる感じになればいいな、っちゅう意味があったらしいですね、その筋から聞くと(笑)。
コウセイ:あと、“ファンファーレ”には「誇示する」っていう意味があるんですよ。“ファンファーレ”自体の響きも、景気が良くてなおかつ悲しいって印象があって、アルバムの雰囲気に凄く合ってると思ったし、単純に2枚目ってことで「SPARTA LOCALSの2回目の誇示だ!」っていう。
──今回はセルフ・プロデュースですが、今後海外のエンジニアとタッグを組むのも面 白そうですよね。fOULがジョー・チカレリと組んだり、NUMBER GIRLがデイヴ・フリッドマンをプロデューサーに迎えていたように。
コウセイ:それは是非やりたいですね。実のところそう思ってるんですよ、僕らも。
光広:ただ、はっきりと決まってない部分もあるんですよね、僕らの中で。完全に“この人がいいな”っていうのが。
コウセイ:あれ、何がいいかって多分、システムが揃ってないところだと思うんですよ。日本みたいにきっちりしてないでしょ、恐らく。スタジオも普通 の民家みたいなところで。音響設備がイマイチ揃ってないようなところのほうが、録音っていいんですよね。その程度のデモ感がいいというか。
光広:僕個人としては、デモで録ったやつが一番好きですね。それやと商品にはなんないですけど。『PINK SONG』(2001年初頭に自主制作した4曲入りのカセット)の録音なんて、凄くいいですよ。
伊東:それくらい抜きのあるのが結果的には一番良くて。レコーディングって、意識すればするほどダメになっていくと思う。アメリカのエンジニアだとそこら辺が適当そうじゃないですか(笑)。
コウセイ:まぁでも…これからどんどん判っていくんじゃないですかね、自分達に合う音っていうのが。
──今度のツアーでは新作の中からたっぷり披露されると思うんですけど、ライヴを重ねることによって曲自体も成長していくんでしょうね。
コウセイ:そうですね。ライヴでやっていくことによって、合わせていくことが微妙に変わってきますね。ブレイクの間とか。
──「春忘却」もこの1年で随分とスケールアップしましたもんね。
コウセイ:うん。今はツイン・ヴォーカルとかでもやってるし。
──今後のバンドとしてのヴィジョンは?
コウセイ:やっぱり恰好いいバンド、好きなことを自由にやれるバンドになりたいですね。いろんなしがらみを乗り越えて、好きなことを自由に…そして説得力のあるバンドになりたいですね。あと、もっと体力を付けたい。普通 に7~8曲のライヴで死にそうになるんですよ(笑)。だからロフトのワンマン、大丈夫かなぁっちゅう。
──それは踏ん張ってもらわないと(笑)。一番曲数が多かったライヴで何曲?
コウセイ:シェルターでやった時が16曲ぐらい。ワンマンは20曲は行きたいですね。曲数もあるし。
──じゃ、どこかで「シニカル・キャバレー」もこっそり挟んでもらって。
コウセイ:いや、やらないです、やらないです(笑)。