1975年、初期頭脳警察を解散し、ソロとして動き始め、アルバム『PANTAX'S WORLD』を出した1976年。当時、「CAN THE CAN」ほか数多くのヒット曲を出し、絶大な人気を誇るスージー・クアトロの前年に続く日本公演のオープニング・アクトの話が舞い込んできた。
今回は大都市だけでなく、中都市も回る22カ所で29回公演、それもひと月で回るわけだから空いている数日はすべて移動日となっていた。東京、大阪などは昼夜昼夜の2デイズ、静岡では5,000人という収容人数の駿府会館でのコンサートであった。
初めて紹介されたとき、なんて顔の小さい小柄な可愛い娘なんだろうと思った。この娘があのデカいベースを抱えて、ホントに言ったのかどうか知らないが、「ベースが子宮に響くのよ」とキャッチコピーになっている言葉を発したとは到底想像できなかった。
メンバーも紹介され、リーダー格と言おうか、スージーのパートナーでもあるギターのタッキーは、猪八戒のイメージもあり、自分たちは勝手にブヒというあだ名で呼んでいたのも失礼な話だといまでも笑える。
そして肝心の自分と一緒に回るメンバーのセレクトで、頭脳警察を解散したばかりでもあり、紹介されたのが、いまだに長い付き合いをさせてもらっている、ミッキー、ジョージ、小宮、ガリバーのセカンドというグループであった。2ndギター担当で驚くほどのハイトーンコーラスをかましてくれるのが『ジャパンタイムズ』なども傘下に置く〇〇〇の御曹司であったり、あの「人間もどき」などで叩いてはいけない、やんごとなき方がスティックを振っているのだから、とにかく話がつきないのだ…。このセカンドとのエピソードも書き連ねたらキリがないほどだが、今回はスージーに焦点を絞らせてもらおうと思う。