(「シムカ1200Sクーペ ②」からのつづき)
「Walk Don't Run~急がばまわれ」。最初からこうしていれば良かったのにと悔やむことしきりだが、結局、ディーラーの国際興業へ行き、2種類のパーツを注文し、数カ月後にやっと届き、迷惑かけっぱなしの車屋さんの奥に鎮座ましましているシムカのミッションの組み立てに入る。
夜中まで作業しているのを見かねてか、オーナーの大奥さまがたぬきうどんを出してくれた。なんとお礼を申していいかと思いつつ、いまだにその恩を返し切れていない自分だった。
さてさてどこが違うのかわからない2種類のシンクロリングの選択に入り、確率2分の1で、えぇいとばかり手に取ったリングをはめ込み、ミッションを組み上げ、やっとの思いでエンジンを積み込んだ。
エンジンを始動、果たしてと思いながらギアを入れる。しかしすぐに抜けてしまう。何度やってもスポンスポン抜けてしまう、もうガッカリ。素人なので理由はわからないが、シンクロリングの選択を間違ったことには違いない。
車屋さんに礼を言いつつ今日の作業を終え、別日にまた作業開始。やっとやっと組み上げて、ギアをリヴァースに入れると、今度はしっかりとギアを噛んでくれている。もうこの嬉しさは言葉にできない。
ここに放置されてからほぼ2年の月日が経ち、やっと稼働できた愛すべきシムカの再稼働であった。