PANTA(頭脳警察)乱破者控『青春無頼帖』
新所沢のジャズハウス・スワンでフォービートの生演奏をスゴい芸術でも見ているかのように真剣な表情で聴いているリスナー。ただ音が上がったり下がったりしているだけなのに、何がそんなに楽しいのか。いつのまにか自分には心地良いBGMとなって眠りに入る。
義兄から聞かされていた横浜のジャズ喫茶のお嬢さん、なぜかRCA所属だった石川秀美からの流れでビクタースタジオで出会えば、なんと仲間の湯川の担当。エレベーターで一緒になると、学校から直接スタジオに来たらしい。「その制服…」、とそこまで声が出掛かると、「はい、堀越です」と笑顔で返された。それが高岡早紀との出会いであった……。
永六輔さんが、「自分を歌うフォークの出現で、作詞をやめた」と言うと、巨泉さんが「それにしても完成度が低すぎる。陽水くらいかな、完成度が高いのは」。
日比谷のイベントで歌い終わって袖に戻ると、吉岡くん(?)かな、「PANTA、歌うまいんだね」と抱きつかれ、困惑している視線の先に出番を待つ巨泉さんの顔が。
果たして彼は日本のロックを聴いたことがあったのだろうか。『クリスタルナハト』を聴いてどう解説しただろうか。すべては闇の中へ入ってしまった……。