最近、なんだか激しい音楽というか、「ぎゃ〜!」って叫びたくなるような音楽を聴きたくなっていました。
ここ数年、とんと、そのような音楽は、聴いていませんでした。
年齢的なものもあるのか、あんまうるさい音楽は、もういいかなとも、思っていたのです。
でも、なんだか、エモーショナルに、「ぎゃ〜!」ってなるのを、聴きたくなっていました。なにか、いろいろと人生に行き詰まっているのかもしれません。このままじゃいけないと思えてきているのかもしれません。
だから、50歳も過ぎているのに、年甲斐もなく、「ぎゃ〜!」とやりたくなっているのでした。
しかし、若いころ、確かに、そのような「ぎゃー!」って叫びたくなる音楽を、よく聴いていたはずなのに、思い出せません。なんてバンドだったっけ? どんな音楽だったっけ? 思い出せない。
そのような、音楽って、ずっと聴いていたり、何回も聴いたり、いつになっても聴いている音楽とは、違うからなのかもしれません。
唯一、思い出せるのは、ニルヴァーナのあの、有名な、「スメルズ・ライク・ティーン・スピリット」(Smells Like Teen Spirit)くらいです。もう、だいぶ昔ですよね。たぶん、あそこら辺の、バンドだったのかもしれませんが、今さら、そこら辺を、漁っても、どうなのかなと思い、今の今で探してみました。
エモーショナルで、ドーンとくる、面白くて、変な、バンドを、そしたら出てきました。いい感じのバンド。
バンド名は、Flagman、といいます。このバンドの「Dummy」という曲、最高です。ヘンテコな感じのメンバー、音楽の間合い、ふざけてんのか、真剣なのか、よくわからない、でも、格好いい。
演奏映像があって、これがやたらとイカしてます。
ベース&ボーカルもいい感じだし、ギターのあんちゃんもいい感じ。
日本の記事とかないので、いろいろ調べていたら、このバンドに、若い10代の男の子が、インタビューした記事がありました。
英語だったので、Googleさんに翻訳してもらいながら読んだのですが、このインタビューも、大変面白かった。
ベースの人はすごい背が高いらしいです。ギターの人はオフショットだと、ゲームばかりしているオタクのお兄さんみたいなんだけど、インタビュー、写真撮影になると、ちゃんと、腕に星条旗のサポーターとか巻いて、カウボーイハットを被って出てくるようです。このように律儀な感じもいい。
そして、彼らが影響を受けたバンドが出ていて、それが、Primusというバンド。
これは、随分前から活躍していますが、このPVも最高に馬鹿馬鹿しくて、良いです。
これは、随分前から活躍していますが、このPVも最高に馬鹿馬鹿しくて、良いです。
なんだか、やっぱり、アメリカのバンドって、馬鹿馬鹿しくエモーショナルに突き抜けていて、それが、とても清々しいんです。
でも、Flagmanのアルバム『The Ladybug Dilemma』というのを、ずっと聴いていたら、やはり、ちょっと、疲れてきてしまい、いまは、ジョナサン・リッチマンを聴いています。
でも、中毒性があるのか、Flagmanの演奏を、また観たくなり、現在も3日に一度くらい、彼らの演奏を観たく、上記のリンク、「Dummy」を観ています。
いいなあ、こういうバンドを、アメリカの田舎のライブハウスなんかで観てみたいです。アメリカに行きたいなぁ、でも、無理だな、いろいろ高すぎるもん。どうにかならないのかな、もっと気楽に、このような変なバンドを観に行きたい。Flagman、いつの日かライブを観たいです。
【戌井昭人(いぬい・あきと)プロフィール】
1971年、東京都生まれ。ヘンテコなパフォーマンス集団「鉄割アルバトロスケット」を旗揚げして、脚本を担当、自身も出演する。なんだかんだと、いろいろあって、小説を書きはじめ、2009年「まずいスープ」で芥川賞候補になる。その後、「ぴんぞろ」「ひっ」「すっぽん心中」「どろにやいと」と、4回、芥川賞の候補になるがすべて落選。一方で、2014年「すっぽん心中」で川端康成文学賞、16年『のろい男 俳優・亀岡拓次』で野間文芸新人賞。現在も、作家として活動中です。