しばらく連載を中断していましたが、また再開させていただきます。のこのこ戻ってきましたが、どうぞよろしくお願いします。
別に死にかけていたわけではありません。いろいろバタバタしているような気になって、音楽連載に追っつけなくなっていました。
それにしても、やはり音楽を聴くというのは、とても楽しいことであり、さらに、気になった音楽というものは、誰かに伝えたくなるものです。
では、久しぶりですが、単純に、わたしが聴いた音楽で、お勧めしたいものを、偏った感じ、正しい情報2パーセントくらいで、紹介していきますので、ご勘弁ください。
この連載を中断していたときに、ダモ鈴木さんが亡くなりました。ドイツのバンド、CANのボーカルであった、ダモ鈴木さんを、インターネットが盛んになる前に知ったわたしは、当時は、情報がほとんどなくて、とても謎の人でした。だから、エキセントリックな噂ばかりを聞いていました。叫び声をあげてスタジオからいなくなって脱退したとか、伝道師になって、アフリカかどこかに行ってしまったとか、でも、後から知ると、それは、いろいろ誇張されていたところもあるようです。
ダモさんは、その後も、ドイツに住んで、いろいろお仕事されていたようです。なんだか、記事を読むと、ドイツにある日本企業のアドバイザーみたいなことをされていたとか、結構、真面目にやっていたのかもしれません。
後年というか、何年か前に、ダモさんは、日本にやってきて、盛んにライブをやっていました。そのとき、友達も一緒にライブをしたりしていました。どんな人だったか聞くと、過去にメチャクチャな噂があったのに、とても紳士的でクレバーな人だったのだそうです。
そして、ダモさんの死亡記事が、去年、小説を連載していた読売新聞に出ていたときは、思わず切り取ってしまい、興奮して、Xにも載せてしまいました(投稿はこちら)。
でもって、この『音楽番外地』の連載の最初が、CANだったので、再開にあたって、またCANから始めてみたいと思います。
“CANであって“KAN”ではありません、と、以前も書きました。
しかし、CANのダモ鈴木さんも亡くなりましたが、残念ながら数年前に、「愛は勝つ」の、KANさんも亡くなってしまいました。
ドイツバンドのCAN好きからすると、口頭で、「カン好きです」言うと、「愛は勝ちますよねぇ〜」などと言われることがあり、ムカっとしていました。そのことも前回に書きました。
でもって、今回、あらためて、KANさんの「愛は勝つ」を聴いてみたら、なんだか良い曲でした。1990年の発表で、『野球選手が夢だった』というアルバムに入っています。他の曲を聴いてみても、キュンとくるような感じのものばかりで、1990年、当時の自分だったら、「なんだ、この曲!」と悪態ついていたと思いますが、どうにもこうにも、あのころの淡い感じが甦ってきて、なかなか良いものでした。なんだか歳をとったものです。
しかし、当時の、わたしの青春は、やはり「最後に愛は勝つ」ではなく「虹の上から小便」でした。「ひとりでそこにすわってる、あたまのいかれたやつ、にじのうえからしょうべん」といった歌詞。
この曲は、CANのアルバム『TAGO MAGO』に収録されている「OH YEAH」というものです。曲名が、本当に適当な感じですが、ドイツバンドの重厚でテクニカルな演奏の間から聴こえてくる、メチャクチャだけど、とても格好いい、ダモ鈴木の日本語には、本当に痺れたものです。
「OH YEAH」と「愛は勝つ」、これを交互に聴いてみると、本当にいろんな種類の日本人がいるのだなと思えてくるのです。