最近は「ゲゲゲの鬼太郎」の歌をよく聴いています。一度聴いてみたら、どんどん深みにハマっていきました。この歌は、それぞれの年代で放映された「ゲゲゲの鬼太郎」で、違う人が歌っているのでこれを聴き比べてみるのも楽しいのです。さらに、作詞が水木しげる、作曲がいずみたくというのも豪華です。
インターネットで調べてみたら、最初は熊倉雄一、その後、吉幾三、憂歌団、泉谷しげる、ザ50回転ズ、ここまではなんだか結構渋い感じですが、次が小池徹平、氷川きよしとなっております。
それにしても、憂歌団に「ゲゲゲの鬼太郎」のテーマソングを歌わせようと提案したのは、いったい誰なんでしょうか? どんな会議で決めたのでしょうか? とにかく、憂歌団に決めた人は凄いと思うのです。
全部を聴いてみると、やっぱり一番最初の熊倉雄一が最高なのですが、なんてたって憂歌団です。ボーカル木村充揮さんの「ゲッゲゲゲゲのゲー」は、ゲゲゲ史上最高に妖気が漂っているように思います。さらに、木村さん自身も鬼太郎の漫画の中に出てきてもおかしくない感じだなと思っていたら、どうも本人も鬼太郎のアニメに出たことがあるようです。これ観てみたい。
随分昔、たぶんわたしが高校生くらいの頃に、木村さんのインタビューをテレビで観たことがあるのですが、そのとき、インタビュアーの人が、「ライブ中に気をつけていることはなんですか?」と真面目に質問すると、「そうだな、ウンコ漏らさないことやな」と答えていたのです。これは大変衝撃でした。ひとりで笑い転げてしまいました。さらに結構真面目な顔して「だって、漏らしたら大変でしょ」とも言っていました。そのとき、ああ、こんな風な大人になりたいとわたしは思ったのです。それが正しかったのかどうかはいまだにわかりませんけれど、とにかく、素晴らしい答えでした。
また、当時は、憂歌団のギター担当、内田勘太郎さんのスライドギターのカセットテープ付きの教本を買ったりもしていました。でも、スライドギターが難しくて、途中で挫折してしまったのです。
最近ゲゲゲの鬼太郎で憂歌団を聴き、改めて、YouTubeで、憂歌団の昔の映像を見たりしているのですが、当時は映像なんてあんまり見れなかったので、これ嬉しいのです。そして、やっぱり、こんなバンド、後にも先にも憂歌団だけだと思うのです。
そんなこんなで、本来は、名曲揃いの、憂歌団のアルバム『憂歌団』を紹介したいところなのですが。憂歌団が唄う、「カランコロンの歌」も最高なので、やはり、憂歌団の「ゲゲゲの鬼太郎」を紹介させていただきます。でも、アルバム『憂歌団』もぜひ聴いてみてください。
【戌井昭人(いぬいあきと)プロフィール】1971年東京生まれ。作家。パフォーマンス集団「鉄割アルバトロスケット」で脚本担当。2008年『鮒のためいき』で小説家としてデビュー。2009年『まずいスープ』、2011年『ぴんぞろ』、2012年『ひっ』、2013年『すっぽん心中』、2014年『どろにやいと』が芥川賞候補になるがいずれも落選。『すっぽん心中』は川端康成賞になる。2016年には『のろい男 俳優・亀岡拓次』が第38回野間文芸新人賞を受賞。
【戌井昭人(いぬいあきと)プロフィール】1971年東京生まれ。作家。パフォーマンス集団「鉄割アルバトロスケット」で脚本担当。2008年『鮒のためいき』で小説家としてデビュー。2009年『まずいスープ』、2011年『ぴんぞろ』、2012年『ひっ』、2013年『すっぽん心中』、2014年『どろにやいと』が芥川賞候補になるがいずれも落選。『すっぽん心中』は川端康成賞になる。2016年には『のろい男 俳優・亀岡拓次』が第38回野間文芸新人賞を受賞。