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トップコラムおじさんの眼第213回 「そしてあちこちに春が...え!? ロフトが渋谷に進出!」

13回 「そしてあちこちに春が...え!? ロフトが渋谷に進出!」

第213回 「そしてあちこちに春が...え!? ロフトが渋谷に進出!」

2016.04.01

 
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葛西臨海公園の水族館にて。
 
今回はニュースが一杯だ。
 

渋谷なんか嫌いだい〜!

 なんと、わたしゃ長いこと東京に住んでいるが、渋谷という町がどうも好きになれない。自宅から電車で15分という近さにありながら、特別な用事のない限り、渋谷には行ったことがない。学生の頃から、中央線・新宿の一本だった。渋谷はガキン子の町。なんとも奥行きというか、情の深さがない。人情味の溢れるカオスがないのだ。だから、渋谷に店舗を出すことには、ほとんど興味がなかった。しかし、ある日、ロフトの梅造が「渋谷のユーロスペースのオーナーが、是非ロフトさんに来て欲しい」と言ったかどうか知らないが、そんな話を持って来た。場所的には、実にいい。「これをやらない手はない」と、皆さんそうおっしゃる。そこで、わたしゃ宣言した。「過去40数年間、ロフトの店舗作りは、そのイメージからほとんど独断と偏見で自分がやって来た。だが、もう時代は若い連中のものだ。だから、渋谷に店を出すことはあえて反対はしないが、もう私の出る幕はない。皆さん存分にやってくれ。わたしゃその時期は、ピースボートに乗って北極へ行く!」と言い切った。
 さて、契約はしてしまったし、銀行から借金もした。いつオープンするのか(多分7月)知らないが、小林社長をはじめとして若い連中は、流行の「アイドル」をやりたいらしい。…おっとと、私の範疇外のテーマだ。老齢な私は、そっと暖かく、ロフトの若い連中が何をやり出すのか見守りたいと思う。なんとも、私の引退の潮時がそろそろやってきたという気がするな。がんばれロフト。
 

ロフトラジオ9月まで休止

 昨年1月から自分勝手な愛嬌で始めた「ロフトラジオ」だが、3月いっぱいで一旦、放送を打ち切ることになった。参加してくださった大勢のゲストの方々に感謝しつつ、なんとも60回以上、約1年3ヶ月も続けられたことは、飽きやすい自分にとっては意外だった。なぜ、こんなにも長く続いたのかというと、まずはリスナーが何人であろうと、気にしたり心配したりすることがないのは、実に気持ちが楽なのだ。営利事業の経営者であるわけだから、ラインナップ、客入り、売り上げを一番に心配する。お客さんが少ないと、各店の店長と出演者は困るわけだし、経営上「もっと売り上げを上げろ!」というお達しも、あまり効果はない。
 第二に、なんとも1時間30分の長丁場だ。喋るテーマは、基本的にゲストが決めるわけだから、そのテーマの勉強と、当日のゲスト諸氏の素性を調べまくることになる。これが、年老いた私にはものすごく勉強になった。ゲストの著作も、最低一冊は読んでキーワードを探さねばならない。
 勿論、ロフトラジオは100%赤字だ。スポンサーも広告も有料放送にも展望はない。ラジオ出演の人選は、まるっきり私の思いつきであり、そうなると最低のギャラというか交通費も出さねば申しわけなく、更には、放送が終わってからの「飲み会」(これがまた楽しい)の費用も負担せねばならない。結構、大変なのだ。
 

平野レミさんと…

 なんとも、親戚のよしみで気楽に「レミちゃん、おいらのロフトラジオ出てくれる?」と電話で言ってみた。今や大ブレイク中の料理愛好家・平野レミさんだ。するとなんともまあ、彼女のマネージャーが出てきた。内々で頼もうと思っていたのに、事務所が出てきたのだ。これには参った。「すみません。事務所を通すと、当然きちんとしたギャラを要求されるわけですよね。当方のマイナーラジオは、まだスポンサーも広告主もいなく、100%赤字の放送局なので、ギャラは1万円しか払えませんが…」とおそるおそる聞いてみた。「かまいません」という返事にほっとした。
 それでさ、放送の当日、レミさんとマネージャー女史はふたりでやって来た。いやはや、何年ぶりかにちゃんと会話をしたレミちゃんは、素敵だったな。たとえば私が「交通信号が赤。周囲には誰もいない。渡りますか?」と聞けば「渡る!渡る!別に問題なし」「学校は?」「嫌いだったな。勉強もできなかった。一番の勉強は、父親を訪ねてくるいろいろな人の話を聞くことだった」「料理愛好家というネーミングは?」「料理って鼻歌でも唄いながら楽しく作るもの。おいしければそれで楽しい。料理研究家なんてわけが分からない。」「もし夫から突然、離婚を言いわたされたら?」「そりゃ〜断固、慰謝料を取ってやるわよ。ついでにあそこも…(笑)」「原発は賛成、反対?」「反対よ。あんな危ない物」…この辺から、安倍・安保・憲法改悪の政治的な話題に入ろうとすると、同席したマネージャーからメモがまわってきた。「料理家なのであまり政治の話題は…」という。
 とてもナイスな1時間であった。ありがとう。平野レミ。素敵なおばさんになって。
 
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今やブレイク中の料理愛好家・平野レミさんと(ロフトラジオ)

 
 

また、旅に出るぞ…北極へ!

 ロフトラジオを中断する理由は、4月から7月末まで、ピースボート世界一周(104日間)の旅に挑戦するからだ。今回のピースボートの船旅は、私にとって3回目の世界一周なのだ。1回目は、憧れのスエズ運河、パナマ運河を渡り、これまではなかなか行くことのできなかったアマゾンの奥地にある世界一高い幻の滝「エンジェルフォール」や、イースター島、ガラパゴス、マチュ・ピチュに行くことができた。2回目の、喜望峰やマゼラン海峡、パタゴニア、そして南極の航海も圧巻だった。
 今回は、北極圏のクルーズという点に惹かれ、行く気になった。ピースボートの航海は、100日以上。費用は4人部屋だと3食+朝茶+午後茶+毎日のハウスクリーニングがついて1日1万数千円なのだ。勿論、南極や北極の航海はオプショナル料金がかかるが、それにしても各種、予約や交通費・ホテル代・食事代のかかる個人旅行と比べると著しく安い。更には、1000人近くの乗客が、船という空間に住むわけだから、そのコミュニティでの本部企画・乗客企画のイベントが毎日を飽きさせない。ポーンとドアをけって部屋を出ると、そこにはバーや居酒屋があり、船上に行けば星空観測会で南十字星が見えたり、運動会や文化祭があったりして実に庶民的でもあり、広大な海を見ながらの食事、読書、雑談、そして恋…各種サークルや映画上映会への参加は、基本、私を飽きさせない。私は一日一冊(青空文庫の)本を読破することをテーマとした。
 一番重要なのは、この船は平和団体NGOということだ。だから、世界各地のネットワークを通じて、途上国にサッカーボールや書物、衣類を送ったり、広島、長崎の原爆被害者を船に乗せ、ヨーロッパ各地の集会や議会で「原爆の被害者」として発言をしてもらったりしている。平和団体(ちょっとうさんくさいと思うのは勝手だが)であり、核兵器禁止や、地雷撤去や、各地の災害支援をしている素敵な組織なのだ。今回の東北大震災でいち早く、大胆に支援を開始したピースボート勢の活動は、眼を見張るモノがあった。
 

 

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ピースボート(横浜港にて)

 
なんと、7月の総選挙の時に、私は日本にいない。多分、選挙の結果は自民圧勝なのだろう。安倍さんの勝利宣言は見たくないな…って思っている。なんか、無性に日本には住みたくないと思ってしまう。
 
 
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今月のマロさん。11歳。雑種。捨て猫

 

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LIVE INFOライブ情報

★ロフトラジオ毎週木曜日の20時から生放送! ロフトラジオ、毎週木曜日20:00から生放送中!
放送URLはこちらをクリック

3月のラインナップ
3月3日 平野レミ(料理愛好家)
3月10日 中川右介(評論家、編集者、出版社経営者)&玉置泰紀(KADOKAWA ウォーカー総編集長)
3月17日 蓮池透(元北朝鮮による拉致被害者家族連絡会事務局長)&鈴木邦男(評論家)&椎野礼仁(編集者)
3月24日 森達也(ドキュメンタリー映画監督、作家)&宮台真司(社会学者)&鈴木邦男(評論家)
3月31日 杉作J太郎(漫画家)&吉田豪(プロインタビュアー)

COLUMN LIST連載コラム一覧

  • 特派員日誌
  • PANTA(頭脳警察)乱破者控『青春無頼帖』
  • おじさんの眼
  • ロフトレーベルインフォメーション
  • イノマー<オナニーマシーン>の『自慰伝(序章)』
  • ISHIYA 異次元の常識
  • 鈴木邦男(文筆家・元一水会顧問)の右顧左眄
  • レズ風俗キャストゆうの 「寝る前に、すこし話そうよ」
  • 月刊牧村
  • 「LOFTと私」五辺宏明
  • 絵恋ちゃんの ああ えらそうに コラムが書きたい
  • おくはらしおり(阿佐ヶ谷ロフトA)のホントシオリ
  • 石丸元章「半径168センチの大問題」
  • THE BACK HORN 岡峰光舟の歴史のふし穴
  • 煩悩放出 〜せきしろの考えたこと〜
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