女性と、女性。
セックスがはじまり、
絡み合い、
徐々に気分が高まり……。
さあ、この後はどうなるんでしょう?
女性同士のセックスは、いつ、どんなふうにして終わるんですか?ーーとてもよく聞かれる質問です。特に男性は、疑問に思われるでしょうね。女性とのセックスが未経験の女性も、同様でしょうか。
どちらかが、またはふたり同時に、絶頂に達する。
そして、達成感とともに、幸福感を得る。
それは、まさに天国に達するような快感。
そんな果て方が理想……なのですが。
* * *
男女カップルでは、男性の射精がひとつの区切りとなります。女性同士では、こうしたわかりやすい“イク”がありません。女性のイキ方には何通りもあるので、どれを最後の絶頂ととらえるべきか……? 決まりがないのです。
私の考えを、お知らせします。
ふたりが気持ちよくなって、そして、体力の限界を越えそうなとき。
この瞬間を、クライマックスと呼んでいいのではないか。そう思っているのです。
セックスは会話です。だから、必ず終わりがあります。ずっと話しつづけて、話が終わらない状態って、なんだか締まりが悪いと思いませんか?
"流れ"のようなものがあるんです。だから、起承転結が大事。
とはいえ、私たちがお客様をご案内するときは、終わりが強制的に訪れる場合も多いです。なぜかというと、予約の段階でコースの時間が決まっているからです。現在のお店のルールでは、延長ができません。
だから、私たちが交わす“会話”の流れには、時間も大きく関係してきます。
レズっ娘グループでは、ビアンコース90分から長時間のロングコース、お泊りコースなどいろんな選択肢があります。お互いに夢中になるので時間が経つのもあっという間……終了時間15分前にアラームが鳴り、ふたりしてハッとします。
「あともう少しで!」というタイミングで終えなければいけないことも、あるわけです。そうならないよう気をつけたいところですが、少しの物足りなさを抱えながら終えるのも、「またすぐに逢いたい」と思わせてくれるので悪くないという気もしています。こうした終わり方は、女性同士ならではかもしれませんね。
それまでの会話が濃ければ、ただ不満が残って終わり、ということにはならないと思います。
男性のみなさんは、射精=終わりという想像に縛られていませんか?
私たちの世界には、タチ、ネコ、リバという用語があります。ゲイの世界でも同じように言うそうです。リバは攻めるのも受けるのも両方できるという意味ですが、これって本当なら、同性同士のセックスにかぎらず、すべての性別、セクシャリティに通じることだと思うんです。
男性しか攻めちゃダメと決まっているわけではない。女性と男性だって、攻守を入れ替えて両方できますよね。
そうして「セックスってこういうもの」と思い込んだり、自分のイク、イカないだけでセックスの終わりを判断したりというのを繰り返していると、相手の悦びがどこにあるのか見えなくなりがちです。
ふたりで話しているのに、相手がどう思っているのかを気にすることなく、自分の話だけをしつづけるのに似ていませんか? それは、会話とはいえないでしょう。
同じく、自分本位で終わるセックスもやっぱり面白くない。というか、満足に欠けるような気がします。
相手が話したいことや聞いてほしいことが何かを汲み取り、お互いにキャッチボールできる会話のほうが、お互いに満たされます。またお話したいと思うでしょう。。
私は"リバタチ"といって、攻めも受けもできるけど攻めのほうが得意です。目の前の女性が絶頂を迎えるところを見届けたい。そんな欲求が強いです。表情や体のうねりを、肌で感じたいのです。
だから、よく観察します。
私が自分を見失うほど興奮してのめり込むこともないとはいいませんが、キャストとして女性に接しているかぎり、観察できる余裕を失わないようにしています。そうでないと、女性の繊細な動きや表情の変化をとらえられないからです。
セックスは会話。私にとってのセックスの終わりは、相手からの「返事」です。
どんな返事をもらえるのか?
できればお互いに気持ちがあたたかくなるような返事を、受け取りたいですよね。
だから私はいまでも、ラブレターを送る気持ちでセックスをはじめます。受け取ってもらって当たり前じゃ、ないんです。相手が受け取りたくなるような、返事を書きたくなるようなラブレター。
お客様に会うたびに、模索する日々です。
ゆう:永田カビ著『さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ』(イースト・プレス)のモデルになった現役キャストで、2008年から在籍するベテラン中のベテラン。レズっ娘グループ全店の新人講習スタッフを兼任する。 https://tiara.ms/cast/cast.php?no=00025