女性ふたりで、ベッドを共にする。同性の裸を前にして、「女性は意外と、女性の身体を知らない」ということに気づかされます。特に服で隠れているところ、下着で隠れているところは、自分以外の女性のそれをじーっと観察する機会がありません。
それがコンプレックスにつながることもあるようですね。自分のはヘンなのじゃないかと悩んでしまう……。それで体を見せることができずに、もじもじするお客様の姿を数え切れないほど見てきました。
部屋の照明はご希望に添いますが、自分の身体を見せるのに抵抗があって「暗くしてほしい」とおっしゃる方は多いです。でも私からすればヘンな身体なんてひとつもないし、みんな違ってみんないいのですから、それを理由に部屋を暗くし、お互いの表情も見えないのはちょっともったいないなと思うこともあります。
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悩んでいることがあったら、キャストに相談するのもありだと思います。キャストはたくさんの女性の身体を見て、触れていますからね。同じ身体を持ったもの同士で話せるのも、レズ風俗だからできることです。
よく聞かれるのが、アンダーヘアについてです。
お会いする前に「どうすればいいんだろう」といろいろ調べて、処理されてこられる方も少なくありません。簡単にカットして長さをそろえたり、形を整えたり、脱毛サロンにいってサッパリ無毛にされてこられたり。もちろんそのままでもOK。
何が正解で、何が間違いということはありません。
自分が快適と思えるのが、いちばんです。
私たちのほうから「こうしてほしい」「こうすべき」と指定することも特にありません。清潔でさえあれば、お互い気持ちよくプレイに臨めます。
ただ、カミソリでアンダーヘアを処理すると、場合によってはプレイに支障が出るかもしれません。女性同士のプレイで”貝合せ”というものがありますが、刃の具合や剃り方によってはこすり合わせるときにチクチクして痛いことがあります。
なので、希望するプレイ内容によって処理の仕方を変えてみることをおすすめします。
そうやっていろいろと方法を模索するうちに、自分の身体について発見することも出てくると思います。私もこのお仕事をはじめる前まではそうでしたが、自分の身体ほど知らないものです。
胸や乳首もそれこそ、十人十色なんです。
大きさや形、色だけでなく、触れたときのやわらかさも、唇を当てたときの感覚も、すべて違います。
私は乳首を目にしたとき、「エッチだなぁ!」と思います。こういう形だからエロいとか、こんな色だったら萎えるとかいうことはなく、乳首そのもがかわいいし、エロいし、なんともいえない不思議な魅力のある存在だと感じるのです。
なぜ私はこんなにも乳首に惹かれるのでしょう。
柔らかいふくらみに触れたい、というシンプルな欲求があります。
そして触れることで、次のステップに進みたいとも思っているようです。
それによってあなたが変化する姿を見てみたい、声を聞いてみたい……。
探求心をくすぐられるばかりです。
乳首は、乳輪と乳頭に分かれています。この大きさやバランスに悩まれている女性も多いのですが、胸のサイズが大きい人はどちらかというと乳輪が大きめで、胸の小さい人のほうが乳頭が大きめだという気がします。あくまで私の感想なんですけどね!
何によって胸の大きさや乳首の形、色が決まるのでしょう。
遺伝によって、生まれたときから決まっているのでしょうか?
それとも、日々の生活から何かしらの影響を受けて変化していくものなのでしょうか?
調べるといろんな説が出てきて、何が正しいのかはわからないままですが、そんな謎めいたところがあるのも魅力だと思います。
ひとついえるとすれば、乳首にもその人の個性が表れているということ。
でもそれは、身体のほかの部位も同じですね。
ひとつひとつの個性が寄り集まって、あなたという人間を形成しているのだと感じます。
だから私は、乳首や胸を愛撫するときは、その人そのものを愛するつもりでいます。よく「ゆうさんってテクニシャンですね」と褒めていただけるのですが、もし本当に感じてもらえているのだとしたら、そんな想いで乳首と対面しているからでしょう。こうすれば乳首が喜んでくれるかな、といつも真剣に考えているんですよ!
「乳首は触れられてもそんなに感じないんだよねー」
感度も人それぞれなので、そんなふうにおっしゃる方もいますが、それもまた個性。
女性同士、アンダーヘアや乳首の話をもっとできればいいのにと思います。顔や髪、肌のことはみなさんお友だち同士で話しますよね。それと同じふうに会話を重ねていけば、「私のはヘンなんじゃないか」とひとりで思い込まなくてもよくなりそうですね。
お友だちと話すのがむずかしければ、どうぞレズ風俗へ。
キャストはたくさんのパターンを見てきていますから、ぜんぜん動じませんし、適切なアドバイスもできますよ。
……つづきは、また次の夜にここで逢ってお話しましょう。
ゆう:永田カビ著『さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ』(イースト・プレス)のモデルになった現役キャストで、2008年から在籍するベテラン中のベテラン。レズっ娘グループ全店の新人講習スタッフを兼任する。 https://tiara.ms/cast/cast.php?no=00025