我が家には現在も品薄状態が続くニンテンドーSwitchがある。
そのニンテンドーSwitchでマインクラフトが発売されるというので、彼女と一緒にできればと思い、購入してみた。
ゲームに疎いボクでもさすがにマインクラフトというゲームがあることは知っていたが、どういうゲームかはまったく知らなかった。ネットでプレイ動画なんかを見てもなにが楽しいのかいまいちよくわからない。
しかし、始めてみるとご多分に漏れずハマってしまった。いまは山の上にバカデカいお城を作ろうとせっせと整地作業に没頭している。正直こういう地道なゲームにハマるとは思ってもみなかった。現実世界で物の配置が2、3センチズレてようがまったく気にしないのに、マインクラフトの世界では一度苦労して建てた家を取り壊してでも左右対称に作り直したりしている。
さきほど書いたお城なんかは一日では作れないから、少し作業したらまた翌日、続きから建築作業を開始する。毎日毎日だんだんとイメージ通りの建物が出来上がっていくのは面白い。なんとなく子どものころ、くだらないことに熱中していた時期を思い出す。
小学校低学年のころのボクの遊びは、泥だんご作りに終始していた。やっていた人はご存知だろうが、泥だんごは奥が深い。しっかり作ると石並みに硬くなったり、磨けば工芸品のようにピカピカに輝いたりする。これもまた一朝一夕でこのようにはなったりしない。
毎日放課後になると靴箱に隠した泥だんごを取り出しては、水と砂で磨き上げていく。夜、家に帰って寝るころには明日は何の作業をするかが楽しみで、早く朝にならないかと思ったものだ。
さて、話を戻すが、マインクラフトにハマるにつれ、これを作った人物のことがふと気になった。さぞかし有名なゲームプロデューサーが携わっているのだろうと思いきや、意外や意外、最初にマイクラを生み出したのはイチ同人ゲーム作家だそうだ。そんな彼はいま少し精神を病んでいるらしい。
マインクラフトを生み出し大ヒットを得た彼は、マイクロソフト社に人生三周しても有り余るほどのお金で権利を売却し、豪邸を立て、毎晩パーティーを開いて豪遊していたそうだ。しかし、そんな日々を繰り返すなか、ふと「俺の人生はなんだろう……」と考え始めてしまったらしい。やりがいだった自分のゲームは他人のものになり、手元にあるのは大金だけ……。そんな日々がついむなしくなってしまったのだという。
いやはや、人間なにが人生にとって大切かはわからない。いくらお金があっても、明日生きる意味というのは、また別のところにあるようだ。ボクはこのエピソードを見て思った。
「マイクラやればいいのに」
大島 薫
1989年6月7日生まれ。ブラジル出身。ノンホル(女性ホルモン未使用)、ノンオペ(性転換手術をしていない)を公言している、純粋な男の子。Twitterフォロワー約15万人を誇る。女性よりも可愛らしい容姿を武器にセクシー女優として活躍していたが、2015年6月に引退。現在はマルチタレントとして幅広く活動中。