Rooftop ルーフトップ

COLUMN

l.17「大瀧詠一」

vol.17「大瀧詠一」

2014.02.17

303b46020ea063d063c28110.L.jpg
 なんだか2011年からずっと激動が続いてる? 東京オリンピックが決まったかと思えばソチ冬季五輪開催が危ぶまれたり、突然の都知事選などなど、政治経済はてんやわんや! それに伴って音楽もアップダウンを繰り返しつつ、レジェンドなミュージシャンの逝去も相次いだ昨年……今回は連載史上初の日本人アーティスト、孤高の天才、大瀧詠一さんを取り上げます。
 1970年に<はっぴいえんど>としてデビューした大瀧さんは、音楽界に数々の革命をもたらした事で知られています……①全編日本語詞によるオリジナル曲でROCK。それまでは洋楽まんまカヴァーか独自訳詞のカヴァー、あるいは英語でないとROCKのリズムに乗らないという事で英語詞によるオリジナル曲のROCKが普通だったのに、Dr.松本隆氏による独特な情緒溢れる日本語ROCKを確立。現代においても普通に日本語でROCKが出来るのは彼らのおかげなのです! ②CMソングやノベルティ・ソングの制作。当時はCM用の裏方的作曲家やミュージシャンがいたのに、はっぴいえんど解散後は堂々とCMソングを制作し、またそれを音源化した最初の人。金沢明子さんのビートルズ演歌カヴァー『イエロー・サブマリン音頭』みたいな企画物ノベルティ・ソング等、一歩間違えば色物扱いされかねないサウンドも職業作家さんに任せず堂々と制作。愛とユーモアの人でもあるのです。③作詞・作曲は勿論、録音やマスタリング等も手掛けるミュージシャン兼エンジニアの先駆け。今でこそ宅録なんて当たり前だけど、レコード会社と契約時「契約金じゃなくてレコーダーをくれ」と言った逸話を残す程の研究家で勉強家。④音楽マニアを超えてオタクなんだけど、同時にミリオン・アーティストでもある。青春を過ごした1962〜1966年までのヒットチャートを全て記憶しているらしい……そんなオタク気質バリバリなのに、ドラマ主題歌などでミリオンを叩き出したスーパースター……そんな人、他にいるっ!?
 ってな具合で数々の逸話や伝説を持ち、他にもまだまだ数多くの仰天エピソードをお持ちの大瀧さんですが、特に女性シンガーへの提供曲、吉田美奈子さんの『夢で逢えたら』や、聖子ちゃんの『風立ちぬ』等に顕著な美メロとコードワークは、まさに天才ミュージシャンと呼ぶに相応しく、実は繊細な感性の持ち主である事もうかがえるわけです。結局、自身のリリースは2003年以降には行なわれていないので、10年間活動していないと世間的には思われていたし、40年にも渡る活動の中でも決してリリースの多かったミュージシャンではありませんでした。そんな大瀧さんが、もし、2014年に新作を発表するのならば……そのままで良いと思います。だって不世出の天才だもん!

 

hidaka_201310.jpg

ヒダカトオル
 1968年6月5日、千葉県生まれのB型。働きながらインディー・デビューした元リーマン・ロッカー。
 1997年BEAT CRUSADERS結成、2010年散開。BEAT CRUSADERSで活動中から数々の楽曲提供やプロデュースも行ない、木村カエラ、高橋瞳、メロン記念日ら女性陣のバックアップから、GOING UNDER GROUND、磯部正文等、男性アーティストのプロデュースを手掛ける。
 2010年10月にはMONOBRIGHTと結婚(電撃加入)、2012年離婚(脱退)。2011年には“A.O.R”をテーマにヒダカトオルとフェッドミュージックを結成、2012年岩手のイベントで有終の美を飾る。
 そして、2013年、新バンドTHE STARBEMSが始動!

http://www.thestarbems.com/
http://www.hidakatoru.com/

このアーティストの関連記事

THE STARBEMS
SAD MARATHON WITH VOMITING BLOOD

限定盤(CD+DVD) DFCL-2008,09 / 3,200yen (tax in)
通常盤(CD)DFCL-2010 / 2,800yen (tax in)
IN STORES NOW
※限定盤、通常盤ともに初回には特製アルバムステッカーが封入

ゲストミュージシャン
KYONO(WAGDUG FUTURISTIC UNITY、T.C.L、!!!KYONO+DJBAKU!!!)
Endy(GOOFY'S HOLIDAY)
笠原 健太郎(Northern19)
越川珠里 a.k.a DJ Princess Cut

amazonで購入

DISC1
1. DESTINY
2. THE CRACKI'
3. MAXIMUM ROCK'N'ROLL
4. WISE BLOOD
5. ARE U SURE?
6. INSIDE OUT
7. NO REACTION
8. FUCKIN' IN THE AIR
9. HIGH RISK
10. FORGIVENESS
11. HUMAN RIGHTS
12. DREADRONE
13. GOOD-BYE LOVE

DISC2
1. DESTINY (VIDEO CLIP)
2. THE CRACKIN' (VIDEO CLIP)
3. THE SEARCH FOR ANIMAL CHIN 東北ライブハウス大作戦ツアー “PLACE TO PLAY 2013”

LIVE INFOライブ情報

SAxRADIOTS − 2 SIDE VORTEX TOUR 2014-
2月16日(日)F.A.D 横浜

THE STARBEMS presents ULTRA FIGHT
2月21日(金)名古屋HUCK FINN
2月23日(日)渋谷club QUATTRO

ガガガSPツアー2014 『くだまき男の飽き足らん生活』
3月2日(日)宇都宮 HEAVEN'S ROCK
3月4日(火)水戸LIGHT HOUSE

3月“SXSW 2014”出演決定

COLUMN LIST連載コラム一覧

  • 特派員日誌
  • PANTA(頭脳警察)乱破者控『青春無頼帖』
  • おじさんの眼
  • ロフトレーベルインフォメーション
  • イノマー<オナニーマシーン>の『自慰伝(序章)』
  • ISHIYA 異次元の常識
  • 鈴木邦男(文筆家・元一水会顧問)の右顧左眄
  • レズ風俗キャストゆうの 「寝る前に、すこし話そうよ」
  • 月刊牧村
  • 「LOFTと私」五辺宏明
  • 絵恋ちゃんの ああ えらそうに コラムが書きたい
  • おくはらしおり(阿佐ヶ谷ロフトA)のホントシオリ
  • 石丸元章「半径168センチの大問題」
  • THE BACK HORN 岡峰光舟の歴史のふし穴
  • 煩悩放出 〜せきしろの考えたこと〜
  •  朗読詩人 成宮アイコの「されど、望もう」
  • 今野亜美のスナック亜美
  • 山脇唯「2SEE MORE」
  • 大島薫の「マイセルフ、ユアセルフ。」
  • 能町みね子 新中野の森 アーティストプロジェクト
  • 能町みね子 中野の森BAND
  • アーバンギャルド浜崎容子のバラ色の人生
  • 戌井昭人の想い出の音楽番外地
  • さめざめの恋愛ドキュメンタリー
  • THE BACK HORN 岡峰光舟の ああ夢城
  • 吉田 豪の雑談天国(ニューエストモデル風)
  • ゲッターズ飯田のピンチをチャンスに変えるヒント
  • 最終少女ひかさ 但野正和の ローリングロンリーレビュー
  • 吉村智樹まちめぐ‼
  • いざゆかんとす関西版
  • エンドケイプの室外機マニア
  • 日高 央(ヒダカトオル)のモアベタ〜よ〜
  • ザッツ団地エンターテイメン棟
  • 劔樹人&森下くるみの「センチメンタル「非」交差点」
  • 三原重夫のビギナーズ・ドラム・レッスン
  • ポーラーサークル~未知なる漫画家オムニバス羽生生純×古泉智浩×タイム涼介×枡野浩一
  • the cabs 高橋國光「アブサロム、または、ぼくの失敗における」
  • “ふぇのたす”ちひろ's cooking studio
  • JOJO広重の『人生非常階段』〜今月のあなたの運勢〜
  • マリアンヌ東雲 悦楽酒場
  • 大谷雅恵 人生いつでも初体験
  • ジュリエットやまだのイケメンショッキング
  • ケラリーノ・サンドロヴィッチ ロック再入門
  • 岡留安則 “沖縄からの『書くミサイル』”「噂の真相」極東番外地編
  • 高須基仁 メディア論『裏目を読んで半目張る』
  • 田中 優 環境はエンタメだ!
  • 雨宮処凛 一生バンギャル宣言!
  • 大久保佳代子 ガールズトーーーク!!!!!
  • DO THE HOPPY!!!!!

RANKINGアクセスランキング

データを取得できませんでした

休刊のおしらせ
ロフトアーカイブス
復刻