新年あけおめ〜&大して人気ないのに今年も連載させて貰え嬉しい、ぅわりがとうっ! 当コラムは「過去のレジェンド級アーティストを現代目線で蘇らせる」が主旨なので、昨年惜しくも逝去したレジェンド中のレジェンド、南アフリカの人種差別政策アパルトヘイトを覆し、人々に新たな希望の夜明けを魅せたネルソン・マンデラにちなんで……彼に捧げる歌でお馴染みのTHE SPECIAL AKA(ザ・スペシャル・エーケーエー)を紹介しながら2014年をスタート!
いわゆる初期パンクと言われるセックス・ピストルズ、クラッシュ、ダムドが活躍していた70年代中期、回復しない不景気や、独裁的政権にうんざりしていた人々はパンクを始めとして次々にレベル(反抗)・ミュージックに惹かれて行くのですが、60年代にジャマイカで生まれたSKAに、PUNKのスピード感とメッセージ性を合体させた新たなレベル・ミュージックを作り、ある意味、世界最初のSKA PUNKバンドとして1977年に誕生したのが、ご存知ザ・スペシャルズ! 黒スーツ+白シャツに身を包んだクールなイメージは、レーベル名通り「2トーン」ムーブメントとして英国の若者の絶大な支持を受けるのですが、音楽的不和からアルバムたった2枚で空中分裂。Vo.のテリー・ホールらはよりPOPな音楽性を目指したファン・ボーイ・スリー結成のため脱退し、バンド創設者のジェリー・ダマーズを中心に残ったメンバーで、SKA以外のルーツ・ミュージックも取り込んだ音楽性を目指して生まれたのがスペシャルAKAです。
当時、ポール・ウェラー御大がスタイル・カウンシルとしてソウルやR&Bを新解釈していた事と呼応するように、ジェリー・ダマーズもSKA以外のブラック・ミュージック、特にJAZZを取り入れる事で新たなレベル・ミュージックの創造に挑戦し、バンド最大のヒット曲『ネルソン・マンデラ』にそれが結実するのです……やんちゃだったSKAから大人なレゲエに発展し、一見大人しく感じられるサウンドも、実は尖りまくってたJAZZの影響を隠し味に加えて、更に当時、南アフリカ政府に不当逮捕されていた人種差別撤廃のヒーロー、ネルソン・マンデラを開放せよ! という強いメッセージを乗せるという大胆さ……そしてそんなアグレッシヴな曲がナショナル・チャートに堂々とランクインする痛快さ!
しかしコマーシャルな成功は多くの誤解や犠牲を生むためか、ジェリーは心労でダウンし、アルバム1枚でグループは消滅……その後に再結成されるスペシャルズにもジェリーの姿はありませんでした。サウンド面もファション面も、あまりにも早過ぎた先見性を持つがゆえに、時代とのズレが辛かったのかもしれません。そんなスペシャルAKA、21世紀の今ならまんま復活して良いのではないでしょうか? っつかして欲しい♪
ヒダカトオル
1968年6月5日、千葉県生まれのB型。働きながらインディー・デビューした元リーマン・ロッカー。
1997年BEAT CRUSADERS結成、2010年散開。BEAT CRUSADERSで活動中から数々の楽曲提供やプロデュースも行ない、木村カエラ、高橋瞳、メロン記念日ら女性陣のバックアップから、GOING UNDER GROUND、磯部正文等、男性アーティストのプロデュースを手掛ける。
2010年10月にはMONOBRIGHTと結婚(電撃加入)、2012年離婚(脱退)。2011年には“A.O.R”をテーマにヒダカトオルとフェッドミュージックを結成、2012年岩手のイベントで有終の美を飾る。
そして、2013年、新バンドTHE STARBEMSが始動!
http://www.thestarbems.com/
http://www.hidakatoru.com/