気付いたら2013年も1クールを切っちゃった! と焦っている皆様に、慌てず騒がず「過去のアーティストを現代に蘇らせながら紹介」する当コラム、最近H&MのTVCMで使われたりもして、あらためてその早過ぎたクールな感性が再評価を集めるティアーズ・フォー・フィアーズをご紹介します!
デュラン・デュランやカルチャー・クラブらと共に80年代の英国アーティスト・ムーブメントを盛り上げたティアーズ・フォー・フィアーズは、幼馴染みのローランドとカートの2人が中心となったエレPOPユニットとして、デビュー時からスマッシュ・ヒットを記録していた期待の新人だったのですが……「このままではブームとして終わってしまう」「我々には何かが足りない」と危機感を感じた彼らは、よりソウル色を強め、共に崩壊家庭で育った経験を基に繊細な歌詞世界を構築、更にそれらをポジティブでキャッチーな曲に乗せる事で、他のアーティストより頭一つ抜けた存在感を増します。結果、84年に発表したシングル『シャウト』と『ルール・ザ・ワールド』が世界的な大ヒットを記録し、彼らは一躍スーパー・スターの座に登り詰めます。
人気バンドにありがちな成功による不仲に陥りながらも、カンザス・シティでたまたま見かけたアマチュア歌手オリータ・アダムスの歌唱力とピュアネスに打たれ、彼女をゲストに迎えてソウル感とビートルズ感を合体させた傑作『シーズ・オブ・ラブ』を発表。更に世界的な名声を得るのですが……結果それが2人の溝を更に深める事になり、カートが脱退。ローランドのソロと化したティアーズ・フォー・フィアーズも、メイフィールドというユニットで活動し始めたカートも、よりパーソナルで内省的な楽曲を構築するようになり、90年代の彼らは世界的な注目度からは距離を置くようになってしまったのです。
しかし時間が経ち、家庭も持って大人になった2人は、2003年頃からLIVEなどで合流。実に15年振りに2人揃っての新作も発表して再結成的なツアーも行い、現在は再びローランドとカートの2人でコンスタントに活動を続けるティアーズ・フォー・フィアーズ。昨年はサマソニで来日も果たし元気なところを見せてくれましたが、やはり懐メロBAND的な印象でリスナーに迎えられているようです。
そんな彼らに現役感バリバリのサウンドを注入するとしたら……やはり得意とするソウル感+ビートルズ感の強調ではないでしょうか!? 近年その両方を実現出来そうなのは、HIP HOPの枠に収まらないメロディアスさを誇るアウトキャスト(アンドレ・3000とビッグ・ボーイ)、そしてナールズ・バークレイ(デンジャー・マウスとシー・ロー)をプロデュースに迎えるとか良さそう! 奇しくも両方とも2人組だし、デュオならではの良さを最大限に引き出す上に、悩み相談にもバッチリ乗ってくれそう!
ヒダカトオル
1968年6月5日、千葉県生まれのB型。働きながらインディー・デビューした元リーマン・ロッカー。
1997年BEAT CRUSADERS結成、2010年散開。BEAT CRUSADERSで活動中から数々の楽曲提供やプロデュースも行ない、木村カエラ、高橋瞳、メロン記念日ら女性陣のバックアップから、GOING UNDER GROUND、磯部正文等、男性アーティストのプロデュースを手掛ける。
2010年10月にはMONOBRIGHTと結婚(電撃加入)、2012年離婚(脱退)。2011年には“A.O.R”をテーマにヒダカトオルとフェッドミュージックを結成、2012年岩手のイベントで有終の美を飾る。
そして、2013年、新バンドTHE STARBEMSが始動!
http://www.thestarbems.com/
http://www.hidakatoru.com/