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ミドリ / shinsekai

2010.05.01   MUSIC | CD

AICL-2122 2,800yen (tax in) / 5.19 IN STORES

荒く音数少なく、でも何故か素朴で大きさを感じる意外な1曲目『鳩』から、このアルバムは始まった。いきなり良い意味での期待を裏切られる。そして続く2曲目、3曲目と序盤はミドリらしいハードでプログレッシブでサイケで、そしてジェットコースターのような怒濤の展開。壊れては我に返り、いつの間にかその音に吸い込まれている。5曲目の『スピードビート』は、タイトルとは裏腹に前のめりで確かなリズムを軸に、綺麗なピアノの旋律がとてもさり気なく入ってくる。突然右上でスネアが鳴ったり、下の方からベースのラインが聴こえ、気がつくとその丸い音楽の中心に自分が居て、それを包み込む様に歌が入ってくるような、不思議な歌だと思う。

 そしてこの作品の個人的な注目曲は、鍵盤ハジメがリードボーカルをとる『春メロ』。名曲の予感がするピアノから入り、決して上手い訳ではないが、何か味のある歌が入る。その頼りなさげな歌に、サビで女の子の声が重なる。そしてベースとドラムのリズムも温かみがあって、あの平成直前の良き時代を思い出す曲だった。そんな曲から、リズムでまた引きずり込まれるかと思ったら、突然優しい歌がのってくる。ミドリの『shinsekai』は、新世界ながら、激しいながらも何か温かいやさしい気持ちになるアルバムでした。(新宿ロフト:大塚智昭)
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