ビート・クルセイダース、ニューロティカとのがっぷり四つに組んだコラボレーションが続いた"メロン記念日ロック化計画"は、第3弾にしていよいよレッド・ゾーンを振り切った未踏の領域に達したと言っていいだろう。今回のお相手は、ミドリ。今さら改めて言及するまでもないが、他の随従を許さぬ出色のライヴ・パフォーマンスで見る者を深淵なる混沌と狂熱の坩堝へと引き摺り込み、ノイジーなハードコア・パンクをその出自としながらも今やジャンル・カテゴライズ不能な妙味に富んだ音楽性で圧倒的な支持を誇る猛者である。そんなミドリがメロン記念日に提供した『sweet suicide summer story』は、バッキバキにパーカッシヴなリズムと淀みなく流れ行くピアノの叙情的な旋律、そして胸がキュンと高鳴る愛くるしいハーモニーが三位一体となった掛け値なしの一曲...いや、逸曲だ。さる7月23日に我が新宿ロフトで行なわれた『イインダヨ! グリーンダヨ!!』ですでに両者の対バンは実現、ステージの構造上の都合で共演こそ叶わなかったものの、この日初披露された『sweet suicide summer story』がメロン記念日を新たな方向性へといざなうポテンシャルの高い楽曲であることを親愛なるヲタもだち諸兄ならよく理解しているはずだ。ライヴ終演後にロフトのライヴ・スペースで実現した両者の貴重なトーク・セッションを心行くまで堪能して頂きたい。(interview:椎名宗之)
メロン記念日、新宿ロフトに初降臨
──まず、今夜初めて市松模様のステージを踏み締めたメロンの皆さんに今の胸中を伺いたいと思います。
村田めぐみ:終わった後に「ロフトが初めてだったとは思えない」という有り難いお言葉を頂戴したんですが、私たちもしっくり馴染んだ感がありましたね。ちょっと高い台を用意して頂いたのでお客さんも隅々まで見えたし、凄くいい空間だったと思います。
大谷雅恵:ヘンな緊張感もなくライヴができましたね。1曲1曲が早くて、ライヴが終わるのが早く感じたんですよ。お客さんのテンションも凄く上がっていたし、"これは今までにないぞ!"っていうライヴでしたね。定番曲でも新鮮に感じたのはロフトさんのお陰だなと思いました。
柴田あゆみ:私も初めてのロフトだから緊張するかなと思ったんですけど、その緊張も心地良くて、場内にある信号機のオブジェを見て"ここはロフトなんだな..."という思いを噛み締めながらライヴがやれましたね。
斉藤 瞳:生意気かもしれませんけど、"気持ち良かった!"の一言に尽きますね。ロック・バンドにとって聖地と呼ばれているロフトにバンドではないにも関わらず立たせて頂いて、申し訳ないと思いつつもホントに気持ち良かったです。
──ミドリの皆さんは今日のメロン記念日のライヴをご覧になって如何でしたか。
小銭喜剛(ドラム):自然な感じで、面白かったですよ。
ハジメ(鍵盤):そうですね。楽器を持っていようがなかろうが、余り関係ないはずなんですけどね、実は。だから、これからもどんどんやっていったほうがいいんじゃないですかね。...ってスイマセン、何だか上から目線で(笑)。
メロン全員:いえいえ、ありがとうございます!
大谷:私たちもホントはミドリさんのライヴを客席の後ろのほうから見たかったんですけど、いろいろとご迷惑を掛けてしまうので今日は楽屋のモニター越しで見たんですよ。せっかくご一緒したので、同じ生の空間で見たかったんですけど。
村田:メロンのファンもミドリさんの曲のノリ方が凄く好きだと思うので、ノッてる姿を生で見たかったですね。
大谷:でも、ファンの方が「"デストロイ!!"(『ゆきこさん』)をメロンと一緒に唄ってるのを見たい」と言って下さっていたとマネージャーから聞いて、私たちもそんなことに憧れています。
──メロンの皆さんは、恵比寿のリキッドルームで行なわれた『ミドリ、ワンマン、2009春。』がミドリのライヴ初体験でしたよね。
斉藤:最初は度肝を抜かれて、若干口が開いちゃいました(笑)。"こんなライヴがあるんだ!"と思って、終始目が離せなかったです。
柴田:ホントに格好良くて、あっと言う間に時間が過ぎていった感じでしたね。
小銭:あん時は必死やった。機材トラブルがあって、いっぱいいっぱいでスタートしたから。自分ではよう判ってないです。
大谷:でも、見てる側としては圧巻でしたよ。
村田:CDもそうですけど、初めて見るジャンルだなぁ...と思って。ホントに引き寄せられますよね。
──村田さんは6月に野音で行なわれた『ミドリ、ワンマン、2009春。』の追加公演『ライブ!!』にDJムメとして参戦もされましたね。
村田:はい、その節は大変お世話になりました。ファンの方が凄く温かかったんですよ。手を振ったらどうなるんだろうなと思って振ってみたら、後ろのほうの人もみんな見てくれましたし。あの温かい皆さんがライヴでは頭を振ったりするんだなと思うと、凄いなぁ...と。
──あと、まりこさんがブログで使用済み切手を集めているのを受けて、村田さんもブログでヲタもだちに「使用済み切手を集めてみませんか?」と呼び掛けていたのは凄くステキなことだと個人的に思ったんですよね。
村田:まりこさんのブログを拝見して素晴らしいことだなと感じて、私も集めさせて頂こうと思ったんですよ。それと、DJとして参加させて頂いた時にミドリさんはエコについてもいろんなことに取り組んでいらっしゃるのを知って、メロンも見倣おうと思いました。
キーワードは"諦めさえしなければ"
──そんな経緯があって今回のコラボレーション・シングル『sweet suicide summer story』が生まれ得たわけですが、夏を主題としたのはメロン記念日のイメージからですか。
後藤まりこ(ギターと歌):「夏のライヴでどんどん唄っていきたいので」とメロンのスタッフさんから言われたから夏を意識して作ったんですが、村田さんにお会いした時に「自分の好きな言葉をいくつか書いて下さい」とお願いして、書いてもらったうちのひとつに"諦めさえしなければ"という言葉があったんです。"諦めさえしなければ"ということは"諦めさえしなければ○○"ということなので、その○○には何でも当てはまると思ったんですよ。諦めさえしなければ死ねる、諦めさえしなければ生きていける、諦めさえしなければ夢は叶う。"諦めさえしなければ"というのはただの前置きであって、○○を書く、ということでこれになりました。
──村田さんからは他にどんな言葉が挙がったんですか。
後藤:チャーハン。
メロン全員:(笑)
村田:いろんな言葉を書いたんです。その時に好きなことだったり、メンバーを見て思いついたことだったり。大谷だったら"カラフル"って書いたりとか。
──"マグロ"じゃなかったんですね?(笑)
村田:"マグロ"は書かなかったですね(笑)。あゆみなら"フットサル"、Hitoは何だったかなぁ...。
後藤:"ねこまんま"とか"アジサイ"?
村田:確かそんな感じでしたね。その中に"諦めさえしなければ"という言葉があって、それはアップフロントの忘年会で大先輩の堀内孝雄さんが仰っていた言葉なんです。それを4人とも凄くいい言葉だなと思っていて、書かせて頂いたんですよ。今回のコラボ曲が出来上がった時に、私が書いた言葉の中の何を受け取って下さったのかなと思って、それが"諦めさえしなければ"だったと今知れて良かったです。
──メロディは以前からしたためてあったものなんですか。
ハジメ:いや、書き下ろしです。メロン記念日が唄うことを前提に書きました。ミドリの曲を後藤さん以外の人がメインで唄うのは初めてのことなんですよ。
後藤:僕は、10代の時にライヴを見たことがあったし。
ハジメ:僕も知り合いにハロプロを好きな人がいて、コンサートのDVDを見たことがあるんですよ。
大谷:エッ、そうなんですか!? ありがとうございます!
──愛しき人と過ぎ去く夏にジリジリと胸を焦がす歌詞もアンサンブルの妙味も掛け値なしに素晴らしいし、ホントにいい曲が生まれましたよね。
後藤:ありがとうございます。
──"こんな感じで唄って欲しい"というリクエストはミドリ側にあったんですか。
ハジメ:仮歌は後藤さんが唄っていたんですけど、それを意識せずにメロン記念日らしく唄って下さいとだけは伝えましたね。それ以外の細かいことはレコーディングの時に多少ありましたけど、基本的にはお任せでした。
斉藤:後藤さんの仮歌を聴かせて頂いた上でのレコーディングだったので、私たちもいつもとは違う感じで唄ったんですよ。
大谷:後藤さんの歌声は独特ですから、そっちの世界へ行きたくなると言うか。
村田:デモテープの時点で凄く完成されていましたからね。
斉藤:そう、後藤さんの歌声でそのままCDが欲しいくらいの感じでしたし。
村田:新しい試みだらけでしたね。今までのメロンの楽曲にはない曲調ですし。今後のライヴでどこにポイントを置いてこの曲を入れるかを考えると、いろいろパターンがあるんじゃないかと思います。
大谷:楽曲自体に強い個性があるので、ライヴのセット・メニューのどこに組み込んでも活きてくるんですよね。頭に置いてもパンチがあるし、中盤に入れても雰囲気をガラッと変えられるし、ハズレがないんですよ。
ハジメ:どんどんやって頂けたらと思いますよ。
ひとりずつマイクを替えた録音方法
──ヴォーカルの振り分けはどんな感じで決めたんですか。
後藤:覚えてもらったのを一度通して唄ってもらって、組み分けして良かったので。"ああ"とか合間合間に入ってる声は、全部で3回唄ってもらったうちのCメロ..."きみがいないから〜"のとこでみんなでガヤをしてもらって、そのガヤのいいとこをあれしたりこれしたり。
ハジメ:予め録ってあったフレーズをミックス・ダウンの時に違うところへ持っていったりしたんですよ。"あッ"という声をAメロの途中に入れてみたりとか。
──ひとしきりイントロが終わって、"あッ"という吐息にも似た艶っぽい声が聞こえますが、あれは?
後藤:あれは柴田さん。ガヤの時のを使った。僕の声は一切使ってない。
メロン全員:エエッ!?
後藤:その後の"あうッ"って言ってるのは大谷さん。
ハジメ:バック・コーラスとして後藤さんの声が最後のメロディに出てきたりはするんですけど、途中で聞こえる"えッ"とか"おッ"とかの声は全部メロン記念日の声なんですよ。
大谷:そうなんですか! 今知りました。
──まりこさんの声が入ってなかったとは意外ですね。
後藤:僕は"夏が君と過ぎて行く"の部分とか、最後の"I still..."のとことか、一斉に唄うとこにオクターブ下で唄ってるくらい。
──なるほど。今回もMP(萌えポイント)はやはり柴田さんだったんですか(笑)。
村田:ビークルさんとの『DON'T SAY GOOD-BYE』、ニューロティカさんとの『ピンチはチャンス バカになろうぜ!』に続いて、またあゆみ絡みだったわけですね。
柴田:私はてっきりまりこさんの声だと思っていたので、ちょっと恥ずかしいですね(笑)。
村田:あと、今回新鮮だったのは、ひとりずつマイクが違ったことなんですよ。
ハジメ:後藤さんもそうなんですけど、ヴォーカリストの人は自分に合うマイクを如何に見つけるかっていうのがあるらしくて。
後藤:だって、みんな声違うやん?
──まりこさんから見た4人のヴォーカリストの資質の違いとはどんなところですか。
後藤:村田さんが僕と一番似てる。だから僕と全く同じ800Gっていうマイク。大谷さんもそうかなって思ったけど、もっと声が太いし、ピッチが引っ掛かるとこがあるから立ち上がりの早いやつにした。柴田さんと斉藤さんは声が強いし早いけど、柴田さんのほうが細いから、コンデンサーとダイナミックを合わせたみたいな感じにした。
──音作りの面で気を留めたところは?
後藤:アナログで録った。
ハジメ:そうなんですよ。バックの演奏はパソコンじゃなくてアナログのテープで録ったんです。後藤さんのギターとか、オーヴァー・ダブだけデジタルで録ったんですけど。
小銭:あとは気合いで録りました(笑)。
村田:お上手です!(笑)
──アナログの生々しい質感だからこそ、張り詰めた演奏と相俟って過ぎ行く夏の焦燥感が真に迫るものになっているんでしょうね。
後藤:うん。焦燥感、好き。でも、"諦めさえしなければ"なんでしょう? "過ぎない"かもしれない。僕の中に"諦めさえしなければ"なんて言葉はないんですよ。何故かと言うと、僕はその言葉が余り好きではないからなんですよ。諦めさえしなければ何がどうなるとは僕は全然思ってなくて、でも、自分のボキャブラリー以外で人に刺激をもらって歌詞を書くっていうのが初めてで、面白かった。村田さんはきっと僕のような人ではないから。でも、4人全員に好きな言葉を書いてもらえなかったから、村田さんに影響を受けて僕が書いた歌詞になってしまったから、そこが残念。
大谷:最初に候補曲が2曲あって、それを聴かせて頂いた時はメンバー間で意見が分かれたんですよ。私とひとみんが『sweet suicide summer story』じゃないほうの曲を選んだんです。
斉藤:ライヴのことを考えて、みんなが唄いやすいほうを選んだんですよね。
大谷:でも、2度目に聴いたら印象が変わったんですよ。ミドリさんのライヴを見た後だったし、ミドリさんの世界観もちゃんと垣間見られる曲だと感じたんですね。私たちが私たちっぽい曲を唄うんじゃなくて、コラボして頂くバンドの中にメロンが入り込むことをこのロック化計画ではしたかったので、やっぱりこっちだなと思ったんです。
やる側も見る側も自由なコラボ楽曲
──もうひとつの候補曲はどんな感じの曲だったんですか。
大谷:ライヴでオイオイ叫べる感じの曲と言うか。
村田:もうちょっと音がシンプルだったような気がしました。
ハジメ:うん、そうですね。僕らのライヴでもやったことがあるんですけど。
村田:その曲とは対照的に『sweet suicide summer story』にはいろんな音色があって、これをメロンで唄ったらどうなるんだろう!? っていう感じだったので、凄く魅力的でした。2曲とも魅力的で、甲乙つけがたかったですね。
──先ほど初披露されたのを聴いても、やはり凄くライヴ映えする曲なのを改めて感じましたね。
大谷:振り付けも全くしない状態でロフトで初披露したんですけど、振りは要らないなと思いましたね。ひとりひとりが思う唄い方でいいと思うし、見てる人も同じような盛り上がりが多分ないだろうなと思うんですよね。静かに見ていてもいいし、暴れたくなったら暴れてもいい自由な曲って言うか。いずれにせよ、最後はザンッと簡潔に終わるのが気持ちいいですね。
──個人的にはミドリ単体のヴァージョンも聴いてみたいところですけど。
後藤:(小声で)恥ずかしい...。ライヴでできへん。被ってるメロディ・ラインがあるから。
大谷:確かに、ひとりで唄うのは大変ですよね。
ハジメ:僕が全編唄うならアリかもしれませんね。次のアルバムのボーナス・トラックに"ハジメタル・ヴァージョン"として入れてみたりとか(笑)。
──今日はステージの構造上の問題でコラボレーションが果たせませんでしたが、『MELON LOUNGE@NAGOYA』では共演を期待しても良さそうですか。
後藤:やりますよ。
村田:私たちも凄く期待してます。
ハジメ:今日は残念ながらコラボが果たせなかったですけど、今度は是非。
──これまでの『MELON LOUNGE』ではバンドとのコラボ曲以外にも共演曲がありましたが、ミドリとはどんな曲が合うでしょうね?
ハジメ:見に行きましたよ。ビークルさんとはセックス・ピストルズの『ANARCHY IN THE U.K.』をやって、ニューロティカさんの時はニューロティカさんの曲(『...to be HARLEM』、『絶体絶命のピンチ 尻尾を高く上げろ』)とメロン記念日の曲(『さぁ、早速盛り上げて行こか〜!』)を一緒にやってましたよね。
後藤:僕、ランナウェイズの『CHERRY BOMB』がやりたい。
──ビート・クルセイダースのヒダカさんがメロン記念日をロック・バンドに喩えるとランナウェイズだと仰っていたんですよ。やはりそういうイメージなんでしょうか。
後藤:判らへんけど、いいと思う。
──ミドリの皆さんは『MELON LOUNGE』をご覧になって如何でしたか。
ハジメ:ファンの人が凄いですよね。
小銭:ビークルの時に初めて見て、新鮮やったっすわ。いつもバンドをやっとる人のライヴばかり見とるから。
後藤:お客さん、怖い。床に落ちそうで危ない。
ハジメ:メロディック・パンクのノリと、ヲタクって言うとアレですけどそんなノリもあって、とにかく激しいですよね。
後藤:ヲタク? 僕、2階席から見てたらマキシマム ザ ホルモンとかハイ・スタンダードとかのTシャツを着てる人がおって、ヲタクには見えなかった。
村田:ファンの方の中にはロックに詳しい方も多いんですよ。教えられることも多いですし。
後藤:電気みたいなのをいっぱいつけてたのは何でなん?
村田:個性的な方が多いですからね。
後藤:個性的って便利な言葉...。
──まぁ、メロン記念日のライヴで緑色に光るサイリュームを携帯するのはドレス・コードみたいなものですよ(笑)。
後藤:ドレス・コード? 決まり?
──決まりではないですけど、つい持ちたくなるんですよ。
ハジメ:バラードでペンライトを振るような感覚ですよね。
ミドリが奏でる音色は繊細で綺麗
──まだ岩見さんの発言がないので、今日のメロン記念日のライヴの感想を伺ってもいいですか?
岩見のとっつあん(ベース):僕は今日初めて見させてもらったんですけど、振りがあって歌があって、凄く楽しかったです。ごく普通の感想でスミマセン(笑)。
大谷:いやいや、それもまた新鮮ですよ。
斉藤:岩見さんが私たちのリハをご覧になられた時に、拍手して下さったのが嬉しかったです。
岩見:本番の前に見たいなと思いまして...。
村田:とっつあんさんは癒し系ですよね。
岩見:ああ...そうですか(照笑)。
後藤:モリゾー、モリゾー。
岩見:モリゾーって何? 俺が似てるってこと?
ハジメ:『愛・地球博』の公式キャラクターで、ムックみたいな感じですよ。
斉藤:あ、こっちにはガチャピンがいた(笑)。
柴田:コラコラ(笑)。
岩見:僕は逆に、村田さんが癒し系に見えますね。
村田:それじゃ、癒し系の東北コンビですね。私は仙台出身ですから。
岩見:あ、そうですね。僕は福島出身なので。
斉藤:レコーディングの時に岩見さんからままどおる(福島の銘菓)を頂いたんですけど、「美味しいんで食べて下さい!」とひっきりなしに仰っていましたよね(笑)。
岩見:妙なアピールをしましたね。しかもそれ、自分で買っていったわけじゃないのに(笑)。
──ミドリの皆さんがメロン記念日とコラボレートしたことで得たものというのは?
斉藤:いやいや、そんなおこがましいですよ。
小銭:まだ判らんですけど、レコーディングは凄く楽しかったですね。
後藤:うん、楽しかった、録音。自分が唄わなくても唄ってくれるから。パズルが出来上がっていくみたいで凄く新鮮やった。みんなハイヒールを履いてたけど、唄う時は裸足で唄ってくれて、ちゃんと唄ってくれるんですね、と思った。
斉藤:唄うとどうしても力が入るので、ヒールを脱いで裸足で唄いたかったんですよ。さっきむらっちが言ったように自分たちに合うマイクを見つけるというレコーディングのやり方は新しかったし、ひとりひとりの声質をキチンと聴いて下さったことに凄く感動しましたね。
大谷:今までは4人の平均を取って同じマイクを使っていましたけど、考えてみれば4人ともこんなに色が違うし、ひとつのマイクに合わせることで消えていくものもあるんじゃないかと思いましたね。あと、ライヴはこのままの4人でいいんだなって。"みんなで唄おうぜ!"っていう感じじゃなく表現できる曲は今までになかったですし、ホントにいい武器を頂いたと思っています。
──最後に、双方へエールを贈って頂いて締めましょうか。
ハジメ:あんなにお客さんにダイヴをさせる女性ヴォーカル・グループは他にいないと思うので、それを武器にライヴハウスでもどんどんライヴをやっていって欲しいですね。このまま行けばもっと凄いことができるんじゃないかと今日思いました。また上から目線で申し訳ないですけど(笑)。
斉藤:いやいや、とんでもないです。
小銭:俺はリハも楽しそうにやってていいなと思ったから、このまま楽しくやりましょうって感じですね。
岩見:いろんな所でライヴをやって、『sweet suicide summer story』を唄って欲しいですね。
大谷:もちろん、ガンガン唄っていきますよ!
後藤:個人的には、楽器を持たはるか、バンドを従えてライヴをしてるのを見たい。ワンマンとか1本のライヴ全部で。『This is 運命』とかも、バンドのほうが格好いいと思う。
村田:是非やりたいですね。私は、ミドリさんはミドリさん独自の世界が凄くあるのでそれをずっと続けて欲しいんですけど、ミドリさんはライヴの生感が特に強いバンドだと思うので、またライヴにお邪魔した時に刺激を受けたいと思いますね。
小銭:是非遊びに来て下さい。
大谷:とっつあんさんのコントラバスとか、小銭さんのドラムが前に出ていたりとか、ミドリさんのステージは見たことのない佇まいなんですよね。何回ライヴを見に行っても絶対楽しいし、同じ曲を何回聴いても違うと思うんです。その日の気温や湿度、照明の当たり具合で全部がちょっとずつ違ったりするだろうし、同じ音は二度と作れない演奏なんじゃないかなと。だからまたいろんな会場でミドリさんのライヴを見たいと思ってます。
柴田:私は恵比寿で見たライヴ・パフォーマンスがとにかく圧巻でびっくりしたんですけど、今回コラボさせて頂いて、そのパフォーマンスとは裏腹にミドリさんの奏でる音色は凄く繊細で綺麗だなと思ったんです。私はそこが凄く好きで、これを機会にまたいろいろ勉強させて頂きたいなと思いました。メロン記念日に新しい風を吹かせて頂いたと思うし、これで終わりではなく、次に繋がればなと思っております。
斉藤:私たちの周りのスタッフにもミドリさんを好きな人が多くて、今回のコラボも凄く羨ましがられているんですよ。それが誇りと言うか、コラボできたことが純粋に嬉しいんです。でも嬉しいだけじゃなくて、学ぶべきところはもっと学んでいきたいですね。私が言うのも生意気ですけど、ミドリさんのライヴ・パフォーマンスはホントに素晴らしいし、そういう部分も今後のメロンのライヴにちゃんと活かしていけるようにしたいです。