80年代のパンク/ニューウェーヴ好きにとってテレグラフレコードは印象深いインディーズレーベルの1つだ。そのテレグラフを主宰した地引雄一氏が1995年に創刊したインディーズマガジン「EATER」は、音楽のみならず様々なサブカルチャーを扱っていたが、当時オープンしたばかりのロフトプラスワンを最初に取り上げたのが同誌で、私もその記事を見てプラスワンに足を踏み入れたのだった。2001年に休刊したEATERがこの程「EATER 2014」として甦った。復刊のきっかけとして地引氏は、震災後に福島で開催された「プロジェクト FUKUSHIMA!」に参加し、たとえ小さくとも自分達のメディアを持つことが大切だと強く感じたからだと言う。そうした経緯もあり今号では、プロジェクトFUKUSHIMA!にも出ていた遠藤ミチロウ、大友良英、七尾旅人、PIKA☆などが大きく取り上げられている。311後の流れの中でストリートカルチャーを捉え直した地引氏ならではの編集が光る良書だ。(加藤梅造)