東京ロッカーズに始まる日本のパンクシーンに乗り損ねた世代の僕にとって、テレグラフ・レコード主宰の地引雄一が記した『ストリート・キングダム』は 80's インディーズシーンを知る上でのバイブルだった。その地引氏が1995年に創刊したインディーズマガジン『イーター』を本屋で見つけた時は速攻で購入し、隅から隅まで読みふけった。その後、私はロフトプラスワンで地引氏と知り合い、『イーター』のテープ起こしを手伝うようになり、いつの間にかロフトのスタッフになっていたのだが(笑)、私にとってはもちろん、90年代のインディーズ/オルタナティブ・シーンに熱中した者にとって、『イーター』はまさに当時のカルチャーを刻印した雑誌として記憶に残っていると思う。そして今年、地引氏は『イーター』を再始動させ、その手始めに過去8冊の総集編として本書を刊行した。当時を知る者はもちろん、後追い世代にも是非この貴重な時代の証言に触れて欲しい。『ストリート・キングダム』と合わせて読むと80s-90sはバッチリです。(加藤梅造)