コンビニの雑誌コーナーでひときわ異彩を放つ雑誌「実話ナックルズ」。2001年に創刊され、裏社会、芸能スキャンダル、アウトロー、事件はもちろん、政界、オカルト、サブカルチャーまでを幅広く扱い、後のいわゆる"ネオ実話誌ブーム"の発端となった雑誌である。扱う内容が内容だけにトラブルには事欠かないそうだが、他の類似誌が致命的なトラブルで廃刊することもある中、「ナックルズ」は未だにその座をキープし続けている。その理由はひとえに久田編集長の編集手腕によるものだろう。本書は久田氏がこれまでに経験したトラブルを告白した画期的な一冊。「編集者とは恫喝、脅迫、恐喝、暴力、拉致、などに耐えうる職業である」と前書きにある通り、想像しただけで胃が痛くなりそうなトラブル事例が満載されている。「お前んとこの首斬って晒す事にしたから」という脅迫電話に編集長はどう対応したのか？　是非本書で確かめてもらいたい。（加藤梅造）