ミスをしてもついまわりがフォローしてしまう人、失礼なことを言ったりするのに嫌われない人、面倒をかけられるのにしょうがないなって許してしまう人、まわりにいらっしゃいませんか? 「他の人とはなにがちがうのだろう」と思って観察しているうちに、いつのまにか自分自身もその人を好きになっていたりして…そんな愛されキャラの人がもつ「かわいげ」について書かれた一冊。ガチでは嫌われないキャラの著名人の方々を分析しつつ、ではそのかわいげが自分にはあるのか? を調べられる診断付き。
かわいげを身につけるためのしぐさが、ユーモアなイラストとキャッチーなフレーズとともに解説されていて、思わず吹き出しながら終始楽しく読めます。しかし、そのうち、「かわいげ」とは人間力なのだなと気づかされて、笑ってられないぞと背筋が伸びます。(過剰な)礼儀正しさ、(どう思われるか考えすぎない)自意識を捨てる、(バカ正直に)ちゃんと謝れる、(つい出てしまう)弱みを見せる、それらは人間的魅力です。つまり「かわいげ」とは人間的に魅力がある人に付属するものなのかもしれません。
エピローグに書かれた「「かわいげ」とは、後からついてくるもので、先に「かわいげ」ありきではない。」という一言には、思わずハッとさせられました。自己啓発本にもなるし、読書として楽しむのにもいいし、新社会人からベテラン社会人まで、はたまた学生さんやふだんは本を読まない方も全方位オススメ。
ところで、一見コワモテな久田さんご本人が自分のSNSでこの本の宣伝をかねてAmazonリンクを貼っていたのですが、そのリンクが間違っていて、「指摘したほうがいいのかな…でも久田さんのようなしっかりした方が間違えるわけ…ないよね。発売前だからまだ表示されていないだけ…だよね。」と思っていたら、吉田豪さんが「久田さん、リンク間違えていますよ」と指摘をされていて、思わず胸をおさえて「…ぐっ(…かわいい)」と思わざるを得ませんでした。読めば読むほど久田さんご本人に当てはまるので、かわいげとは久田さんご本人のことなのでは? でも、きっと無自覚なのだろうなと思うと、また悶えずにはいられませんでした。
ちなみに、ご本人が宣伝で「かわいげの人は希少動物くらい見つけにくいのですが周りに一人くらいはいるはずです。」とおっしゃられていたので、どなたか「ご自身ですよ!」とこっそりお伝えいただけませんでしょうか。(成宮アイコ)