12月17日(水)より東京・歌舞伎町 SHINJUKU FACEで上演が始まる音楽劇『三文オペラ・歌舞伎町の絞首台』に出演する秋吉久美子、聖児セミョーノフ、もも(チャラン・ポ・ランタン)らキャストが11月19日(水)に渋谷でプレス会見を開き、劇中歌も披露した。
『三文オペラ』はドイツの劇作家ベルトルト・ブレヒトと作曲家クルト・ヴァイルが書いた音楽劇。1928年にベルリンで初演されて以来、世界各国で映画化、劇場上演されてきた名作中の名作劇だ。
今回の『三文オペラ・歌舞伎町の絞首台』は舞台を原作のロンドンから新宿・歌舞伎町に移し新たな解釈で上演される。
会見には本作プロデューサーの湯山玲子に、キャストから秋吉久美子、聖児セミョーノフ、ももチャラン・ポ・ランタン)が登壇。
冒頭に湯山玲子から『三文オペラ・歌舞伎町の絞首台』の説明が入ったあと、キャスト陣が本作へコメント。
秋吉久美子は「夢も希望もない、愛もない。ロマンもない時代(舞台の背景)で、今でいえばメンヘラというのでしょうか」と自身が演じる娼婦・ジェニーについて語る。「全体主義や戦争や格差が蔓延る100年前の作品ですが、今の時代とも被る作品だと思いますね。私も、(稽古を重ねて)ここまできちゃったんで頑張ります!」と意欲を見せた。
稀代の悪党・メッキースを演じる聖児セミョーノフ。本作の音楽では日本語歌詞を手がけており、「(ブレヒトとヴァイルが書いた歌は)放送禁止用語が並ぶひどい歌詞なのにメロディは美しい! その真逆の曲も! 退廃したあの時代の表も裏も、歌詞と音楽できちんと描いている」とオリジナルの楽曲を絶賛。また、本舞台については「年末に歌舞伎町というロケーションで、底辺で暮らすような悪の存在たちがいきいきと生きおおせる、エネルギーが感じられる、爽快感のある舞台にしたいです!」と意気込んだ。
主人公・メッキースの妻・ポリーを演じるチャラン・ポ・ランタンのももは、「ポリーは(メッキースに)出会ってすぐに結婚してしまうような真っ直ぐな強い意志もあるし、悪いところもある。ももさんにピッタリ! とご指名頂いたのですが、私ってそうなんでしょうか?」と記者に問いかけ、場内を和ませる。「クルト・ヴァイルがつくった音楽はとても『ヘンテコ』だけれども魅力的なんです。ただ難しい! 曲をいただいたときに歌えるのかなと思ったくらい。お話(設定)もひどいけど、歌詞もやっぱりひどいです!」と音楽についてコメントした。
本作の舞台となる歌舞伎町の印象を問われると、秋吉は「学生運動が終わり、しらけ世代が出てきた時代によく行きました。歌声喫茶とか、夜中にケーキ食べたくなったら歌舞伎町に行ってました。当時は渋谷と下北沢が混ざったような町でした」と思い起こすも、今は「顔が白くて金髪の男の人がいっぱいいて怖いです(笑)」と歌舞伎町の印象を話す。
ゴールデン街のバーで働いた経験もある聖児セミョーノフは、上演劇場の近くにある「トー横広場」辺りは、仕事終わりによく食事をして場所だそう。「きれいなところと汚いところ、楽しいところと怖いところの両方がある街ですね」
一方、ももが10代で最初に歌ったステージは歌舞伎町。「10代の頃から昼も夜も通った街です。汚いしくさいしガヤガヤしてますが、自分にとっては落ち着ける街だった」と振り返り、「(原作は)100年前の話だが、それを歌舞伎町に落とし込んでいるので、今のお話として楽しんでいただけるのではないでしょうか」と本作の魅力を話した。
会見が終わると劇中歌の披露コーナーに。最初に歌われたのは秋吉久美子と聖児セミョーノフのふたりで「ヒモのバラード」。続いてはもものソロ歌唱で「恋の歌」。最後に披露したのは、「マック・ザ・ナイフ」の名前でジャズのスタンダード・ナンバーとしても知られる『三文オペラ』のメインテーマ曲の「モリタート」。この曲には藤井レオナ(えみり役)、松本実(スミス役)、エミ・エレオノーラ(ピーチャム夫人役)、真洋(ルーシー役)、奥津裕也(ジロー役)、トースティー(ひめか役)らが加わり、総勢9人の合唱で「モリタート」を歌い上げた。
『三文オペラ・歌舞伎町の絞首台』は12月17日(水)より21日(日)までの5日間/全6公演が、東京・歌舞伎町 SHINJUKU FACEにて上演される。公演チケットは各チケットサイトで販売中。(撮影:飯塚麻美)
三文オペラ・歌舞伎町の絞首台|公演概要
公演日程:2025年12月17日(水)〜21日(日)/ 5日間6公演
(20日公演のみ昼夜2回公演)
会場:東京・新宿歌舞伎町 SHINJUKU FACE
出演(順不同)
聖児セミョーノフ / 秋吉久美子 / もも(チャラン・ポ・ランタン)
大谷亮介 / エミ・エレオノーラ / 安部聡子 / 真洋
梅垣義明 / 奥津裕也 / トースティー / 藤井レオナ / 松本実
星田英利 / 渡部豪太
演出:三浦基 / プロデューサー・音楽監督:湯山玲子
チケット料⾦(税込/全席指定):
SS席(紳士と淑女の貴賓席)18,000円(パンフレット / ドリンクサービス付き)
S席 11,000円 / A席 7,800円 / ⽴ち⾒ 4,000円
※別途ドリンク代600円(SS席を除く)














