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トップレポートNEO BURNING FIRES、SIS、光風トリオという盟友たちが一堂に集結したホワイトルーザー主催『赤い線を越えて』に通底する魂を揺さぶる音の渦と渾身のパフォーマンス

NEO BURNING FIRES、SIS、光風トリオという盟友たちが一堂に集結したホワイトルーザー主催『赤い線を越えて』に通底する魂を揺さぶる音の渦と渾身のパフォーマンス

2024.12.16

 数字の1が並び縁起良さを感じる11月11日、下北沢SHELTERの幕が上がる頃には個人的にお馴染みの顔が集結し始める。近頃のSHELTERあるあるで外国人も見受けられるフロアで、ドリンク片手にスタートを待つ。
 

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 ほぼ時間通りに始まったこの日のトップバッターはSIS。少しディレイがかったアコースティックギターの音色とドラムのサウンドに乗り、湧き出るスモークと妖しく光る青の照明を受けながら「Blue Sunshine」。未発表のこの曲に加え新曲多めのセットリストで進みラストソングで「ケレモ」、時間にしてまだ20時を迎える前の月曜日の夜だが盛り上がりはもはや頂点に達したかのよう。叩く手の音に自然と上がる声、全てが良い雰囲気で、わたしの後ろの外国人も“Really Good!”と言っている。ライブ中、“消せない命がある、オマエらのことだ!”と言っていたのもなんだか嬉しかった。見た目に近寄り難い雰囲気があるのは否めないメンバーたちだが、ライブハウスという場所に来れば皆いっしょで、何かあろうものならSISが我々を守ってくれるような、そんな気さえする。
 

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  “バッチリ盛り上がって行こーぜ!”の声と共に、続いて登場したのはNEO BURNING FIRES。DJセット+ドラム&ベースのサウンドに来門が放つ言葉が軽やかにリズミカルに乗っていく。“いろいろあるけど、音楽に託して生きていこうと思います”と「I AM HERE」。縦横無尽にステージを動き回り飛び跳ねる脅威的な身体能力は歳を重ねても変わらず、来門はやっぱりステージで“喜怒哀楽を全部、音楽に込めて”マイクを持つ姿が似合う。“RUU、コーラス頼むぜ!”とドラマーと共に歌ったり、SMORGASでも共に活動した河辺真がベースでサウンドを支える。“仕事とかでフラストレーション溜まってると思うから、音楽で発散してく?”の投げかけ通りに我を忘れ(レポート用のメモも忘れ)て全6曲、全身で楽しませてもらった。
 

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 音に身を委ねられるかのように、少しゆったりと音が鳴り出したのは光風トリオGREEN MASSIVEとはまた違う編成で、メンバー各々が時に顔を見合わせながら音を放つ。3人のセッションを間近で見ているかのような贅沢にも思える時間を“50歳を超えた部活動です”と形容していたのも面白いし、実際にその年齢であるからこそ出せる音でもあろう。ライブを終え会場にいるメンバーたちを目の当たりにした時、ステージで見える姿の大きさに改めて驚いたことももう一つ、個人的には面白かった。“怒れ民衆 立ち上がれ”と歌い、“権力に対するクセ者であれ!”のメッセージに胸が熱くなったと思えば、ピースフルで笑顔が溢れて「舟」で最高潮。ラストに来門もマイクを持ってイン、意外に思えたが見事にハマったセッションで幕を下ろした。
 

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 トリを飾るのはこの日を主催した3人組・ホワイトルーザー。堂々とバンド名の入ったバックドロップを掲げ、ベース・柳沢がまず“今日はオマエらに、届けようと思って来た! ホワイトルーザーだ!”と宣言し、「虎とチンピラ」からスタート。何を届けるのか目的語は分からないが終わってみればなんだか届いていた気がしている。ホワイトルーザーはそんなバンドだしそこが良いのだ。この日の場所・SHELTERもある北沢が地元で育ってきたギター&ボーカル・金子と柳沢は6歳からの幼なじみ。不惑の歳に突入しても一緒にバンドで活動できている、しかもエモーショナルさが増しているのがちょっとうらやましい。歳を重ねるごとにホワイトルーザーの“エモさ”は増していくとライブを見るたびに思う。そんなライブを通してクールながら正確にリズムを打つドラム・片桐の存在がまた対照的に良い。“不器用でも良いんです、皆の人生が輝くように”と「暁のテレバスター」は柳沢もコーラスをとってハモリで聴かせる。“人生、楽しんでいこうぜ!”のメッセージを最後にステージを去る姿は新宿LOFT店長・通称“やなモン”としてではなく、いちバンドマンとしてカッコ良かった。
 

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 アンコールに応えもう1曲「さよならベイベー」を。“楽しいものは自分で見つけて、生きていくのが良いと思う”と発した言葉通り、ホワイトルーザーの面々およびこの日ステージに立ったバンドマンは生きていると感じたし、はっきりと言葉にはしていなくてもこの日のイベントはそんなテーマを漂わせていたのかな…と思ったりしたのだった。
 そのまま出演者たちはSHELTER内で打ち上げに突入したのだが、そこに2人の外国人がおり出演者の友達かと思いきやアメリカからの観光客であることが判明。彼らはこの日SHELTERで初めて触れた音のカッコ良さを解きながら、スマートフォンでサブスクリプションの画面を表示し、“アーティスト名を教えてくれ”と懇願する。最後はアーティストも入って記念撮影、それがなんともまた良き光景だしライブハウスってやっぱり良いなぁと思うのだった。“楽しいものは自分で見つけて生きていこう”…素晴らしいメッセージ通りに過ぎていった日だったなと、しみじみ感じている。
 

【Text:高橋ちえ(@djchie)/ Photo:MAYUMI(@SOxWHAT_88)、ニイミココロ(@ni_____mi)|2024年11月11日(月)下北沢SHELTERホワイトルーザー自主企画『赤い線を越えて』】

Live Info.

やなモン生誕祭 四十六の春だから

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2025年3月6日(木)新宿LOFT
開場16:30 / 開演17:00
前売 入場無料(2DRINK別)/ 当日¥1,800(2DRINK別)
 
《出演》
THE NEATBEATS
G.D.FLICKERS
JOHNNY PANDORA
ゲンドウミサイル
ホワイトルーザー
たつ子りん(イギリス人)
中尾諭介(In the Soup)
ゆらぴこ
激!アツシ
TOROi
THE TIME TRAVELERS
むぎ(猫)
4-STiCKS
 
《司会》
柳沼“SMILEY yagi”宏孝(カラオケ熱唱あり)
 
《昭和生まれの酒好き達の店》
店主 SHON・副店主 庄司・従業員 やなモン。・従業員 マンモス西
 
チケットはLivePocketとLOFT HP予約で受付中
▼LivePocket チケット発売(¥1,200のドリンク代を先に購入していただきます)
▼LOFT HP予約(¥1,200のドリンク代は当日、受付でお支払いください)
 
入場順
① LivePocket整理番号順
② LOFT手売りチケット
③ LOFT HP予約整理番号順 
④ バンド予約
⑤ 当日券
 
問い合わせ:新宿LOFT 03-5272-0382
 

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