5月18日、 access ELECTRIC NIGHT 2019が東京・新木場にあるSTUDIO COASTで行われた。 恒例となっている、 この春ツアーは、 浅倉大介と貴水博之によるエレクトロニック・セッション。 奔放という言葉がこれほど似合うライブは他にない。
音楽は、 ステージ上にミュージシャンが増えれば増えるほど、 制約も増える。 しかし、 ELECTRIC NIGHTは、 浅倉と貴水の二人だけ。 そのため、 彼らは最大限の音楽的自由を謳歌できる。 ステージ上の浅倉がリアルタイムで楽曲をリミックスすると、 貴水がボーカルやパフォーマンスで応える。 その貴水に刺激された浅倉が次の一手を施す。 だから、 同じ楽曲でも、 その日の二人の波長や観客のリアクションにより、 まったく違う表情になるのも、 ELECTRIC NIGHTの真髄だ。
オープニングの「Only the love survive」からして大改造バージョン。 また、 原形をとどめていない「EDGE」に至っては、 もはや別曲、 もはや新曲。 こうした奔放なリメイクかつ自在なリミックスで観客を圧倒したところで、 ポップな「Tragedy」。 この落差に観客はヤラれる。 貴水のボーカルのキラキラ度が5割増しに聴こえ、 キュンキュンしただろう。
他にも、 ユニット結成のきっかけとなった「COSMIC RUNAWAY」もあれば、 「令和になってから作り始めた」(浅倉)と言う、 まだ歌詞もなければ、 アレンジも固まっていないし、 仮タイトルすらもない新曲も披露。 この新旧の渾然一体も、 ELECTRIC NIGHTの醍醐味。 自由だ。
本編中、 MCは一ヵ所。 つまり、 ほぼノンストップ。 このつなぎも実に心地いい。 スムーズだけではなく、 ドラマチックであったり、 予想を裏切ってくれたりする。 唯一リアルタイムで変更しないのがセットリスト。 それだけに曲順や曲つなぎに関しては、 きっと想像をはるかに超える緻密さで組み立てられているのではないだろうか。 あるときは1つのグルーヴで2曲を続けたり、 あるときはカット・アウトで一瞬の空白をはさんだり、 またあるときは次の楽曲とのキーの調和をはかったりと、 大きな組曲を構成するかのように、 あるいは長編のシナリオを書くように、 慎重に組み立てられているように思えた。 それを可能にしているのが、 浅倉の音楽的才能と15年以上も続けているクラブイベントでのDJプレイだ。
浅倉の両極端(マニアックとポップ)な音楽的志向、 貴水の抜群な音楽的反射神経により成り立っているELECTRIC NIGHT。 リアルタイム・リミックス・ショー。 音楽的自由を謳歌したいなら、 異次元ライブに足を踏み込みたいなら、 これ以外にない。
秋にはこの春ツアーとは対となるバンド編成によるホールツアーの開催も発表された。 また6月26日には2002年に行われた2つのLIVE映像を収録するアーカイブBOXの発売も予定され、 2019年は新旧合わせて一つのスタイルに留まらないaccessのLIVEが堪能出来る年になりそうだ。
Live Info.
access ELECTRIC NIGHT 2019
05月26日(日)北海道 札幌PENNY LANE24
access TOUR 2019 AUTUMN
10月13日(日)神奈川県 厚木市文化会館
10月27日(日)東京都 中野サンプラザ
11月23日(土・祝)千葉県 舞浜アンフィシアター
12月01日(日)愛知県 一宮市民会館
12月14日(土)大阪府 コスモスシアター