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トップレポート【ライブレポート】対バンツアー「RADWIMPSの胎盤」第七夜。クリープハイプとのガチンコ。揺れる揺れる、会場が揺れる。

【ライブレポート】対バンツアー「RADWIMPSの胎盤」第七夜。クリープハイプとのガチンコ。揺れる揺れる、会場が揺れる。

2015.11.20

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RADWIMPS対バンツアー、7夜目はZepp Fukuokaにて、クリープハイプを迎えて行われた。開演前から、紅潮した顔のお客さんが多く、会場にはうわずったような、火薬がチリチリするような空気が流れていた。
 
 
 会場が暗くなり、クリープハイプが登場すると大歓声が起こる。
 
 1曲目の「イノチミジカシコイセヨオトメ」が始まり、会場が揺れる。RADWIMPSのタオルを首にかけたファンも、ガンガン飛び跳ねていて、尋常ではなく床が揺れる。「手と手」「愛の標識」と演奏したあと、
 
「普段いろんなバンドと対バンしていて、負けたくないって気持ちもどこかであって、いつもは相手のことは言わないのだけど、今日は嬉しいので言います。呼んでくれてありがとうございます」
 
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 そしてまた、会場が揺れる。
 
 ライブの中盤で披露された「オレンジ」。
 
「オレンジの光の先へ / その先へ」と観客が強く手を伸ばしている。手を伸ばしたら、クリープハイプの先にあるものに触れるかのように。
 
 ステージでのオレンジの光は一転青になり、「憂、燦々」が始まる。
 
 アップテンポの曲では、観客が縦に飛び跳ねるので床が揺れるのだが、このようなミディアムの曲では、1階アリーナの観客が前後左右にぐらんぐらんと揺れ続けている。
 
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 みんなが一歩でも前で、尾崎の歌を聴こうとしている。真ん中に向かって全員が押し続けた結果、地震でプレートが跳ねるように、左右のどこかにチカラが分散して人波が崩れていく。研ぎ澄まされた緊張感のある演奏は、観客にそんな反応をさせていた。
 
 「RADWIMPSは、ずっと付き合ってて最近結婚したらしい彼女と、4枚目のアルバムをずっと聴いてました。残りの曲も、一生懸命やります」
 
 と、後半戦の「ウワノソラ」から「HE IS MINE」までの展開は、バンドが別な次元に入ったかのようなドライブ感に圧倒された。
 
 

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 RADWIMPSのライブは壮絶なまでにグルーブをし続け、ツインドラムは、風神雷神のような凄みが出ていた。
 
 「クリープハイプ、出てくれてありがとう。あの曲が生で聴けてホントに嬉しかったです」と、野田のコメントが会場を沸かした。
 
「憂、燦々」を聴いて、「なんだ、この曲は!」と思ったそうだ。
 
 「デビュー10周年と言うことで、ツアーをやっています。こんなに長くやるとは思ってもいなかったけれど、昔から知っているとか、今日知ったとかは関係なくて、目の前にいるあなたのおかげで今もやれています。10周年と言っても、まだまだ3行目あたりのこの人生って思っています」
 
 「3行目あたりのこの人生」というコメントで、大きな歓声が起きる。
 
これは、11月25日発売の新曲「 ‘I’ Novel 」の一節だ。この歓声は、対バンツアーが始まった頃には、なかったリアクションだ。リスナーのカラダの中に歌詞が染みわたっているのが感じられた。
 
 RADWIMPSの歌はいつもこうやって、リスナーのカラダの中で育ち、その人だけの歌になる。
 
 
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 RADWIMPSとクリープハイプ。
 
 両者とも厳密に正確に、他者と1対1のコミュニケーションを追求し、それを表現してきた。
 
 その根幹にいる、野田洋次郎と、尾崎世界観。
 
 二人とも、とてつもなく誠実な人なんだと思った。
 
 自分が信じている相手に対して。それは、リスナーや目の前にいる観客に対してだ。
 
 二人は、自分が傷つこうが、何かを損なわれようが、そんなことはいとわずに、誠実に向き合おうとする。
 
 もっと楽で効率の良い方法も知っているし、それも出来るのだけれど、そうしようとしない。愚直なまでに、自分を届けることに日々の全てを使う。
 
 何故、二人がそうなったのかと、考えながらライブを観ていた。
 
 たぶん、彼らのありのままを、一滴でも多く吸収したくて、日々を使うファンがいるからだと思う。
 
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 RADWIMPSの対バンツアーに出たあと、きのこ帝国の佐藤は、こう語っていた。
 
「RADWIMPSのお客さんは、暖かいですね。お客さんはバンドを映し出す鏡だと言うけれど、ホントなんですね。RADWIMPSのメンバーもお客さんも暖かくて、たくさん救ってもらいました」
 
 
 
 ハナレグミのライブでは、アンコールで登場した永積が、
 
「素晴らしいオーディエンスだよね。一緒に音楽を作ってんだなって、感動しました」と言っていた。
 
 
 
 RADWIMPSと観客は、10年かけてそういう関係性を作ってきた。
 
 それが手紙のように「 ‘I’ Novel 」の歌詞に編み込まれている。(PHOTO:植本一子)

商品情報

「記号として / ‘I’ Novel」

2015.11.25 in stores.
UPCH-80415 ¥1,200+tax
全3曲収録
封入特典:「記号として / ‘I’ Novel 」スペシャルサイトアクセス用シリアルナンバー

amazon

Live Info.

10th ANNIVERSARY LIVE TOUR RADWIMPSの胎盤
11月  4日(水)       Zepp Tokyo    Guest Act : 米津玄師
11月  5日(木)       Zepp Tokyo    Guest Act : きのこ帝国
11月  9日(月)       Zepp Namba    Guest Act : plenty
11月10日(火)       Zepp Namba    Guest Act : LOVE PSYCHEDELICO
11月12日(木)       Zepp Sapporo  Guest Act : ゲスの極み乙女。
11月16日(月)       Zepp Nagoya   Guest Act : ハナレグミ
11月18日(水)       Zepp Fukuoka  Guest Act : クリープハイプ
11月23日(月祝)    横浜アリーナ     Guest Act : Spitz
11月24日(火)       横浜アリーナ     Guest Act : いきものがかり
11月25日(水)       横浜アリーナ     Guest Act : ONE OK ROCK
11月28日(土)       Zepp Tokyo    Guest Act : Mr.Children
 
全公演18時開場/19時開演
※11月28日(土) 追加公演チケット詳細
 
前売 ¥6,900 ( ドリンク代別途要 ) 
・1F スタンディング ( 入場整理番号付 )
・2F 指定席 
・2F スタンディング ( 入場整理番号付 )
枚数制限:お1人様2枚まで(未就学児童の入場不可)
 
■チケット一般抽選販売 
11/12( 木 )12:00~11/17( 火 )23:59 までエントリー受付
 
■チケット一般発売 
11/27( 金 )20:00 よりイープラスにて発売開始 ( 先着 )
・web 受付 http://eplus.jp/rad10th-1128/  ※クレジット決済のみ
・店頭販売 FamilyMart「Fami ポート」
 
10th ANNIVERSARY LIVE TOUR FINAL RADWIMPSのはじまりはじまり
※ワンマンライブです
日程 12月23日(水・祝)      
会場 幕張メッセ国際展示場
開場/開演時間 16:30 / 18:00
料金/席種 前売 ¥7,900 / スタンディング ※お1人様4枚まで(未就学児童の入場不可)
■チケット一般抽選販売 
11/12( 木 )12:00~11/27( 金 )12:00 までエントリー受付
■チケット一般発売 
12/5( 土 )10:00 より発売開始 ( 先着 ) 発売詳細は後日ご案内します。

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