すっかり大所帯になったT-Palette Records。初の全グループ集合でした。
12月9日(日)、品川ステラボールにて開催された『T-Palette Records 感謝祭2012』を拝見してきました。深く考えずに会場に着いてみたら広い広い。考えてみれば2010年度TIFの最大ステージです。それがいまはT- Palette所属アイドルだけで埋まるんだなあと感慨深くなりました。
ライムベリー
左からHIME(mic2)、MIRI(mic1)、YUKA(mic3)。うしろのブースにDJ HIKARUがいます。
トップバッターは10月末に移籍を発表したばかりのライムベリー。伝説のアンダーグラウンド萌え系ラップユニットMOE-K-MCZのカバーからスタートしたusa☆usa少女倶楽部内のラップユニットで、いままさに日に日に知名度と実力を増しているグループです。もしかしたらいままでで最大のステージだったかもしれませんが、ここ数か月様々なステージを経験した4人はお客さんの熱量に少しも怯むことなくアグレッシブなステージをみせてくれました。MC3人とも1フレーズも外してこずに最近観た中でも特にライムが冴え渡っていた気がします。特に元々お茶目で小悪魔的なHIMEちゃんの釣り師っぷりは完全にやばい領域に達していました。
セットリストはそれぞれのダンスソロもあり自己紹介曲的な「RHYMEBERRY IZ NO.1」から始まり、90年代ヒップホップからの引用満載の代表曲にチルなポエトリー曲「Ich liebe dich」(イッヒリーベディッヒ)、君の瞳に恋してるのメロディで大団円を迎える「MAGIC PARTY」で終わるという模範解答的なベスト盤セットで、理想的なTパレ初ステージになったと思います。来年のさらなる飛躍に期待が高まります。
1.RHYMEBERRY IZ NO.1
<MC>
2.SUPERMCZTOKYO
3.Ich liebe dich(3MC MIX)
<MC>
4.HEY!BROTHER
5.まず太鼓
6.MAGIC PARTY
MIRIちゃんのリアルな「クラスの女子」「やんちゃな妹」感は至宝。
アップアップガールズ(仮)
タオルがよく似合うアッパー系です。紫:佐藤綾乃、赤:仙石みなみ、オレンジ:関根梓。
二番手は9月に移籍を発表したアップアップガールズ(仮)。夏以来の拝見でしたが、最近2シングルの4曲にアンセムの「アッパーカット!」を披露してくれて、いまのアプガをばっちり感じることができました。全曲いわゆるフロア対応、それもまるでWIREみたいな大掛かりなダンスミュージックで、振り付けもK-POPの影響を受ける竹中夏海先生。竹中先生のEDM路線というと女性的でしとやかなイメージのprediaが浮かびますが、アプガは真っ向、力技。それはハロプロエッグでしっかりダンスの基礎を鍛えたアプガメンバーだから成せることなのだと思います。隊列の回転などのダイナミックなフォーメーション、体力で押しきる激しい振り付けのほか、「サバイバルガールズ」では逆回転していた時計の針が正しく回り始めるといったストーリー付きの振りも魅せてくれました。
メンバーでは負けん気の強い古川小夏(ピンク)はどの瞬間も存在全体で曲を体現しているし、根が上品な佐保明梨(黄)の激しい頭の振りかたもぐっと来るものがあるし、正直エッグ1できない子だった新井愛瞳(青)はこの中に入ってついていっているだけで泣けるものがあり、様々な味わいがあるなと思いました。来年の活躍もたのしみにしています。
1.イチバンガールズ!
<MC>
2.チョッパー☆チョッパー
3.サバイバルガールズ
<MC>
4.UPPER ROCK
5.アッパーカット!
高身長でスタイル抜群、勉強も得意そうな森咲樹(緑)も注目株。
lyrical school
センターのピンク担当がmei。右の緑担当が1月卒業するmariko。眼に焼き付けました。
後輩に中学生のラップユニットが加わり、さてどうみえるかなとドキドキしましたが、オープニングのSEがいきなり蝉の声とチンピラ風の男のショートドラマ。これまで観ていたものと世界観をくっきり区切ってくれました。そして「そりゃ夏だ!」のイントロ「(夏は)あ・あ・あ・あ・あ・あ」の音と共にポーズを取るメンバー。センターのmeiちゃんの足が必ずいつも開きすぎなんだ(笑)。この時点でこの日も完璧でした。
新曲「リボンをきゅっと」は初めて拝見しましたが、ハンドクラップと歌メロディを用いたパーティの曲で小芝居のような振り付けもあり、ステージのクリスマスツリーとプレゼントのセットにぴったりでした。さらに「プチャヘンザ!」、「おいでよ」などのパーティアンセムが続き、やはりリリスクのキーワードはパーティだなと思い至りました。ライムベリーがわかるにはまだ何年かかかる、リアルな若者のパーティ。それは作家トーフビーツの個性やリリスク制作陣の背景から滲み出るもので、それがしっかりあるからリリスクはどういう環境に置かれても安泰だと思いました。meiちゃんの天才っぷりもどんな場所でも健在だしね(笑)。
1.そりゃ夏だ!
2.tengal6
<MC>
3.リボンをきゅっと
4.photograph
5.プチャヘンザ!
6.おいでよ
オレンジ:ami、青:ayaka、グレー:yumi、紫:erika。グレーがあるのもリリスクらしさ。
しず風&絆~KIZUNA~
左から晴子、澪、立花風香、美空、真野しずく、美海。美空ちゃんは風香ちゃんのお姉さん。
ここまで大まかに全部クラブミュージックだったのですが、ここでオールドスクールなロックを持ち味としている名古屋のしず風&絆~KIZUNA~が登場。絆によるブラック・アイド・ピーズ「Pump It」での空手ダンスパフォーマンスからスタートしました。2年前の品川でのTIFでもそのパフォーマンスをしたということで、TIFの思い出も話してくれたのですが、わたしも2年前のTIFと同じ位置で観覧していたのでちょうどそのことを思い出していて、登場するアイドルすべてが2年前より凄いので本当に圧倒されていました。しず風&絆もしかりで特に絆の美空ちゃん晴子ちゃんは本当にかっこよくなってほれぼれしました。
曲は最新シングルの3曲と、「キスしてほしい(THE BLUE HEARTS)」「GET THE GLORY(LAUGHIN' NOSE)」などの邦楽ロックの名曲を織り込んだIロックメドレーをやってくれました。この日バンドのみなさんはいませんでしたが、トラックはこの日のために録音したという生なバンドサウンドで、司会の豪さん・社長までヘドバンに巻き込み、最終的にメンバー全員がフロアに降りて会場の隅々まで熱気に包まれたライブになりました。
1.Pump It
2.チェッカーフラッグをとめろ
<MC>
3.パンチドランカー
4.カプセルカプセル
<MC>
5.Iロックメドレー
一番フロアに降りていた晴ちゃん。見せスコートが純白でドキドキしました(笑)。
LinQ
1月新譜の「CHIKU-TAKU」(LinQ Qty)。時計のプリントワンピースがかわいすぎる!
休憩を挟んでから、LinQは選抜15名でのステージでした。最近福岡組のことが多かった桜愛美ちゃん、深瀬智聖さんは久し振りに拝見した気がします。最初のMCでマイクリレーしつつの自己紹介が済むとステージ上にはLadyの個性的な面々が残り、そのひとりひとり全員の頼もしく魅力的なさまには本当にうれしくなりました。奥村ゆん様のいないLinQ、また上原あさみさんの卒業が告知されてからのLinQは初めてでしたが、それを不安なく補えるくらい松村くるみさんや原直子さんの存在感が増していたように思います。原さんは元より情緒的で表現力豊かでしたがこの日は活き活きした表情が大会場のうしろまでヴィヴィッドに届いてきました。リーダー昇格もあるかな?
MC明け、Ladyの新曲「さよならマーメイド」、1月発売新譜の「CHIKU-TAKU」「ゴーイング マイ ウェイ!」を聴くことができました。「CHIKU-TAKU」は曲も衣装もかわいいLinQらしい四つ打ち!みんな大好きな感じですね。最後はタオル回しレゲエ曲の「祭りの夜」。「アホになりたくて」の猿ポーズの城崎はるなちゃんが印象に残っています。はるなんは「根暗」という自己紹介やめたんですね。大きいリボンもとっても似合っていました。
1.なう。
2.for you
<MC>
3.さよならマーメイド
4.CHIKU-TAKU
5.ゴーイング マイ ウェイ!
6.祭りの夜~君を好きになった日~
ゆうみん(右)が口に含んだ水を智聖さん(左)に吹きかけてその後のMCで一悶着。
Negicco
衣装はNao☆がフレアミニ、Kaedeがタイトな2段ティアード、Meguがかぼちゃキュロット。
Negiccoは最新シングルの2曲からスタート。カップリングの「トキメクMERMAID」を拝見できてうれしかったです。フルコーラスやってくれたのでコンポーザconnieさんの「告白記念日(メロン記念日)」つんく風ボイスや 「LOVE IS ENERGY!(EE JUMP)」ユウキ風ボイスがあの大きなステラボールに響き渡って古いヲタとしては感無量でした。3人のコーラスも「ストーリー」「会おうよ」の部分はハロプロキッズのデビュー曲「がんばっちゃえ!」風、長い「フ――!」は「サマーれげぇ!レインボー(7人祭)」風、「醒めないで夏~」などの切れ切れのフ レーズは「ダディドゥデドダディ!(モーニング娘。)」のアウトロ風の処理になっている(はず!!)過去と現在を繋ぐ古参ヲタ泣かせの名曲です(くどくどすみません笑)。
衣装は最新シングルのマーメイド風のものから緑と白のネギカラーのポップなものに変わっていて、それぞれにとても似合ってかわいかったです。改めてねぎちゃんたちは全員体が綺麗だなと思いました。それでダンスがとても映えるのだと思います。Tパレは基本connie推しですが、この日は「アノソラヘ」や「ねぎねぎRock」も聴けて良かったです。恒例ネギ投げはいつも観客の予想より遠くまで飛びますが、この日Kaedeが最後に投げたネギは飛びすぎて人のまばらな場所に落ちていました。さすが。ワンマンもたのしみです。
1.あなたとPop With You!
2.トキメクMERMAID
3.GET IT ON!
4.ねぎねぎRock ~私もお家に連れてって
<MC>
5.アノソラヘ
6.ニュートリノ・ラヴ
7.Party On the PLANET
8.圧倒的なスタイル
「Rの法則」で仲良くなった森咲樹ちゃんが一緒にラインダンスしてくれました。
バニラビーンズ
ミュージカル映画の姉妹のようなウォーキング(「サブカルガールまどか」)。
トリはTパレイベントの司会でもおなじみのバニラビーンズ。この日は豪さんと社長に紹介されて登場。「いつもは『ライブの休憩時間ですよ~』なんて言ってますけど、きょうは休憩させません!」と宣言し、代表曲「ニコラ」、最近シングル曲の「ノンセクション」「チョコミントフレーバータイム」を立て続けに披露しました。この日ステージにスクリーンはなくVJ映像もなかったのですが、ステラボールの照明が豪華で全く眼に退屈しませんでした。バニビのミニマムなコリオグラフィを改めて凝視していると、二人同じ動作でもセクシーに見える箇所がそれぞれ違って味わい深いなと思いました。フロアが一面バニビと同じポーズの海になっていたのも面白かったです。
MCを挟んで、最新アルバムから「サブカルガールまどか」。 サブカルガールはバニビ初?ハンドマイクの曲なのですが、お互いの肩に手を置いて歩くパートがあり、曲調や曲の内容と無関係に「ロシュフォールの恋人たち」のドヌーヴ姉妹みたいでぐっと来ます。バニビのヴィジュアルコンセプト的にはそちら路線もありだと思うのでぜひ今後掘り下げていってほしいと思います。続いてシチュエーションにぴったりの「東京は夜の7時」、最新アルバムリード曲の「キラーキュイーン」で盛り上げ、トリを飾りました。
1.ニコラ
<MC>
2.ノンセクション
3.チョコミントフレーバータイム
<MC>
4.サブカルガールまどか
5.東京は夜の7時
6.キラーキュイーン
「キラーキュイーン」はバニビ5年間の集大成といえる珠のような名曲です。
最後にレーベルメイト全員が集まってのプレゼント抽選会、「ジン ジン ジングルベル(森高千里)」歌唱、お見送りハイタッチ会があり、年末らしい、大満足の感謝祭となりました。「ジン ジン ジングルベル」はグダグダでしたがLinQのステップやリリスクmeiちゃんのアドリブが印象に残っています。ちなみに前日のワンマンでキャラメル☆リボンも披露していた曲です。最後の嶺脇社長の「いまはアイドルブームと言われていますが、ブームに関係なく続けていきたいと思っています」という言葉はファンへの何よりのクリスマスプレゼントになったと思います。これからも何卒よろしくお願いいたします。(越智灯子/ロフトプロジェクト)
おみやげはナカG先生によるステッカーでした。来年もTパレアイドルに幸あれ。