「劇団☆新感線」をはじめ舞台や映画、ドラマなどで幅広く活躍する衣装デザイナー“竹田団吾”の衣装作品展が、現在、新宿・紀伊国屋画廊にて開催されている(開期は2月7日まで)。最近では映画「GANTZ」の衣装デザインでも話題になった竹田だが、彼の活動30周年を記念して開催された同展では、これまで劇団☆新感線で上演された90本以上の演目からセレクトされた衣装の他、映画やTVで発表された代表作品をトルソーに纏わせて展示される。
会場に一歩足を踏み入れると、まずは膨大な衣装の数に驚く。一例をあげると、新感線作品からは「鋼鉄番長」「髑髏城の七人〜アカドクロ」「阿修羅城の瞳」「野獣郎見参」「SHIROH」などが、映画からは「GANTZ」「ASSAULT GIRLS」「タオの月」「仮面ライダーシリーズ劇場版」など、TVドラマからは「西遊記」などの衣装が所狭しとディスプレイされていて、ギャラリー鑑賞というよりはまるで舞台や映画の1シーンに迷い込んだかのような体験だ。さらに壁面にはカメラマン野波浩の写真が展示され、床には頭蓋骨など現場で使われたオブジェが無造作に転がっている。演劇や特撮映画など非日常的な世界が好きな人にとっては垂涎の空間だろう。
1961年生まれの竹田団吾は大阪芸術大学へ入学すると、'80年に同じ大阪芸大の“いのうえひでのり”らが旗揚げした劇団☆新感線に参加。当初は俳優の他に小道具、映像制作なども手がけていたが、'90年から衣裳デザインを開始した。
独学で会得したという竹田の衣装デザインは、布以外にもレザーやラバー、プラスチックから金属まであらゆる素材を自由自在に組み合わせた独特のもので、時代モノからファンタジー、サイバーパンクと様々な非現実的イメージをリアルに具現化している。それらは、漫画/特撮/ロックといった世界観を舞台で表現する劇団☆新感線にとって欠かすことのできない要素であった。新感線主宰のいのうえはそんな竹田を「オタク系コスチューム・デザイナー第一人者」と評している。
また竹田の制作方法も独自のもので、新感線の写真を撮り続けているカメラマン野波浩はその過程を「最初から出来上がったイメージを追いかけるのではなく、その場で次々見えてくるあたらしいイメージをとらえる」と説明する。作りながらデザインしていくという竹田の手法は、舞台や映画の撮影現場など「ライブ感」を大切にする分野では特に本領を発揮するのだろう。今回展示された衣装を見ていると、その衣装をまとった役者が活躍した舞台や映画の実際の息づかいがありありと感じられるはずだ。
入場は無料なので、一度ならず何度でも訪れることをオススメしたい。
「竹田団吾衣裳作品展 2011」
〜衣裳デザイナー竹田団吾の仕事。その30年の軌跡と未来〜
2011年1月22日(土)〜2月7日(月)
会場/紀伊國屋画廊(紀伊國屋書店 新宿本店4F)
時間/10:00〜18:30(最終日は17:30まで)
入場無料
企画・制作/有限会社デコスケ info@dangoten.com
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