今年、結成10周年を迎えた横浜のロックバンド・レイラが、10年目にして初のフルアルバム『いまを生きる』をリリースした(CDは8月12日発売)。今までレイラの記事を書くときには「オルタナティブロックバンド」と表記していたが、もうそれではあまりにも限定的で、なんだかもったいない気がする。今作は、オルタナティブロック、ギターロック、ヒップホップ、シティーポップ、アンビエントなど曲調の幅がぐっと広がり、実験的かつポップで、もはやなにをやっても「レイラ」になるということが証明されためちゃくちゃかっこいいアルバムだ。レイラといえばこう、昔のレイラはこうだった、未来のレイラはこうなってほしい...いろんな人の悪気のない想いが交錯する中、振り切るように突き抜けた自由なサウンド。それは、この10年間、2人が自分自身としっかり向き合ってきたからこそ切り拓けた新たな道なんだと思う。メンバー脱退、有明(Vo/Gt)の心身の不調、マネージメント体制の変化などを乗り越え、10年間一度も止まらずに走り続けて完成した1stアルバムのジャンルは、「レイラ」。ありきたりな言い方かもしれないけど、それが一番合っている気がする。(Interview:小野妙子)
これを受け入れてもらえるんだろうか?
写真 稲垣ルリコ
──10周年を迎えていかがですか?
みうらたいき(Gt):なってしまえば「こんな感じか」って。去年からいろいろ準備してたんで、「10周年に向けてやるぞやるぞ!」みたいのがわーっていって、10周年になった瞬間に、ふぁって(笑)。意外とそんなに変化ないなっていう感じです。
有明(Vo/Gt):あっという間だった。今までと特段変わったことはないけど、せっかく10周年なんで誕生日みたいな感じでいっぱいお祝いしてもらいたいし、自分たちも盛り上げていきたいなとは思ってます。
──とはいえ、最初はメンバー4人だったじゃないですか。それは大きな変化だったと思うのですが。
有明:2人が抜けたときはすごい大変だったんですけど、でも、解散っていう思想に一度もならなくて。「どうやって続けていこうか」って毎回辞めるたびに思ってたから。そのままいろんなことを手探りでやりながら気付いたら今になってた、みたいな感じですね。
みうら:気付いたら2人になってからの期間の方が長いんですよね。今来てくれてるお客さんも、僕らがMCとかでたまに話すから知ってるけど、どんな人が叩いてベース弾いてたかも分かんない人ばっかりで。結構大きい出来事として捉えていたんですけど、今となってはそんなでもないのかなって思いますね。
写真 稲垣ルリコ
──結成10年目にして初のフルアルバムとなりますが、10年かかった理由は?
有明:財力もあるよね、シンプルに(笑)。
みうら:あと、曲を作るペース自体もそんなに早い方じゃないんで。どっちかっていうとリリースを決めて、そこに目がけて必要な分だけの曲をなんとか間に合わせる、みたいな感じなので大きいボリュームのものを作れる体力がなかったし、財力もなかったっていう感じですね。
──アルバムの構想はなんとなくあったんですか?
有明:もともとはベスト盤出そうって言われてたんですけど、すごい嫌だったんで、全新曲で行きたいなと思ってわがまま通させてもらって、全新曲でアルバム作る感じになりました。
1st Full Album『いまを⽣きる』
──そうだったんですね。具体的にアルバムを作り出したのはいつからですか?
みうら:去年の11月ぐらいです。ベスト盤を出すつもりで半年ぐらい活動してたんですけど、そのタイミングで有明から「やっぱり全新曲で出したい」って言われて。絶対に間に合わないと思ったんですけど、意外となんとかなったっていう。曲のタネみたいなのは何個かポンポンできてたんですけど、そこから曲になるまでに結構時間がかかって。制作自体が軌道に乗ったのが今年の1月末ぐらいからですね。2月に曲の中身は全部仕上げて、録音する作業を3月から始めていった、っていう感じでしたね。
──去年、『Summer days』の取材のときにみうらさんが、「一皮むけた」とおっしゃっていました。「音楽に対する向き合い方が変わったことで、ジャンルやバンドサウンドにとらわれなくなくなった」とおっしゃっていたように、曲調の幅が広がってレイラの転機点となった作品でした。今回のアルバムはさらにいろんな曲調で、もはやオルタナ、ギターロックという言葉では括れない、「レイラ」というジャンルを確立しためちゃくちゃカッコイイ作品だなと思いました。アルバムが完成していかがですか?
有明:満足のいくアルバムができました。一番、最高傑作ができたなって思ってます。
みうら:作ってるときはかなりチャレンジをしたなと思って。「これを受け入れてもらえるんだろうか?」みたいな不安が結構ありました。今、アルバムのコメントを周りのバンドマンにお願いしているんですけど、みんな「新しいけどレイラっぽい」って言ってくれるんで、自分たちでは認識できてないけど「何か」があるんだなって。そういうのが10年かけてできたものなんだなって思いましたね。
写真 稲垣ルリコ
──レイラがオルタナなのか、ギターロックなのか、SNSで論争が巻き起こった件がありましたが、こんなすごいの控えてるんだけど! みたいな気持ちもありました?
有明:ありましたね。
みうら:でも、その件とは関係なしにアルバムを作った瞬間に、「これが控えてるのに!」みたいなのは結構思ってて。その話したよね2人で。アルバムができてから考え方とか見方みたいなものも結構変わっちゃったりして、いい意味で。
有明:自信がついたよね。
みうら:うん。早く聴いてほしいなって思いました。
















