新宿LOFTで開催されている『DREAM MATCH』、これまで多くの"名勝負"が生まれてきたツーマンシリーズが6月25日(木)に開催となる。今春から新宿LOFT50周年のアニバーサリーイベントが連日開催されている中、LOFT50周年に相応しいライブとも紹介されているこの日は堂島孝平とmeiyoによる"平成、令和のポップマエストロによる共演"。その日を前に両者による対談が実現、2014年に『DREAM MATCH』を立ち上げ現在まで続く同イベントを担当する新宿LOFT・樋口寛子がナビゲートした対談をお届けする。今年で活動30周年を迎える堂島は久しぶりに新宿LOFTに登場し、相対するmeiyoはコロナ禍中からコロナ禍以降の今に至るまで新宿LOFTと伴走するかの如くライブを繰り広げ数多の熱演を届けてきた。そんな2人の化学反応に期待が膨らみまくる対談を読んで、ポップシーンに歴史を刻み未来に繋がるであろうこの日を見逃すな!(Interview:高橋ちえ)
堂島さんにはジャンルにとらわれない“堂島さん節”がある(meiyo)
樋口:新宿LOFTが50周年を迎え、これまでご縁があった方たちにお声掛けをさせていただいてアニバーサリー企画をやっています。meiyoにはここ数年ライブを定期的にやってもらっている中で、堂島さんの音楽とお顔がすごくちらついてこの2人が一緒にやったら面白い夜になるんじゃないかなと思いました。堂島さんとはご無沙汰しておりましたけど、新宿LOFT50周年にもふさわしい内容で実現できて本当に感謝しています。このお話をさせて頂いた時、どう思われましたか?
堂島:僕はまず嬉しかったです。ロフトプラスワンでのイベント出演はあったのですが、ここ最近は新宿LOFTでライブはやってなかったから、樋口さんから久々にご連絡をいただけたこと、しかも男性でこういうポップスと言うと平たいですけど、そういう音楽作りをされている方と一緒にやれると聞いて。まだ関わったことのない、meiyoさんのような新しい人と一緒にやれるのはすごく嬉しいです。
meiyo:堂島さんのことはずっと前から知ってて、ポップスと言うかセンスの部分で何と言うんでしょう…僕の頑張り次第では堂島さんといつか一緒にやれるかな、みたいなことを思ってたところがあったので。このタイミングで一緒にやらせてもらえるのがメチャクチャ嬉しいなという気持ちです。堂島さんはご自身も活動されている中で色んなアーティストに楽曲提供していて眉村ちあき(とコラボレーション)とかでもお見かけしてましたし、石崎光さんがすごく好きで関わりもちょっとあるんですけど光さんから“(堂島と)近しいところがありそうだよね”みたいな話が出たり出なかったりもしてて、お話をしてみたいとずっと思ってはいました。
堂島:その2人の名前がまず出るのは強力だし(笑)、界隈でちょっと繋がりがあった感じなんですね。
meiyo:堂島さんって、磯貝サイモンさんとも近しいですか?
堂島:サイモン君とは最近なかなか会えていないけど、会えば喋る仲間です。彼も、サポートとか含めて色々と活動していますよね。
meiyo:サイモンさんや光さん界隈で橋口靖正さん(2016年逝去)がいらっしゃるんですけど、橋口さんのトリビュートバンドに自分が参加していたこともあってこの界隈でも堂島さんのお名前をお見かけしたりしていたんですよね。その時の自分は本当に橋口さんのファンなだけでmeiyoとしての活動が特にパッとしてたわけでもなくただ参加させてもらっている感じで、それから何年かしてようやく(meiyoとして)聴いてもらえる曲ができたという。
堂島:そうかそうか、そういう感じだったんですね。
meiyo:堂島さんってあまりジャンルにとらわれないと言うかルーツが分からないと言うか、色んなところから少しずつ影響を受けているのかどうかもちょっと分からないぐらいの“堂島さん節”みたいなものがすごくあって、本当にすごいなと思ってまして。
堂島:ありがとうございます。一つのことをやり続けられなかったが故に(一同笑)、でも音楽の範囲という意味では面白いことをいっぱい知ることが出来たなと思いながら。meiyoさんも楽曲提供をされてますけど、楽曲提供の部分では、自分は作家性の強いタイプだとは思うんです。シンガーソングライターとして見た時、meiyoさんみたいに面白がってくれる人はありがたくて、分かりづらいと思われるところもあるんですよね。
meiyo:自分も本当にそうなんですよ。提供するアーティストによって曲も全然違うし自分として出す曲もジャンルが本当にバラバラで、EDMみたいなのもやればピアノ弾き語りみたいなのもありますし。しかも僕はピアノは弾けないので弾いてもらって。何と言えばいいんでしょう、“昔のパワーポップに影響を受けている人がEDMをやってみたら”みたいな感じのことをやって、楽しんでくれている人(=リスナー)もいるんですけど、でもそれが本当に伝わってなさすぎるという感覚で(笑)。
堂島:昔は“堂島さんの音楽を聴いてます”なんて言われると“変わってますね”って平気で言ったりしてて(一同笑)、だから自分でも自覚はあるんだよね。流行っているものではないし、こんなアウトプットが好きだなんて言われると変わってるなと思っちゃうというか。そんな感覚はないですか?
meiyo:メチャクチャありますね(笑)。聴いてくれてる人は何を聴いてきたんだろう、みたいな。でも堂島さんって、やっぱりあまり聴いたことのないポップセンスですよね。
堂島:今となっては“変わってますね”なんて返すのも良くなかったなと反省してるところもあって、素直に“ありがとうございます”って言ってますけど、なぜ自分(の音楽)にたどり着いてるんだろう、みたいな方が勝っちゃって。だから分かります。meiyoさんの曲って大変にユーモアがあって、おもちゃ箱っぽいというか。子供の遊びという意味ではなくてトイっぽい、だから集めたくなるみたいな感じがすごくあって。そこが光くんのやっているバンド・cafelonと僕が仲良くなった理由でもあったりしますし。ちょっとヘンテコで、cafelonも普通のバンドじゃない。一言で言うと、ユーモアがあってニヤリと出来るような仕掛けのある音楽が僕も好きだし、meiyoさんの音楽にもそれを感じました。
meiyo:すごく嬉しいです。階段を降りていくスプリングみたいなおもちゃ(=スリンキー)ってあるじゃないですか、あれって本当に意味ないけどすごい宝物だったりして曲を作る時にそういう感覚をちょっと思ったりしてますね、だからトイとかおもちゃと言っていただくのは嬉しいです。
堂島:スプリングみたいなおもちゃの話でそういうことかなと思ったけど、今ってデジタル全盛でデスクトップミュージックも昔ほど時間がかからないし、AIも含めていい意味で色んな音楽を作り上げることも速い中で、meiyoさんの音楽はモダンだと思うけど、どこかアナログ感があると言うか、すごく温もり感がある。面白いバランスで、発露がちゃんとmeiyo流になってるなと思いました。
meiyo:あぁ、それは本当にメチャクチャ嬉しいです。
堂島:もし今バチバチに売れそうな作り方に乗っていこうと思ったら、多分だけど方法とかも分かってるんだろうなというところがある。でも、そこじゃない勝負とか誰もやっていないジャンケンをやってるみたいな感じで。気づいたらそっちの方が面白そう、って思われる球を投げ続けてる感じがすごく良いなと思ったし、言い方を変えるとすごく良心的。meiyoさんの音楽を聴いてそういうことを感じさせてもらえたのは、僕もすごく嬉しかったです。
meiyo:いや〜…今の言葉はもう宝です。
堂島:でも、ちょっとずらしてみようと思ってやっていると言うか、意識的にそういうところってあります?
meiyo:そんなに高尚な話ではなくてですね(笑)、単純に自分が好きだった音楽って紹介文に大体“ストレンジ”とか“ヘンテコ”、“ひねくれ”とかが付いてて、それを感じない音楽にあまりキュンと来ないというか。例えばこの曲からもう少し毒っ気を抜いたら世には響くんだろうな、みたいな感覚もそんなにはなくて。出来ればいっぱい聴いてほしいとは勿論思ってるんですけど、自分はやっぱり“変なところ”みたいなものを入れたくなっちゃう感じです。
堂島:“キテレツ”とかね(笑)。だからこそ、シンガーソングライターでもありますしね(頷くmeiyo)。全然そんなことはないんだけど、フォーマットがあるものって誰でもできるように思えちゃうんだよね。
meiyo:分かります、すごい分かります。
堂島:ビッグヒットを飛ばしてフォーマットを作った人はやっぱりすごいけど、自分のベストだと思うものが結果的にものすごく人に認知されたり愛されるような順番の方が素直に楽しいんだろうな、というのは僕も感覚としてはあるので。何となく、共通する感じは分かります。















