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INTERVIEW

トップインタビュー騒音寺×ザ50回転ズ - 結成20年を超えて響き合うロックンロールの教訓とアナログの質感

結成20年を超えて響き合うロックンロールの教訓とアナログの質感

2026.05.09

 真摯に日本語のロックンロールを追求し精力的なライブ活動を身上とする関西在住の2大バンド、ザ50回転ズと騒音寺。このたび、7インチのシングル・レコードにそれぞれの楽曲を片面に収めたスプリット盤でリリースする。どちらも2005年に録音したカバー曲であり、ザ50回転ズ「雨上がりの夜空に」(オリジナル:RCサクセション)、騒音寺「教訓Ⅰ」(オリジナル:加川良)を収録。このシングル・レコードは6月5日から始まる全国5カ所の合同ツアーから先行販売、全国流通は7月22日からを予定している。
 ツアーを前にして、ザ50回転ズからダニー、騒音寺からなべ、バンマスふたりの対談がビール片手におこなわれた。聞き手にはレーベルを主宰するサミー前田が参加。

50回転ズを初めて観て「すごいバンド見つけた!」と喜んだ

ザ50回転ズ写真.png

サミー:ベタなところで、お二人の最初の出会いは?

ダニー:大阪中百舌鳥のクラブ・マッシブってところで、騒音寺は『ロック大名行列』っていうイベントに出てて。で、そのイベントにドリーがビール差し入れ。楽屋でなべさんに渡したら、「うおー、ありがとう!」ということで受け取ってもらったのが我々のファーストコンタクト。

なべ:ライブで共演したのは2004年の、SAとか出てたときや。

ダニー:難波マザーホール! CLOVERSとか、インビシブルマンズデスベッド、SAで、僕らはまだ1st albumも録ってないぐらい。

なべ:一緒にやったのはそれが初や。で、見て強烈なインパクト。強烈やった。お客さんが少なかったんだけど、みんな楽しそうに踊りだしてさ。俺はしのやん(当時のマネージャー)に「すごいバンド見つけた!」って喜んでさ、クラブ・メトロのイベントに出てもらって。絶対売れると思ったな、50回転ズ。あのときは、もうデモCD-Rも出してる?

ダニー:CD-Rが2005年だったら出てますね。俺らは騒音寺知ってたどころか大好きやったから、「やった! 騒音寺や!」って。騒音寺はね、その当時は『狐か狸か』が出た直後で。大阪のタイムボムで『狐か狸か』を試聴して、2曲目から先に進めずに「かっこええー!」っていうので、「嘆きのブルドッグ」から騒音寺に入っていきましたね。

なべ:その頃のステージで印象的だったのは、ボギーが最後の曲でマイクを口で咥えながらドラム叩いてた。で、ドリーはヨダレ垂らしてるし、毎回必ず。このなんか気持ち悪いけどすごいバンドだなって。みんなに見て欲しかった、これはすごい。楽曲がしっかりしていて歌世界がちゃんと伝わる。そこは一番大事なところ。音出したら、メッセージも特にない騒ぎたいだけのバンドも多かったけど50回転ズは違った。よく作ってある。

ダニー:その後しばらく騒音寺と50回転ズはご無沙汰しましたよね。僕らも2006年以降、ワンマンツアーとかも始めて。

サミー:当時のマネージャーがメジャー志向だったからか急に共演が減ったよね(笑)。「雨あがりの夜空に」はかなり初期のライブからやってたという記憶なんですけど。

A SIDE-レコードジャケット.jpg

ダニー:「雨あがりの夜空に」はオムニバス『昭和元禄NOW!第一集』のために録ったんです。いつも出てたライブハウスで録って。

なべ:曲、意外だった。RCサクセションと忌野清志郎にルーツ持ってるって全く思わなかったから。もうちょいGS寄りの曲を50回転ズ流にアレンジする視点でぶち込むのかなと。

ダニー:ドリーは特にRC好きやったし。僕とボギーはどっぷりRCとか清志郎さんの世界にいたわけじゃなかったけど、「雨あがり」は大好きで。ちょっとパンキッシュにカバーしようぜっていう感じ。

昔のライブハウスは怖い場所、他のバンドは敵

SIDE 1-レコードジャケット.jpg

サミー:騒音寺の「教訓I」は、俺がライブで聴いて『昭和元禄NOW!第一集』に入れて欲しいとお願いしたのね。

なべ:「教訓I」は94年にリリースしたカセットテープに入れたんですよ。その前に俺ボーカルじゃなかったけど騒音寺の前身バンドがあって、ボーカルになってバンド名も騒音寺にしようって決めたのが94年。フォークソングをロックにアレンジするカバーをけっこうやっていた。他にはシバの「夜汽車にのって」だったり。

ダニー:なべさん最初に会ったとき「歌謡曲をロックでやってると思われたくない」って言ってましたもんね。だから本当のルーツはフォークなんや。

なべ:「歌謡ロック」ってあんまりいい表現じゃない。2002年に『Big Ship Comin'』がちょっと売れたとき、ショップのポップに「歌って笑って踊って泣ける」みたいに書かれて、それがものすごく嫌だった。俺、ハードエッジな感じで歌ってたから(笑)。村八分とかの潮流で、人懐っこいことやってるぞぐらいのニュアンスで捉えて欲しかった。J-POPコーナーにぶち込まれるし(笑)。

騒音寺写真2.JPG

サミー:昔、くるりが売れた頃、京都の音楽のブームみたいのあったじゃないですか。そのときにメジャーメーカーの人が京都に騒音寺というすごいバンドがいるという噂を聞いて、コンタクト取ってみようって。その人がなべさんのところに電話をしたら、なべさん「あ、興味ないんで、ガチャン」って即お断り(笑)。

なべ:はったりが大事だと思って(笑)。今よりは怖かったと思う、自分でも。ライブハウスの人と喧嘩したり、楽屋の壁に穴開けたり。みんなで楽しみましょうなんて雰囲気、まだなかった。

ダニー:ライブハウスは怖い場所でした。場所によっては楽屋もピリピリして。他のバンドは敵だみたいな時代。サミーさんはその頃は?

サミー:俺、2003年までサラリーマンやってて、10年間くらいソニーミュージックの社員だったり。でも、出自が山口冨士夫とかフールズのスタッフなんで(笑)、29歳のときに入社したんだけど、1年くらい経っても全然馴染めなくて、メジャーな世界は自分には合わないな、と思って辞めようと決めた矢先に、フラワーカンパニーズという新人が自分がいたレーベルからデビューすることになったわけですね。当時のフラカンはかなりアングラくさくて社内的にも「これどうやって売るの?」みたいな空気で。でも最初に彼らと会ったとき、URCレコードとかカルトGSとかの話で盛り上がって、そんなバンドの担当できる人間は社内に自分しかいないということになり、まあ会社辞めるのはもうちょっと先でいいかなと思ったのね。全体会議や営業所のプレゼンで「彼らは平成のRCサクセションと呼ばれてまして、年間100のライブをこなし…」って嘘八百並べて(笑)。そんなタイミングで、ウルフルズが注目されミッシェルがデビュー、共演して、サニーデイとかともつるんだり、フラカンもそういったバンドのシーンにうまく乗っかったかなと思って…。そのうちレーベルの上司が変わったら、いわゆる短冊CDシングルでタイアップをつけるような戦略で行くから、スピッツのような曲を書かせろ、みたいな指令があってモメにモメたりして結局担当を外されてしまった。その後も、いろいろやってたんだけどなんか、音楽に興味ない出世欲ばかりの人や、王様気取りのような部長とかが普通にいるわけですよ、所詮企業だから。そういうのに辟易しちゃって、もうフリーでやりたいと。しばらくはいくつかの会社の外部ディレクターとかライターとかイベンターとかDJとかやりながら、ボルテイジレコードを立ち上げたのは2004年。

このアーティストの関連記事

【A side】
ザ50回転ズ
『雨上がりの夜空に』

仕様:7インチ・シングル・レコード
レーベル:ボルテイジレコード
品番:BQGS-2005
発売日:2026年7月22日(水)
*6月のツアーから先行販売

注意:このレコードは「A面/B面」ではなく、「A side/SIDE-1」となっております。

【楽曲解説】
A side
アーティスト:ザ50回転ズ
タイトル:雨上がりの夜空に
▷オリジナルはRCサクセションが1980年にリリース。デビュー前のザ50回転ズの貴重な録音で、日本の代表的なロックンロール・ソングを若々しくストレートにカバー。結成して間もない黎明期のザ50回転ズのステージでは欠かせないレパートリーであった。

【SIDE-1】
騒音寺
『教訓1』

仕様:7インチ・シングル・レコード
レーベル:ボルテイジレコード
品番:BQGS-2005
発売日:2026年7月22日(水)
*6月のツアーから先行販売

注意:このレコードは「A面/B面」ではなく、「A side/SIDE-1」となっております。

【楽曲解説】
SIDE-1
アーティスト:騒音寺
タイトル:教訓1
▷オリジナルは加川良が1971年にリリース。世相を反映してか21世紀以降も多くの人がカバーしているメッセージ・フォークの名曲。パブロック風味のロックンロールにアレンジした騒音寺のバージョンは、ライブで共演した加川良本人も感心したというエピソードもある。

LIVE INFOライブ情報

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騒音寺×ザ50回転ズ ロックンロール大回転巡礼ツアー!~名古屋編~
日程:2026年6月5日(金)
開場/開演:18:30/19:00
チケット料金:前売4,500円(ドリンク代別途)/ 当日5,000円(ドリンク代別途)
イープラスで発売中
※整理番号あり
※小学生以上有料、未就学児童入場不可
 
騒音寺×ザ50回転ズ ロックンロール大回転巡礼ツアー!~高円寺編~
日程:2026年6月6日(土)
開場/開演:16:15/17:00
会場:高円寺HIGH
THANK YOU SOLD OUT!!
※整理番号あり
※小学生以上有料、未就学児童入場不可
 
騒音寺×ザ50回転ズ ロックンロール大回転巡礼ツアー!~京都編~
日程:2026年6月12日(金)
開場/開演:18:00/18:45
会場:京都磔磔
チケット料金:前売4,500円(ドリンク代別途)/ 当日5,000円(ドリンク代別途)
イープラスで発売中
※整理番号あり
※小学生以上有料、未就学児童入場不可
 
騒音寺×ザ50回転ズ ロックンロール大回転巡礼ツアー!~神戸編~
日程:2026年6月13日(土)
開場/開演:15:30/16:00
会場:神戸VARIT.
チケット料金:前売4,500円(ドリンク代別途)/ 当日5,000円(ドリンク代別途)
イープラスで発売中
※整理番号あり
※小学生以上有料、未就学児童入場不可
 
騒音寺×ザ50回転ズ ロックンロール大回転巡礼ツアー!~秋田編~
日程:2026年6月20日(土)
開場/開演:16:30/17:00
チケット料金:前売4,500円(ドリンク代別途)/ 当日5,000円(ドリンク代別途)
TIGETで予約受付中
※整理番号あり
※小学生以上有料、未就学児童入場不可
 
ロックンロール大回転巡礼ツアーアフターパーティー!
出演:騒音寺メンバー&ザ50回転ズメンバーによるDJ  ※楽器演奏無し
日程:2026年6月20日(土)
開場/開演:21:00 OPEN & START(22:40終演予定)
会場:秋田LOUD AFFECTION
チケット料金:前売3,300円(ドリンク代別途)/ 当日3,800円(ドリンク代別途)
TIGETで予約受付中
※18歳未満入場不可
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