50人聴いたら50人の教訓がある
ダニー:サミーさんの前歴含めボルテイジレコードと今作への布石として意味がある話だ。今回はレコード、アナログで。僕は今インターネットでいろいろ音楽聴いて、ええなと思ったらレコード買う。インターネットを視聴機みたいに使ってます。
なべ:ネットをスピーカーに繋いで聴くと、圧縮された音が嫌なんですよね。やっぱりオーディオのスピーカーでアナログ聴きたい。自分が出してる音に近い。
ダニー:アナログの、超ハイファイよりはやや上も下も軽く丸まってる感じ、いいですよね。50回転ズの「雨あがり~」もアナログ映えするんじゃないかなと。自分たちがファーストアルバム作る前の音源がレコードになるなんて、めちゃくちゃ大物みたいじゃないですか。「教訓I」もテイクは違えど超初期にやってたわけですもんね。
なべ:あれは2005年に京大で録ったな。西部講堂の横の小部屋で。レコードは物として持つのも好きだな。CDは出てきたとき「永遠です」って売られてたのに。
サミー:86年ぐらいにイギリスのある工場で製造されたCDが、10年くらい経ったら盤面がちょっとこうトロッと雫みたいに溶けてしまうという事件があったよね。
ダニー:さすがに今のCDは溶けたりしないですけど、アナログがいかに丈夫で長持ちかよくわかる。この間、高校生がCD見て「これって何ですか?」って言いましたよ。アナログ見た若い子が「これ大きい、何すかこれ」っていうのは以前からありましたが、いま逆ですね。アナログの良いとこにみんなが気づいて、ブームもひと段落して再び定着しましたかね。
サミー:あえて古い音源が7インチ・レコードになるということで、昔の自分たちの録音を嫌がる人もいるじゃないですか。お二人はあっさりとOKしてくれましたね。
ダニー:僕の場合は、いずれにしても世に出た音源で、逃げも隠れもできないというか。自分たちのやってきたことだから。それも含めてレコードにして愛してもらおうと。そういう思いでやってくれるなら、ああぜひお願いします、って感じでしたよ。
なべ:ミュージシャンとして未熟なところは目に付くけどね。でも、いま戦争あちこちで小競り合い続いてるじゃないですか。「教訓I」という曲を知らない人はまだまだいると思うんだけどさ。ちょっとした道標になってくれたらいいなと思うよ。50人聴いたら50人の教訓があるわけで。その50人は戦争嫌だなって思うわけでしょ。それってすごく大事なことだと思う。
サミー:今回のツアーって出順とかどうするんですか?
ダニー:僕たちが全箇所最初に出るようコーヘイ(騒音寺ベース)と話します(笑)。最初に出たら騒音寺をゆっくり見れるじゃないですか。自分たちの出番終えてリラックスして騒音寺を5カ所見たい。香盤は年功序列ですから(笑)。
なべ:なんで最初にやりたがんの。俺ら50回転ズの曲やって飛び入ってもらって。ゆっくり騒音寺を見れなくしてやる(笑)。
ダニー:サミーさんは昔からイベントして僕ら客も呼べんのにいっぱいギャラくれた。その恩もあるから。
サミー:イベントで10万渡したら、ありがとうございますっていきなりドゲザされたこと覚えてる(笑)。
ダニー:最初の頃はそれぐらい俺たちはお客さん呼べてなかったし、よくしてくれた。
サミー:内田裕也にインタビューしたとき、「俺はロックでお金儲けをしようと思わない、利益が出たらそれをロックのために使う」みたいなことを言ってて感心しましたよ。そこはかっこいい。
ダニー:そのイズムが継承されて。
なべ:空気を売ってるわけだからね。
ダニー:形の無いものを。
サミー:そろそろ締めということで。
ダニー:ライブで空気を楽しんだあとは、形あるレコードも買ってください(笑)。
なべ:(笑)

















