人力エレクトロロック THE DEAD PAN SPEAKERSがなんと17年ぶりにアルバム『Citizen's Lights』をリリースする。血の通った高温のクラフトワークとでも言いたくなるようなエナジーとクールさが絶妙なバランスとして存在し、そこに懐古趣味ではなくアップデートさせた80'sニューウェイヴの色が入り混じる。ちょうど本稿を書き上げようとした時に観てきた話題の映画の中でパンクに括られることで理想、本質から離れると考えたFRICTIONのRECK役の人物がこんなセリフを言った。「俺たちがやりたいのは、過激なメッセージやアジテーションじゃない。最高にイカしててカッコいい、ダンスバンドなんだ」。まさにDEAD PAN SPEAKERSの音がソレである。リーダーのShigenobu Matsuzawa(Guiter, Synth, Vocal)に話を訊いた。(Interview:恒遠聖文)
音楽はオタクと、遊ぶのは不良と一緒が楽しい
──今回の素晴らしい新作については後ほど伺うとして、DEAD PAN SPEAKERSの結成は何年目になるんですか?
松沢:そこが定かじゃないんだけど、1st(『The Dead Pan Speakers』Diwphalanx Records)作ったのが2006年だから……一応、20年?
▲2006年2月リリースのファーストアルバム『THE DEAD PAN SPEAKERS』
──BATTLE OF NINJAMANZとは並行してやってたんですよね?(松沢はドラムを担当)
松沢:そうね。ただ今のDEAD PAN SPEAKERSとは違う形でなんとなくやってた感じだったんだけど、それがちゃんとした形になったのは1st出してからかな。
──松沢さんってずっと謎の存在で、BATTLE OF NINJAMANZではドレッドでサイコビリーやってたし、いつか音楽的な背景を聞いてみたかったんですよ。昔、D.A.Fの来日のライブで会いましたよね。
松沢:あったねー。
──あとはレコード屋で会ったらニューウェーヴのコーナー見てたりとか、もともとはどういう嗜好なんですか? 例えばパンクとかは通ってるんでしょうか。
松沢:聴いてたよ。細かいところまではいってないけど。
──ロカビリーとかサイコビリーは?
松沢:もちろんもちろん。好きだよ。それも細かいとこまで知ってるわけじゃないけど、学生の頃から好きで聴いてたね。
──ではNINJAMANZは友達だからやってたわけじゃなかったってことですね(笑)。
松沢:うん(笑)。自分でもサイコビリーのレコード買ってたし。
──NINJAMANZでの松沢さんしか知らない人は、DEAD PAN SPEAKERSのライブ観てビックリするんじゃないですかね。
松沢:そうかもね(笑)。なんか音楽作るのはオタクとやってたほうが面白くて、遊ぶのは不良とのほうが楽しいみたいなとこあるかな。
──なるほど。時を経て(柳家)睦さんはRAT BONESで、一方、松沢さんはDEAD PAN SPEAKERSでっていう……自分のやりたいことをお互い突き詰めていった結果がそれぞれすぎてちょっと面白いです(笑)。
松沢:RAT BONESはすごいデカいところでやってるよね。フェスとかもでたり。よく告知が流れてくるけど。
──凄い勢いですね。ところでバンドは高校ぐらいからやってるんですか。
松沢:正確には中学くらいからやってて、ドラムでニューウェーヴっぽい感じ。まぁYMOのコピーとか。
──YMO世代ですもんね。
松沢:そっからKRAFTWERKを聴いたりとか、D.A.Fもそうだね。
──そういえば今回、砂原良徳さんが推薦文を書いててびっくりしたんですが、同級生なんですね。
松沢:そうそう。中学生の時から一緒にバンドやってて。たくさんレコード借りたしシンセとかドラムマシーン貸してもらったりもしたね。卒業してもずっと連絡は取ってて、どのエフェクターがいいとかいろいろ教えてもらったり。そういうのなかったらもっと遠回りしてたかもしれない。今、(砂原は)TESTSETってのやってて、あの雰囲気もいいよね。METAFIVEの延長で。
──一緒にYMO聴いてた同級生が後に高橋幸宏さん本人と一緒にやってるって凄い話ですね。
松沢:ふと見るとね(笑)。でも、突然そうなったんじゃなくて電気グルーヴに入ったりとか徐々に有名になってってるから。まぁよくよく考えると凄いなーと思うけど。
──松沢さんのフェイバリットアーティストはなんになるんですか?
松沢:やっぱKRAFTWERKかなぁ。
──KRAFTWERKはどの辺が好きなんですか?
松沢:『Electric Café / Techno Pop』(1986年)。あのディレイの使い方とか大好き。YMOも80年代初期のやつだね。あとは友達の兄貴の部屋にあったレコードを聴いてて……あ! STRAY CATSも(笑)。最近またやってるよね? 動画観てたらめちゃくちゃカッコイイのがあって。
──あれもまた音数少ないドラムでミニマムな。
松沢:そこは無理やりこっちに持ってかなくていいよ(笑)。普通に好きだから。
──こじつけが過ぎました(笑)。話を戻すと、ニューウェーヴやテクノポップはやはり「流行」であって、ずーーっと聴き続けてたわけではないですよね?
松沢:そうね。その時はそうだよね。KRAFTWERKも新しいのが出たら一応は聴いたり追ってたけど、やっぱりサイコビリーとかオルタナとかその時代その時代に出てきた音楽を聴いてて。そしたらテクノもシンプルになってまた出てきたり。
















