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トップインタビューTHE DEAD PAN SPEAKERS - ニューウェイヴ、ファンク、ロックの黄金比を成立させた、エレクトロ・ロックのひとつの到達点と言うべきサード・フルアルバムが完成

ニューウェイヴ、ファンク、ロックの黄金比を成立させた、エレクトロ・ロックのひとつの到達点と言うべきサード・フルアルバムが完成

2026.04.21

 人力エレクトロロック THE DEAD PAN SPEAKERSがなんと17年ぶりにアルバム『Citizen's Lights』をリリースする。血の通った高温のクラフトワークとでも言いたくなるようなエナジーとクールさが絶妙なバランスとして存在し、そこに懐古趣味ではなくアップデートさせた80'sニューウェイヴの色が入り混じる。ちょうど本稿を書き上げようとした時に観てきた話題の映画の中でパンクに括られることで理想、本質から離れると考えたFRICTIONのRECK役の人物がこんなセリフを言った。「俺たちがやりたいのは、過激なメッセージやアジテーションじゃない。最高にイカしててカッコいい、ダンスバンドなんだ」。まさにDEAD PAN SPEAKERSの音がソレである。リーダーのShigenobu Matsuzawa(Guiter, Synth, Vocal)に話を訊いた。(Interview:恒遠聖文)

音楽はオタクと、遊ぶのは不良と一緒が楽しい

──今回の素晴らしい新作については後ほど伺うとして、DEAD PAN SPEAKERSの結成は何年目になるんですか?

松沢:そこが定かじゃないんだけど、1st(『The Dead Pan Speakers』Diwphalanx Records)作ったのが2006年だから……一応、20年?

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▲2006年2月リリースのファーストアルバム『THE DEAD PAN SPEAKERS』

──BATTLE OF NINJAMANZとは並行してやってたんですよね?(松沢はドラムを担当)

松沢:そうね。ただ今のDEAD PAN SPEAKERSとは違う形でなんとなくやってた感じだったんだけど、それがちゃんとした形になったのは1st出してからかな。

──松沢さんってずっと謎の存在で、BATTLE OF NINJAMANZではドレッドでサイコビリーやってたし、いつか音楽的な背景を聞いてみたかったんですよ。昔、D.A.Fの来日のライブで会いましたよね。

松沢:あったねー。

──あとはレコード屋で会ったらニューウェーヴのコーナー見てたりとか、もともとはどういう嗜好なんですか? 例えばパンクとかは通ってるんでしょうか。

松沢:聴いてたよ。細かいところまではいってないけど。

──ロカビリーとかサイコビリーは?

松沢:もちろんもちろん。好きだよ。それも細かいとこまで知ってるわけじゃないけど、学生の頃から好きで聴いてたね。

──ではNINJAMANZは友達だからやってたわけじゃなかったってことですね(笑)。

松沢:うん(笑)。自分でもサイコビリーのレコード買ってたし。

──NINJAMANZでの松沢さんしか知らない人は、DEAD PAN SPEAKERSのライブ観てビックリするんじゃないですかね。

松沢:そうかもね(笑)。なんか音楽作るのはオタクとやってたほうが面白くて、遊ぶのは不良とのほうが楽しいみたいなとこあるかな。

──なるほど。時を経て(柳家)睦さんはRAT BONESで、一方、松沢さんはDEAD PAN SPEAKERSでっていう……自分のやりたいことをお互い突き詰めていった結果がそれぞれすぎてちょっと面白いです(笑)。

松沢:RAT BONESはすごいデカいところでやってるよね。フェスとかもでたり。よく告知が流れてくるけど。

──凄い勢いですね。ところでバンドは高校ぐらいからやってるんですか。

松沢:正確には中学くらいからやってて、ドラムでニューウェーヴっぽい感じ。まぁYMOのコピーとか。

──YMO世代ですもんね。

松沢:そっからKRAFTWERKを聴いたりとか、D.A.Fもそうだね。

──そういえば今回、砂原良徳さんが推薦文を書いててびっくりしたんですが、同級生なんですね。

松沢:そうそう。中学生の時から一緒にバンドやってて。たくさんレコード借りたしシンセとかドラムマシーン貸してもらったりもしたね。卒業してもずっと連絡は取ってて、どのエフェクターがいいとかいろいろ教えてもらったり。そういうのなかったらもっと遠回りしてたかもしれない。今、(砂原は)TESTSETってのやってて、あの雰囲気もいいよね。METAFIVEの延長で。

──一緒にYMO聴いてた同級生が後に高橋幸宏さん本人と一緒にやってるって凄い話ですね。

松沢:ふと見るとね(笑)。でも、突然そうなったんじゃなくて電気グルーヴに入ったりとか徐々に有名になってってるから。まぁよくよく考えると凄いなーと思うけど。

──松沢さんのフェイバリットアーティストはなんになるんですか?

松沢:やっぱKRAFTWERKかなぁ。

──KRAFTWERKはどの辺が好きなんですか?

松沢:『Electric Café / Techno Pop』(1986年)。あのディレイの使い方とか大好き。YMOも80年代初期のやつだね。あとは友達の兄貴の部屋にあったレコードを聴いてて……あ! STRAY CATSも(笑)。最近またやってるよね? 動画観てたらめちゃくちゃカッコイイのがあって。

──あれもまた音数少ないドラムでミニマムな。

松沢:そこは無理やりこっちに持ってかなくていいよ(笑)。普通に好きだから。

──こじつけが過ぎました(笑)。話を戻すと、ニューウェーヴやテクノポップはやはり「流行」であって、ずーーっと聴き続けてたわけではないですよね?

松沢:そうね。その時はそうだよね。KRAFTWERKも新しいのが出たら一応は聴いたり追ってたけど、やっぱりサイコビリーとかオルタナとかその時代その時代に出てきた音楽を聴いてて。そしたらテクノもシンプルになってまた出てきたり。

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THE DEAD PAN SPEAKERS
New Full Album『Citizen's Lights』

Diwphalanx Records PX393
¥3,182+税
2026年4月22日(水)発売

【Tracks】
01. Good News
02. Both Cases
03. Line Through The Point
04. In That Park Again
05. Multiple Cells
06. May The Noise Be With You
07. Titina
08. Can't Resist
<Bonus Track>
09. Making Plans For Nigel(XTC)
10. New Life(Depeche Mode)

エレクトロ・ロックバンド THE DEAD PAN SPEAKERSが『ELECTRIC SUNSHINE』(Diwphalanx PX198|2009年)から実に17年ぶりに放つサード・フルアルバムがリリースされる。
音楽に纏わりつく「要素」を極限まで削ぎ落とし、ロックサウンドの「本質」をミニマルに昇華~再構築させた全10曲。それは、ニューウェイヴ、ジャーマンロック、ポストロック、テクノ、ファンクなどロックの長き歴史の中で派生したフリーキーな音像群を、よりダンサブルに「再結晶化」させた、エレクトロ・ロックのひとつの到達点を結実させた注目作。ボーナス・トラックとしてXTC、Depeche Modeの名曲カバーを収録。

「ニューウェーブ、ファンク、ロックの黄金比!!」
デッドパンのリーダー・松沢氏は私の中学時代の同級生であり10代の多感な時間を共に過ごしてきた存在です。
彼は私が初めて音楽の趣味を共有できた友人でもあり、彼の存在なくして私の音楽人生は語れないかもしれません。
昔から感じていたことですが、彼のセンスは仲間の中でも群を抜いていました。
とりわけ80年代の自由でユニークな音楽シーンからの影響を絶妙なバランスで自分のスタイルに変換する。
そのセンスは本作においても存分に発揮されています。
是非この作品で体現された絶妙なバランスのバンドサウンドを体験していただきたいと思います。
(Text by 砂原良徳)

LIVE INFOライブ情報

New Album Japan Tour
5月3日(日)大阪 火影
5月4日(月・祝)名古屋 Valentinedrive
5月5日(火・祝)愛知県北設楽郡 月猿虎
5月16日(土)土浦 B side sound
5月23日(土)清水 CLUB ZOU
5月30日(土)盛岡 CRATES
5月31日(日)秋田 STEPS BAR
6月13日(土)千歳 ZOOWEE
6月14日(日)札幌 REVOLVER
6月28日(日)下北沢 SHELTER【昼帯】

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